2009年3月26日

各 位
旭化成せんい株式会社



エステル事業およびモノフィラメント事業の構造改革実施について
 

 旭化成せんい株式会社(本社:大阪市北区、社長:坂本正樹)は、このたび、本年9月末をもってエステル(ポリエステル長繊維)およびモノフィラメント※1の自社生産を停止し、両工場を閉鎖することを決定いたしましたので、お知らせいたします。
 生産停止後は、エステル事業については、主要な差別化原糸の生産を帝人ファイバー株式会社(本社:大阪市中央区、社長:唐澤佳長、以下「帝人ファイバー」)に移管し、当社はスポーツニットテキスタイル※2事業に集中した体制に移行いたします。また、モノフィラメント事業については、生産・販売を大手専業メーカーであるユニプラス株式会社(本社:大阪市西区、社長:生嶋 孝則、以下「ユニプラス」)に移管し、同事業から撤退いたします。
 この構造改革により、当社はポリウレタン弾性繊維「ロイカ」、再生セルロース繊維「ベンベルグ」、不織布、ナイロン66繊維「レオナ」からなるコア事業群への経営資源の一層の集中を図り、現在進行中の中期経営計画を更に加速し実行してまいります。
 
 
※1 モノフィラメント マルチフィラメントに対応する用語で、1本のフィラメントで1本の糸とするもの。素材としてはナイロンやPET等が使用され、釣り糸やテニスラケットのガットが代表的な用途。
※2 スポーツニットテキスタイル ジャージや水着素材等、主にスポーツ用衣類に使用される生地。
 
1.構造改革の背景と経緯
   エステル事業、モノフィラメント事業とも、1969年の操業開始以来本年で満40年を迎えましたが、1990年代の円高、韓国・台湾および中国のプレゼンスの拡大等の経済環境の激変以降は、長く低採算を余儀なくされてまいりました。これに対応するため、差別化路線の追求や生産販売体制のスリム化等の事業改善策を実行してまいりましたが、近年の原油価格の乱高下やそれに続く世界的な需要縮小の継続の中で、将来的に再投資が可能な事業性を見出しえず、このたび自社生産の継続を断念いたしました。
 
2.構造改革の内容
  (1) エステル事業
   
1) 自社生産は本年9月末をもって終了し、宮崎県延岡市の工場を閉鎖いたします。
2) 本年10月以降は以下の通り対応いたします。
  a) スポーツニットテキスタイル事業については、「テクノファイン」等の当社の主要な差別化原糸の生産を帝人ファイバーに移管し、同社から原糸のOEM供給を受けることにより、当社が生地の生産・販売を継続いたします。「ロイカ」複合や「ベンベルグ」複合等、当社の特徴ある素材の展開に注力し、更に発展させてまいります。
  b) 「インパクト」等のスポーツ織物、エステル100%裏地については、2010年3月末まで販売を継続し、同年4月に帝人ファイバーに生産・販売を移管いたします。
  c) 帝人ファイバーへ移管しない一部の原糸等の販売については、2010年3月末をもって終了いたしますが、永年ご愛顧頂いたお客様に極力ご迷惑をおかけしないよう、充分にご相談しながら対応いたします。
 
  (2) モノフィラメント事業
   
1) 自社生産は本年9月末をもって終了し、宮崎県延岡市の工場を閉鎖いたします。
2) 本年10月以降、必要な技術・生産設備をユニプラスに移管いたします。
3) 当社の販売は、本年12月末をもって終了し、その後はユニプラスが生産・販売を継承いたしますが、永年ご愛顧頂いたお客様に極力ご迷惑をおかけしないよう、充分にご相談しながら対応いたします。
 
  (3) 従業員について
    両事業に従事する従業員については、原則としてグループ内での再配置を予定しております。
 
3.業績への影響について
  本件に伴う業績への影響額については、現在精査中であり、現時点では決まっておりません。確定次第必要に応じて開示いたします。
 
※「レオナ」、「テクノファイン」、「ロイカ」、「ベンベルグ」、「インパクト」は登録商標です。
以 上
 
<ご参考>
事業の現況
  (1) エステル事業
 
売上高 111億円(2007年度)
工場所在地 宮崎県延岡市
従業員数 199名(製造子会社含む)
生産量 8,000トン/年(2007年度実績)
 
  (2) モノフィラメント事業
 
売上高 8億円(2007年度)
工場所在地 宮崎県延岡市
従業員数 47名(製造子会社含む)
生産量 1,000トン/年(2007年度実績)
 
 

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