2010年6月16日

各 位
旭化成クラレメディカル株式会社


血液関連事業の新たな展開について
〜米国企業との自己フィブリン糊事業のライセンス契約改訂〜
 

 旭化成クラレメディカル株式会社(本社:東京都千代田区、社長:吉田 安幸)は、血液関連事業の新たな展開として、自己フィブリン糊※1事業の新規参入を目指し、CryoSeal® (クリオシール)FS System※2(自己フィブリン糊調製システム:以下「本システム」)に関する、サーモジェネシス社(ThermoGenesis Corp.本社:米国カリフォルニア州、社長:J. Melville Engle)との従来のライセンス契約を改訂し、国内における本システムの独占製造権等を新たに取得しましたので、お知らせします。
 
※1 自己フィブリン糊:従来のフィブリン糊は、ヒトプール血漿やウシ等の動物由来製品から作製し、外科手術時の「組織の接着、閉鎖」を行う止血剤として臨床使用されている。
自己フィブリン糊は、患者自身の血漿(自己血漿)から作製するフィブリン糊で、自己血由来であるため、未知ウイルス等の感染症伝播やアレルギー反応等のリスクは理論上無いとされている。
※2 CryoSeal® (クリオシール)FS System:本システムは、自己血から分離採取した血漿より「自己フィブリン糊」を院内調製することができるシステム。サーモジェネシス社において米国PMA(FDA承認)および欧州CEマーキングを取得済み。
 
1. 背景
   旭化成グループでは、中期経営計画「Growth Action – 2010」で医療関連領域を戦略拡大分野と位置付けており、透析事業、血液浄化事業、バイオプロセス事業などで積極的な事業拡大を進めています。
 当社では、今後医療関連領域でさらなる事業拡大を図るため、血液関連事業の新たな展開として2005年にサーモジェネシス社と本システムに関する国内独占販売権に関する契約を締結し、自己フィブリン糊事業へ新規参入を目指し、止血・創傷治療に役立ち、安全性に優れた自己フィブリン糊の実用化に取り組んできました。当社は、既に従来契約に基づいた国内での臨床試験も終了し、現在製造販売承認を申請中です。今後、自己フィブリン糊事業を拡大していくために、従来契約を改訂し事業拡大を加速することとしました。
 
2. ライセンス契約改訂について
   当社は、今回の契約改訂により、従来契約において既に保有していた本システムに関する国内独占販売権等に加え、国内独占製造権および一部アジア諸国(中国、韓国、台湾、フィリピン、タイ、シンガポール、インド、マレーシア等)における独占販売権を新たに取得し、さらには、本システム関連特許等の無形固定資産を将来的に購入する権利も併せて取得しました。今回の国内独占製造権の取得により、現在想定している輸入販売形態に加えて、国内での自製化による供給体制への展開も可能となりました。この一層強固な事業基盤のもと、国内の患者様への安全な治療法の提供、医療従事者の皆様への高効率かつ高品質なシステムの提供を実現するため、速やかにサーモジェネシス社からの製造技術導入を開始し、本システムの中核をなす自己フィブリン糊調製装置の国内製造体制の実現を目指します。
 
<ご参考>
サーモジェネシス社の概要
 
社 名 ThermoGenesis Corp.
本 社 米国カルフォルニア州ランチョコルドバ
社 長 J. Melville Engle (メルヴィル・エングル)
売上高 約18億円(2009年度)
従業員数 約80名
設 立 1986年(1987年米国NASDAQに上場)
事業内容 幹細胞関連事業、止血関連事業
生産拠点 本社所在地
   
 
 
以上
 

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