2008年8月21日

各 位
旭化成ホームズ株式会社



建築と設備の両面から総合的に自然の恵みを生かす
環境負荷の少ない快適な生活を提案するコンセプトモデル
次世代ロングライフ住宅「ヘーベルハウス そらから–f」新発売

 

 旭化成ホームズ株式会社(本社:東京都 新宿区、代表取締役社長:波多野 信吾)は、新躯体システムの戸建住宅ファインヘーベルハウスの発売に伴い、建築と設備の両面から総合的に「自然の恵みを生かす住まい」を提案する「ヘーベルハウス そらから–f」を2008年9月1日より発売します。
 当社では、住まいと環境の関係を考えるにあたり、「自然の恵みを生かす」をキーワードとして2002年7月に「そらから」を発売するなど、これまでもいくつかの環境モデルを発表してきました。これまでの当社の環境配慮型住宅に対する取り組みは、光・風・緑といった自然の恵みを建築的に取り込む技術を高めることで、環境負荷の少ない快適な暮らしを実現することに着目したものであり、この取り組みを「賢くひらく」技術として深めてきました。今回提案する建物は、これまで蓄積してきた「賢くひらく」知見に加えて、太陽光発電システムなどの設備機器を搭載して、総合的に環境負荷の低減を提案するものです。
 「そらから–f」の特徴は、屋上部に設置して北側に開口部をひらき、屋内の吹抜けと組み合わせて下階南側の開口部から風を誘導する「ソーラーハット」を搭載したことです。この「ソーラーハット」の南側屋根面に太陽光発電システムを設置することで、従来の光・風・緑を取り込む「賢くひらく」建築的工夫とともに、太陽光エネルギーを電気エネルギーとして取り込みます。当社では、陸屋根建物の屋上については積極的に屋上緑化を推進してきましたが、この「ソーラーハット」により屋上緑化と太陽光発電が調和を持った形で提案できるようになりました。
 また、個別に条件の異なる各敷地において、最適なプラン・設備機器の組み合わせが提案できるように、住環境シミュレーションシステムARIOS(アリオス)に年間光熱費やCO2排出量を予測する機能を追加しました。これにより、「そらから–f」のコンセプトに基づき自然の恵みを生かす建築計画において、さまざまな省エネ機器も含めて総合的に環境負荷の少ない住まいを提案することが可能となりました。
 本体価格は3.3平米あたり77万円(消費税込み)から、初年度販売目標は500棟を予定しています。
 
1.背景
   本年7月に開催された北海道洞爺湖サミットでも2050年までの温室効果ガス排出量削減目標が協議されるなど、温暖化を中心とする地球環境問題は、世界全体で共有すべき喫緊の課題として一層クローズアップされています。日本では特に産業部門などに比べて民生部門でのCO2削減の立ち遅れが問題となっており、家庭におけるCO2削減の取り組みは今後の住宅業界にとって非常に重要な課題と言えます。
 当社では、2002年に「ヘーベルハウス そらから」を発売して以来、平成16年に「ヘーベルハウス かぜのとう」を、平成18年に「ヘーベルハウス グリーンプラス」を発売するなど、光・風・緑といった自然の恵みを生かす住まいづくりを提案し続けてきました。それは、都市の住まいにおいても身近な自然を生活に取り入れ、その心地よさを感じながら自然の恵みを生かすことによって環境負荷を低減する「賢くひらく」という考え方に基づくものです。環境負荷の少ない設備機器や創エネ機器は日進月歩で進化をしていますが、経年とともに更新されることで常に最新の技術を享受することができます。しかし、世代を超えて長期にわたって住み継がれる住まいにおいては、当初から建設地固有の環境条件を生かし自然の恵みを活用できる住まいを建築的に実現することも大切です。「ロングライフ住宅の実現」を目指す当社では住まいと環境を考えるにあたって、この視点からの研究を優先して取り組んできました。
 平成14年の「そらから」発売にあたっては、当社が旭化成グループとのシナジーにより独自に開発した日照・通風シミュレーションシステムARIOSを導入し、光や風といった自然の恵みを建築計画に確実に生かすことが可能となり、住環境設計を更に精緻で確実なものとしました。その後、シミュレーションシステムARIOSは、日射シミュレーション・採光シミュレーションの新たな機能が追加され総合的住環境シミュレーションシステムとして進化を重ねています。今回、進化した次世代ロングライフ住宅「ファインヘーベルハウス」シリーズ発売に伴い、設計段階において年間光熱費やCO2排出量を予測するCO2シミュレーション機能を追加しました。
 
2.商品の特徴
  (1)風と光を誘導する「ソーラーハット」
     自然の通風・換気を促すために、北向きに開口部をひらいたソーラーハットと、1階から連続する屋内の吹抜けを組み合わせた「風と光の筒」を作ります。これにより「かぜのとう」と同様に、1階・2階の窓から室内に取り込まれ、ソーラーハット開口部から外部に抜ける自然通風や、室内の温まった空気が上昇してソーラーハット内部に集まり、窓から外に抜けることにより起こる下から上への空気の流れが生まれます。
   
   
  (2)季節に応じた開口部の日射コントロール
     できるだけ冷房や暖房に頼らず、夏期は涼しく冬期は暖かい生活ができるように、開口部ごとに日射コントロールを検討して仕様を設定しています。
 主な窓のガラス仕様は、断熱効果は高めながらも冬期の日射による熱透過を重視して、非遮熱型高断熱タイプの低放射複層ガラスを採用しています。遮熱タイプのものは、西向きの小さい窓など個別に必要性を検討しながら提案しています。
 夏期は、遮熱ガラスにして窓を閉じるのではなく、できるだけ窓を開けて自然の通風により涼をとる生活スタイルを基本としており、日射に対する遮熱については庇やアウタースクリーンなどの外部日射遮蔽アイテムを用意しました。選択にあたっては、旭化成独自の住環境シミュレーションシステムARIOSの日射シミュレーション機能を使って検討ができます。
   
  (3)自然エネルギーの積極的活用
     自然エネルギーの活用の1つとして、太陽光発電システムの設置をこれまで以上に積極的に推奨していきます。従来多かったフラット屋根部分への設置だけでなく、「そらから–f」では建築的に通風・換気を促すために設置するソーラーハットの南向き勾配面への太陽光発電パネル設置を提案しています。これまで当社では、陸屋根タイプの住宅には積極的に屋上緑化を提案してきましたが、ソーラーハットの設置により屋上緑化と太陽光発電が調和を持った形で提案できるようになりました。
 その他の自然エネルギー利用設備として、地中熱利用冷暖房システムなども推奨しています。
   
  (4)ARIOSにCO2シミュレーション機能を追加
     従来の住環境シミュレーションシステムARIOSは、建築計画(図面)段階において日照、通風、日射、採光シミュレーションという4つの機能を持っていました。今回の「そらから–f」発売にあたってバージョンアップを図り、予想年間光熱費・CO2排出量を計算する機能を追加しました。これにより、個々の敷地条件や設計したプランに即し、概ねの生活パターンを決めて入力することで、年間光熱費やCO2排出量を予想することができますので、選択した開口部や設備による違いを踏まえて「そらから–f」のコンセプトを実現する最適なプラン・設備機器の組み合わせを提案し、また、顧客(施主)自身もよく理解・納得した上で「賢くえらぶ」ことが可能となります。
   
  (5)EcoゾウさんClubによるエコ生活支援サービス
     「そらから–f」において、自然の恵みを生かすことで環境負荷を減らし「賢くくらす」ことを支援するために、EcoゾウさんClubの活用を推奨しています。EcoゾウさんClubとは、2004年より当社がウェブサイト上で一般公開しているエコ生活支援サイトで、どなたでも無料で登録して利用することができます。電気やガスなどの使用量といった必要項目を毎月入力すると、その家庭でのエネルギー消費量やCO2排出量が数値化され、他の会員との比較もできます。このEcoゾウさんClubによりエネルギー消費量を目に見える形に数値化することで、「そらから–f」の入居者が環境意識を更に高め、より「賢くくらす」ための支援となることを期待しています。
 また、本年8月5日には、入居者などに対する取り組みとしてこのEcoゾウさんClubの仕組みを活用することにより削減されたCO2排出量を、住宅の製造・建設段階で発生するCO2とオフセットする試みが、環境省の平成20年度カーボン・オフセットモデル事業計画設計調査にハウスメーカーでは唯一採択されています。
   
3.商品概要
 
(1) 構  造 ハイパーフレーム(鉄骨軸組制震フレーム)構造
(2) 本体価格 3.3平米あたり77万円〜(消費税込み)
(3) 販売地域 関東、東海、関西、山陽、九州北部
(4) 販売目標 (年間)500棟
(5) 発 売 日 平成20年9月1日(月)
 
以上
 
【ヘーベルハウス そらから–f】プロトタイプ平面図
   
  1階  
     
   
  2階  
     
【ヘーベルハウス そらから–f】プロトタイプ外観
   
     

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