2009年4月10日

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旭化成メディカル株式会社



ウイルス除去フィルター「プラノバ」の新紡糸工場竣工について
 

 旭化成メディカル株式会社(本社:東京都千代田区 社長:吉田 安幸)では、ウイルス除去フィルター(商標名「プラノバ」※)の中空糸生産能力を増強するため、紡糸工場の新設を行ってきましたが、この度竣工しましたのでお知らせいたします。これにより、「プラノバ」の中空糸生産能力は、現在の30,000m2/年と合わせて70,000m2/年となります。
 
「プラノバ」 血漿分画製剤やバイオ医薬品といった生物学的製剤の製造工程で広く使用されている、銅アンモニア法再生セルロースを原料とした工業用中空糸型ウイルス除去フィルター。
 
1.工場新設計画の概要
 
(1) 場 所 宮崎県延岡市旭町6丁目 プラノバ成型工場隣接地
(2) 増設能力 40,000m2/年 (トータル能力70,0002/年)
(3) 投資額 約42億円
(4) 工 期 2008年4月着工、2009年4月竣工
 
2.背景と今後の事業展開
   近年、世界で生物製剤のウイルス安全性に対する要求の高まり、モノクローナル抗体を中心としたバイオ医薬品の開発が盛んになっており、年々「プラノバ」の需要が伸びています。今回の新紡糸工場の建設は、この需要に対応し、長期的に安定供給力と競争力を確保できる体制を築くためのものです。なお、2010年3月竣工予定で「プラノバ」の組立工場を大分県大分市に新設することを決定しております。

 また当社では、本年3月1日にバイオプロセス用装置事業を行っている米国TechniKrom, Inc.を買収し、ウイルス除去フィルター「プラノバ」に加え、新たなバイオプロセス用分離材、装置及びシステムを提供することでバイオ医薬品製造プロセス事業の拡大を図ってまいります。

 今後とも積極的に研究開発、設備投資に取り組み、高性能、高品質なバイオ医薬品製品の開発、生物学的製剤の安全性の向上に貢献してまいります。
 
<用語解説>
1.血漿分画製剤
  血漿から精製して得られる治療に有益なタンパク製剤で、感染症の治療に用いるグロブリン、血友病などの治療に用いる血液凝固第[因子などの血液凝固因子製剤などがある。
 
2.バイオ医薬品
  遺伝子工学、細胞培養などのバイオテクノロジーを利用して生産されるペプチドやタンパク質を有効成分とする医薬品。インターフェロン、成長ホルモン、エリスロポエチン、モノクローナル抗体等がある。
 
3.生物学的製剤のウイルス安全性
  ヒトおよび動物由来成分を原料とした医薬品(生物学的製剤)に混入するエイズや肝炎などの原因となるウイルスを除去又は不活化すること。
 
4.モノクローナル抗体
  単一の抗体産生細胞から作られる一種類の均一な分子でできた抗体であるが、医薬品としては、通常、遺伝子組替え技術で作られる。近年、リウマチ、癌などに対する抗体医薬の開発が盛んである。
 
 
プラノバ新紡糸工場  
プラノバ新紡糸工場  
 
 
以上
 
 

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