1. 新工場の概要 |
|
(1) |
場 所 |
: |
宮崎県延岡市岡富地区 |
|
(2) |
着 工 |
: |
2007年7月 |
|
(3) |
竣 工 |
: |
2008年11月 |
|
(4) |
生産能力 |
: |
中空糸膜:600万束/年、
組立:550万本/年 |
|
(5) |
投資額 |
: |
約75億円 |
|
 |
『ポリスルホン膜ドライタイプ人工腎臓の紡糸・組立一貫工場』 |
|
 |
『竣工式の様子』 |
|
2.新工場の特長 |
|
今回新設した工場は、これまでの技術開発成果を集大成することにより、以下の特長を有する最新鋭工場となります。 |
|
|
(1) |
紡糸・組立一貫工場 |
|
中空糸膜の紡糸から最終製品の組立までを、同一工場内の一貫した品質管理の下で生産することで、高い生産効率と品質安定性を実現する新工場となっています。 |
|
(2) |
ドライタイプの新型APS人工腎臓専用工場 |
|
従来のウェットタイプAPS製品シリーズの新たな品揃えとして、ドライタイプの新型APS人工腎臓を国内外に供給する専用工場です。 |
|
(3) |
製品の小型軽量化、省エネ・環境ニーズ対応 |
|
ドライタイプの新型APSは、従来の高性能・高品質に加えて、小型・軽量化によりユーザーの取扱い性と保管スペースの省力化、梱包材料を含む使用資材の削減を実現しました。また、一貫工場とすることで工場間移送による梱包資材の削減、輸送によるCO2発生抑制、製品の小型化により廃棄焼却時のCO2発生量削減を実現し、環境負荷を軽減します。 |
|
|
3.人工腎臓事業展開について |
|
高齢化の進展及び透析患者数増加と医療環境の整備に伴って、世界の人工腎臓需要量は着実に増加しています。中でも高性能で生体適合性に優れたポリスルホン膜人工腎臓が大きな伸びを示し、今後もこの傾向は続くことが予想されます。当社は、国内トップの人工腎臓メーカーとして、今後とも透析医療に携わる方々からの信頼と満足を獲得できる「優れた製品・情報・サービス」の提供、患者様のQOL(Quality of Life)の向上、さらに世界最高水準にある日本の透析医療技術の進歩に貢献できるよう、積極的な新製品開発と拡大投資を継続してまいります。
今回のポリスルホン膜ドライタイプ人工腎臓一貫工場の竣工に続き、現在宮崎県延岡市にて来年10月に竣工予定でポリスルホン膜人工腎臓の中空糸紡糸設備600万束の増設工事を進めております。これにより、中空糸紡糸能力は3,400万束となり、日本トップメーカーの地位を揺るぎないものとし、今後のグローバル事業拡大を加速します。 |
|
〔用語解説〕 |
1.人工透析 |
|
血液を体外に誘導し、中空糸膜(人工腎臓)を介して血液と透析液を接触させ、本来尿中に排出される尿素、クレアチニン、尿酸などの老廃物を除去して浄化された血液を体内に戻す療法。国内で約27万人が人工腎臓等による透析治療を受けている。1回4~5時間、週3回の治療が必要。 |
|
2.人工腎臓(ダイアライザー) |
|
上記の治療を行う際の血液と透析液を接触させるための半透膜を容器に組み込んだもの。透析療法の初期にはコイル型とかキール型といわれるものも使用されていたが、紡糸技術を応用した中空糸膜が開発され、取扱性、効率性などの特長から現在ほとんどが中空糸膜型になっている。
素材としてはセルロース系(再生セルロース、セルローストリアセテート)、合成高分子系(ポリスルホン、EVOH、ポリアクリロニトリル、ポリメチルメタアクリレート、等)がある。
透析膜として使用される中空糸は、内径180~230μm(1μmは1mmの千分の1)、膜厚10~50μm、長さ約30cm。この中空糸を1万本前後束ねてカートリッジに組立てて人工腎臓にする。 |
|
3.ドライタイプ人工腎臓及びウェットタイプ人工腎臓 |
|
人工腎臓モジュールに充填液を封入したものがウェットタイプ人工腎臓、充填液を封入していないものがドライタイプ人工腎臓。 |
|