2008年2月5日

各 位
旭化成ケミカルズ株式会社



米国における大型イオン交換膜法食塩電解設備受注
およびイオン交換膜法食塩電解プロセス累積1,500万トン受注達成


 旭化成ケミカルズ株式会社(社長:藤原 健嗣、本社:東京都千代田区)は、米国ザ・ダウ・ケミカル・カンパニー(本社 米国ミシガン州ミッドランドCEO Andrew N. Liveris、以下「ダウ・ケミカル」)の米国テキサス州Freeport工場向けイオン交換膜法食塩電解設備を受注し、設備供給契約書を締結しました。 また、今回の受注によりイオン交換膜法食塩電解プロセスの累積1,500万トン(100%苛性ソーダベース)受注を達成しましたので、併せてお知らせいたします。
 
 
1. ダウ・ケミカル受注
   旭化成ケミカルズは1999年にダウ・ケミカル米国テキサス州Freeport工場向けにイオン交換膜法食塩電解設備を供給してまいりました。ダウ・ケミカルは本年1月29日、Freeport工場に新たなイオン交換膜法食塩電解プラントを建設することを発表しましたが、弊社は当該プラント向けに電解設備を供給することとなりました。
 今回の新プラント建設により、Freeport工場はイオン交換膜法食塩電解では世界最大規模の生産能力を有した工場となりますが、その総てが弊社のプロセスとなります。
 弊社は米国Freeport工場のほかドイツ2工場にも電解設備を供給しています。今回の受注は過去の供給実績に加えて、弊社の技術開発力および信頼性が評価されたものと考えています。
 
2. イオン交換膜法食塩電解プロセス累積1,500万トン受注
   イオン交換膜法食塩電解プロセスとは、イオン交換膜を使用して食塩水を電気分解し、塩素と苛性ソーダを生産するシステムです。弊社のイオン交換膜法食塩電解プロセスは、1975年に販売を開始して以来、30年に亘る実績と優れた性能により、顧客から高い信頼を得ています。2005年11月に累積受注量1,000万トンを突破して以来、今回のダウ・ケミカル受注を含め、僅か2年間で累積受注量1,500万トンを達成しました。2008年1月現在、全世界で19か国、98工場で採用され、世界のトップシェアを誇っています。
 弊社のプロセスはダウ・ケミカル(米国、ドイツ)に加えて、FPC(台湾)、Akzo Nobel(オランダ)、Shintech(米国)、BASF(ドイツ)など世界有数の大手化学メーカーに採用戴いております。
 経済発展の著しい中国においても、山東華泰集団(山東省)、新疆天業集団(新疆自治区)、山東博匯紙業(山東省)、巨化集団(浙江省)、天津渤海集団(天津市)をはじめとする数多くの化学会社から受注しており、弊社プロセスの累積受注量は600万トンを達成、トップシェアを誇っております。
  
3. 技術特長
 弊社のイオン交換膜法食塩電解プロセス技術には以下の特長があります。
  (1) 水銀、アスベストなどの環境汚染物質を使用しない環境に優しく、弊社が世界で初めて開発した技術です。
  (2) 電解電圧が低く、電力消費量が少ない技術です。
  (3) 高濃度の苛性ソーダが製造でき、濃縮のための蒸気消費量が少ない技術です。
  (4) 高純度の塩素が製造でき、塩素を液化することなくニ塩化エチレン製造工程に供給することが可能です。
 また、弊社が開発した「アシプレックス」イオン交換膜は優れた電解性能を有しており、電解電圧、電流効率、塩水不純物耐性などで世界トップレベルの性能を有しています。
  
4. 事業環境
   高い経済成長を実現している中国、インドでは、塩ビや基礎化学品である苛性ソーダの需要が増加しています。これに伴い、イオン交換膜法食塩電解プロセスの引き合いも活発化しています。また、環境問題や原油価格高騰に伴う電力コスト上昇に伴い、既存の水銀法、隔膜法からイオン交換膜法への転換案件も顕在化しています。
  
5. 事業戦略
  弊社では、高付加価値事業の一つであり、得意分野でもある膜事業(交換膜、電池セパレータ、水処理事業等)を今後の重点拡大分野と位置付けており、その中で交換膜事業も、その強化を図っております。
 今後とも、イオン交換膜と電解槽、陽極、陰極、運転技術を含むすべての食塩電解プロセス技術を供給している世界で唯一のメーカーであることを活かして、2010年までに累積2,500万トン受注達成を目指して、世界No.1の地位を揺るぎないものにしていく計画です。
  
以上

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