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1. |
今回のプラント建設の意義 |
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当社のAN事業は、今後成長が見込まれるアジア市場においてNo.1、世界でもNo.2の生産能力を有しており、旭化成グループの中期経営計画「Growth Action – 2010」の中でも、グローバル拡大事業として重点的に経営資源を投入し、積極的に拡大していく方針です。
今回建設するANプラントでは、当社が世界で初めて開発したプロパン法AN製造プロセスを採用します。この技術は、プロピレンを主原料とする既存のプロピレン法AN製造プロセスに比較し、価格競争力のあるプロパンを主原料に使用することから低コストでANを製造することができます。さらに本プラントは、PTT社から安定的に競争力あるプロパンの供給を受けることにより、グローバル市場において圧倒的なコスト競争力を確保することができ、当社のAN事業拡大戦略を実行する上で重要なプラントとなります。
なお、タイでのANプラントの建設は、当社AN事業の世界No.1を実現する第一ステップとなりますが、さらに世界No.1ポジションを目指し、中東において2010年代前半の稼動を目標に次期プラント計画の検討を進めています。
また、今回同時に建設するMMAプラントについても、ANプラントから副生する青酸を活用できるACH法を採用することで、高いコスト優位性を確保することが可能となります。このプラントを拠点として、成長市場であるアジアでの拡販、シェアの拡大を積極的に推進する計画です。 |
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2. |
AN、MMAの事業計画概要 |
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(1)AN事業計画 |
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1) |
生産能力・製法: |
年産20万トン・プロパン法 |
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2) |
立地: |
タイ国ラヨーン県・マプタプット工業区内 |
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3) |
原料調達: |
プロパンはPTT社が供給、アンモニアは輸入 |
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4) |
工期: |
2008年夏着工、2010年末稼動(予定) |
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5) |
製品販売: |
タイ国内は合弁会社が販売、タイ国外は当社が引取り販売 |
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6) |
売上規模: |
約400億円(予定) |
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(2)MMA事業計画 |
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1) |
生産能力・製法: |
年産7万トン・ACH法 |
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2) |
立地: |
ANプラントと同様 |
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3) |
原料調達: |
アセトンはPTT関係会社のPTTフェノール社から調達 |
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4) |
工期: |
ANプラントと同様 |
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5) |
製品販売: |
ASEAN地域は合弁会社が販売、ASEAN以外は当社が引取り販売 |
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6) |
売上規模: |
約180億円(予定)※硫安(年産16万トン)販売を含む |
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(3)投資額 |
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本プロジェクトの総事業費は約7億5千万ドル(約800億円)、うち半分はプロジェクトファイナンスで調達し、当社の投資額は約200億円となる予定です。この投資は、「Growth Action – 2010」で掲げる旭化成グループの戦略投資の一環となります。 |
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<参考> |
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(1)合弁会社概要 |
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1) |
会社名: |
PTT Asahi Chemical Company Limited(PTTAC社) |
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2) |
社長: |
Pailin Chuchottaworn |
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3) |
設立: |
2006年8月 |
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4) |
所在地: |
タイ国バンコク市 |
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5) |
登録資本金: |
12,400百万バーツ(約400億円) |
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6) |
出資比率: |
旭化成ケミカルズ48.5%,PTT社48.5%,丸紅3.0% |
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(2)PTT Public Company Limitedの概要 |
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1) |
社長: |
Prasert Bunsumpun |
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2) |
設立: |
2001年10月 |
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3) |
事業内容: |
下記3つに大別される。 |
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a) |
Oil Business Group |
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石油の生産および輸出入、LPG、ガソリン等の販売 |
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b) |
Gas Business Group |
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天然ガスの採掘、販売および分離生産 |
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c) |
Petrochemicals and Refining Business Group |
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石油精製および石油化学製品の生産 |
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4) |
資本金: |
398,652百万バーツ(約1兆3千億円、2007年末時点) |
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5) |
売上高: |
1,495,806百万バーツ(約4兆9千億円、2007年12月期) |
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以上 |