2010年7月14日

各 位
旭化成せんい株式会社


薄型・軽量ノイズ抑制シート「PULSHUT(パルシャット)」の販売開始について
〜高周波領域のノイズ抑制により電子機器の高性能化・小型化に寄与〜
 

 旭化成せんい株式会社(本社:大阪府大阪市、社長:高井 秀文)は、このたび、薄く軽量でありながら広い周波数域のノイズ(不要な電磁波)に対応する高性能ノイズ抑制シート「PULSHUT(パルシャット)」を開発し、本年8月1日より販売を開始しますので、お知らせします。
 
1. 開発の背景
   近年、デジタル家電や電子機器の小型化・高性能化(高速大容量化)が急速に進む中で、電子機器内で発生するノイズ対策は、ますます重要となっています。また、信号処理が高速化・高周波化するに伴い、発生するノイズの周波数帯域は低周波(1GHz以下)から高周波(1GHz超)へと広がる傾向にあり、高周波数帯域への規制強化の動きも検討されています。
 これに対し、回路設計の工夫などでノイズを抑えられない場合には、一般的にはノイズ発生源に直接貼り付けるノイズ抑制シートが使用されます。しかし、ゴムや樹脂などをベースとした従来製品は厚さや重量、柔軟性の点から使用可能な電子機器に制限があることに加え、高周波帯域ではノイズ抑制効果が低下することから、電子機器の一層の高性能化・小型化のための、ノイズ抑制シートの更なる高性能化へのニーズが高まっていました。
 当社では、これまで独自技術により開発した特殊不織布「プレシゼ」の新規用途の開拓を進めてきましたが、「プレシゼ」の表面制御技術と特殊加工を組み合わせることで高いノイズ抑制効果が得られることを発見し、このたび、「パルシャット」として製品化することに成功しました。
 
2. 「パルシャット」の特長
  (1) 広い帯域でのノイズに有効です。特に高周波帯域では、高い抑制効果が得られます。
  (2) 製品の厚みによって抑制効果が左右されることがないため、厚み0.05mm前後の標準品でも高いノイズ抑制効果を発揮します。
  (3) 特殊不織布「プレシゼ」を使用することで柔軟性に優れ、凹凸のある場所への貼付が可能です。
  (4) ショートの原因となる断裁面からの脱落異物がほとんどありません。
  (5) シート表面に加え、断裁面の絶縁性も高い製品です。
  (6) あらゆる方向からのノイズを抑制します。
 
3. 今後の事業展開について
   当社では、携帯電話・デジタルカメラ等の小型電子機器、パソコンやプリンター・複合機等の情報電送機器、薄型テレビ・ゲーム機等のデシタル家電向け等を中心に、本年8月1日の販売開始に向け、既に一部のユーザー様にはサンプルワークを開始しています。
 「パルシャット」の薄型・軽量の特長と今後対応が不可欠な高周波ノイズ対応の需要を取り込むことで、国内外に展開し2015年度に売上高15億円を目指します。
 
※「プレシゼ」とは
   当社独自の技術で開発した均一性が高く繊度の異なる長繊維層を複数重ね合わせた構造を持つポリエステル不織布です。ポリエステル素材特有の耐熱性、高強度、高剛性を持ち、微細繊維によるバリアコントロールを可能にしたこれまでにない性能と機能を持ち合わせています。主に膜支持体、各種フィルター、医療用テープ基材、食品包材等でご採用いただいています。
 
<「パルシャット」ノイズ抑制効果> *オレンジ色:濃(ノイズ大)⇔淡(ノイズ小)
  「パルシャット」ノイズ抑制効果
 
<「パルシャット」シート写真>
  「パルシャット」シート写真
     
 
 
以上
 
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