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I.調査の概要 |
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1. |
調査名称: |
「子育てを終えた夫婦2人の居場所」 |
2. |
調査目的: |
本調査の目的は、50代・60代の子育てを終えた夫婦2人世帯の住まいに求められる要件を探ること。 |
3. |
調査時期: |
2006年7月から10月 |
4. |
調査方法: |
訪問調査およびアンケート調査により構成。 |
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(1) |
営業担当者による訪問調査で、家具レイアウトを記録し、リビングダイニングでの居場所とそこでされている行為をヒアリング実施。 |
(2) |
奥様・ご主人様各々にリビングダイニングでの居場所に関する意識等のアンケートを実施。
これらの2つの調査結果を統合して分析を行った。
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調査対象 |
へーベルハウス居住者で、夫が50代以上の夫婦であり、家族に18歳以下の子がいない方 |
調査時期 |
2006年7月~10月 |
調査方法 |
(1)居住者訪問調査 |
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営業担当による |
・ |
家族構成、年齢 |
・ |
家具レイアウトの記録 |
・ |
リビングダイニングの居場所と行為のヒアリング |
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(2)居住者アンケート調査
訪問時に、ご主人者・奥様の双方に依頼 |
調査内容 |
リビングダイニングでの居場所・行為の実態
個室の所有状況・希望 |
リビングダイニングでの居場所・距離感に関する意識
外出・来客頻度
趣味とそのための場所・アイテム |
調査数 |
271 |
有功回答数 |
223 |
※ |
上記(1)(2)が揃っており、次の条件に合致するものを有効回答数とした。 |
1) |
へーベルハウスに居住している。 |
2) |
家族全員が19歳以上である |
3) |
夫が50歳以上の夫婦である
(死別や入院等により配偶者と現在同居していないものは除く)
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4) |
LDKを他の夫婦と共用していない(独立二世帯住宅を含む) |
5) |
両親、片親との同居を含む(同居の影響については別途考察する) |
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調査分析指導 |
大阪大学大学院工学研究科 地球総合工学専攻 鈴木 毅 助教授 |
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II.調査結果の要約 |
(1) |
夫婦ともにリビングダイニングに居る時間が長いこと。 |
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夫の58%、妻の41%は個室を持っていましたが、
個室を持っている場合でも夫の62%、妻の71%はリビングダイニング(以下LDと表記します)
に居る時間の方が長く、LDの重要性が示されました。LDに自分専用の居場所がある率は夫妻共に6割程度あり、
「ないが欲しい」を加えると夫の75%、妻の80%がLDに居場所を持とうとしています。 |
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(2) |
リビングダイニングでは、思い思いに別々のことをしており、
リビングでは「くつろぎ系」ダイニングでは「はたらき系」の行為が多いこと。 |
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LDでしていることの1位は夫妻ともにTV。新聞・雑誌と読書を加えたものが
3位までを占めます。これは必ずしも同じ事をしているだけはなく、夫婦別々のことをして過ごしている時もLDに居る夫婦が8割以上を占めます。
LDでの行為は「くつろぎ系」と「はたらき系」に分けられます。
リビングではTV・新聞・読書の上位3つを中心として、横になったり、お茶をしたりというくつろぎ系の
行為が中心です。ダイニングでも上位3つの行為は同様に多く見られますが、夫のパソコンや妻の書き物、
アイロン、ミシンといった家事に関するもの等、はたらき系の行為が多くみられるようになります。 |
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(3) |
夫婦の居方の組合せは主に3パターンに分かれ、リビングとダイニングにそれぞれがいる場合には3m以上離れて外向きの居方が多いこと
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LDでの一番多い居方はリビングに一緒にいるもの、ダイニングに一緒に
居るもの、リビングに夫、ダイニングに妻と分かれて居るもの、の3種で全体の85%を占めています。
1) |
リビングに一緒に居る居方は、平均1.6m離れ、平行や内向きに座ることが多いようです。 |
2) |
ダイニングに一緒に居る居方は、平均距離で1.2mであり、対面して座ることが多くなります。
上記の2つのパターンの一緒に居る居方は、いつでも会話できる距離と向きになっています。 |
3) |
リビングに夫、ダイニングに妻と別れている居方は、
平均距離が3.3mと遠く、外向きが多くなります。
これはリビングでくつろぎ系、ダイニングではたらき系のことが同時に行われる場合、
気にならない程度の距離と向きを自然に選んでいるのではないかと考えられます。 |
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(4) |
リビングダイニングの居場所を決める要素は、距離、動線、収納、窓の4つ |
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居場所を決める要素として、次のような傾向が見られました。
1)距離: |
「くつろぎ系」と「はたらき系」の居場所は3m以上離れ、外向き。 |
2)動線: |
妻の居場所は家事動線が短くなるキッチンに近い位置が多く、
夫の居場所は妻の動線に邪魔されない落ち着ける空間が多い。 |
3)収納: |
居場所で用いられる多様な物品を近くに配置、収納する必要がる。 |
4)窓: |
居場所は外を眺められる場所であることが多い。 |
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(5) |
個室の独立性がリビングの役割をサポートすること
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個室の使用頻度はリビングに長く居る夫婦が多いにもかかわらず高く、
よく使うという回答が約7割ありました。個室は独立性が求められる場合には役立っており、長時間継続する
仕事や趣味、音楽鑑賞、喫煙等の行為が個室を必要とする理由のようです。
リビングダイニングと比較しての利点は配偶者に邪魔されず集中できること、食事などの際に中断しても
片付ける必要がないことが考えられます。
友人の訪問頻度は60代リタイア層では夫妻ともに月1回以上が3割あり、頻繁に来客を迎えています。
来客が妻の友人の場合の夫の居場所は6割が個室であり、個室があると妻の友人の来客を招きやすくなるので
はないかと想像されます。
また、夫婦別寝室のための個室や、親、または自分たちの介護を想定した場合の個室も考慮されること
が多いようです。 |
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III.旭化成ホームズ株式会社 ロングライフ住宅研究所について(ご参考) |
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旭化成ホームズ株式会社では平成10年2月に、
地球環境保全や少子・高齢化の進展などを背景とした社会のニーズに応えるべく
「ロングライフ住宅(長期耐用住宅)の実現」を事業戦略ビジョンとして宣言し、推進しています。
その一環として、同年4月に「旭化成・ロングライフ住宅研究所」を設立し、生活者の視点に立った住まい方の研究を行い、その成果を発表するなど積極的に活動を行っています。 |
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以上 |