2009年3月31日

各 位
旭化成株式会社



商品科学研究所跡地の土壌調査結果と今後の対応について
 

 旭化成株式会社(本社:東京都千代田区、社長:蛭田 史郎)では、商品科学研究所(大阪府高槻市)のせんい先端技術センター(滋賀県守山市)への移転に伴い、2008年10月より土壌汚染対策法に基づく土壌汚染状況調査及び自主的な土壌汚染状況調査を行ってきました。その結果、一部に指定基準を超える汚染物質が検出され、本年3月18日と3月26日に所轄官庁の高槻市役所に調査結果を報告しました。その概要は下記の通りです。

 今後、関係官庁のご指導のもと、土壌浄化計画書を作成し、汚染土壌・地下水の浄化工事を速やかに開始します。

 近隣住民の皆様には、ご迷惑とご心配をお掛けしますことを、深くお詫び申し上げます。
 
 
1.商品科学研究所跡地
 
(1) 住 所 大阪府高槻市八丁畷町11-7
(2) 研究所設立 1953(昭和28)年9月
  研究所閉鎖 2008(平成20)年9月
(3) 敷地面積 10,633m2
(4) 研究内容 繊維の加工研究及び評価研究
(5)
有害物質使用特定施設の廃止日 2008年9月30日
 
2.土壌及び地下水調査について
  (1) 調査時期と内容
     当社は、当該敷地において、法令に基づく土壌汚染の調査及び自主的な土壌調査を、2008年10月から2009年3月にかけて実施しました。
 当該調査では、全敷地を区画割りして土壌調査を行いました。また、併せて地下水の調査を行いました。
 
  (2) 調査結果
   
1) 土壌について
<土壌汚染対策法に基づく調査物質>
 特定施設で使用していた第1種特定有害物質8物質(内3物質は分解物)及びホウ素を調査した結果、次の物質について5区画481m2(物質により重複区画あり)で指定基準値を超過しました。それ以外の物質は、指定基準以下でした。
 
物質 基準値
(mg/l)
基準値超過
区画数
基準値超過検出値
(mg/l)
テトラクロロエチレン 0.01以下 4 0.011〜330
トリクロロエチレン 0.03以下 3 0.078〜2.8
シス-1,2-ジクロロエチレン 0.04以下 4 0.041〜4.4
 
<自主調査物質>
 上記以外の第1種、第2種特定有害物質、及びPCB、ダイオキシン類について調査をした結果、次の物質が指定基準を13区画で超過しました。それ以外の物質は、指定基準以下でした。
 
物質 基準値 基準値超過
区画数
基準値超過検出値
鉛(溶出量:mg/l) 0.01以下 1 0.078
鉛(含有量:mg/kg) 150以下   190
ダイオキシン類(pg-TEQ/g) 1,000以下 2 1,600〜25,000
砒素(溶出量:mg/l) 0.01以下 10 0.018〜0.26
 
2) 地下水について
 敷地内では地下水基準値を超える下記の汚染物質が6区画で検出され、敷地境界では自然的原因と考えられる砒素が7地点で検出されました。
 
物質 基準値
(mg/l)
基準値超過数 基準値超過検出値
(mg/l)
敷地内 敷地境界
テトラクロロエチレン* 0.01以下 4 0 0.012〜0.45
トリクロロエチレン* 0.03以下 3 0 0.066〜0.18
シス-1,2-ジクロロエチレン* 0.04以下 4 0 0.61〜17
1,1-ジクロロエチレン* 0.02以下 1 0 0.026
砒素** 0.01以下 1 7 0.18(0.012〜0.074)
 
*土壌汚染対策法に基づくもの、**自主調査 ( )は敷地境界
  調査地点数
 
  テトラクロロエチレン及びその分解物 敷地内11箇所、敷地境界9箇所
  砒素 敷地内10箇所、敷地境界9箇所
 
3) 隣接地、及び水路のダイオキシン類調査について(追加自主調査)
 ダイオキシン類が北側敷地境界に接した2区画で検出されましたので、隣接地を確認したところ、隣接地の敷地境界付近の土壌の1地点からも環境基準値を超えるダイオキシン類が検出されました。
 また、隣接地の北側にある通常流れのない水路の水質、底質を測定したところ、環境基準値を超えるダイオキシン類が5地点で検出されました。なお、水路の下流2箇所で水質と底質を測定しましたが、ダイオキシン類は基準値以下でした。
 
物質 基準値 基準値超過
地点数
基準値超過検出値
土壌(pg-TEQ/g) 1,000以下 1 1,800
水質(pg-TEQ/l) 1以下 1 7.3
底質(pg-TEQ/g) 150以下 5 160〜270
 
3.原因について
   テトラクロロエチレンは、繊維製品のドライクリーニング試験に使用していたものが、排水溝等から漏れたものと考えています。トリクロロエチレン、シス-1,2-ジクロロエチレン、1,1-ジクロロエチレンは、テトラクロロエチレンの分解生成物と考えています。
 鉛については、一時期鉛化合物を含む着色顔料を使用していたことからこの一部が漏れたものと考えています。
 ダイオキシン類については、使用しなくなったコンデンサーを一時的に廃棄物置場に保管したときに、絶縁油が漏れたものと考えています。
 砒素については、使用履歴がなく、盛土については客土によるもの、シルト層と地下水については自然由来によるものと考えています。
 
4.対策について
   高槻市のご指導のもと、速やかに浄化計画書を作成して浄化工事を実施します。
  (1) 汚染土壌・地下水について
     汚染土壌については掘削除去等により浄化を検討しており、テトラクロロエチレン等の汚染地下水についても汚染土壌の浄化と合わせて浄化します。
  (2) 隣接地について
     環境基準値を超えた境界付近の隣接地の土壌については、速やかに掘削除去し、清浄土壌で埋め戻します。また、環境基準値を超えた水路については、浚渫し適正に処理します。
 
5.住民説明について
   地元自治会等には汚染状況、対策を説明する予定にしております。
 
以上
 
【本件に関する問い合わせ先】
 
旭化成株式会社 大阪総務室(広報) 電話 06-6347-3040
  広報室 電話 03-3296-3008
 
 

ニュース


ページ上部へ