遊泳水着分野は、3月に起こった未曽有の大災害の影響や、販売ピークとなる7月中旬から8月初旬にかけての台風到来・異常低温等の天候要因も重なり、全体としては前年実績を下回る結果となりました。販売チャネル別には、百貨店ルートは売り場面積の縮小等により苦戦が続いたものの、専門店・GMSルートは積極的な広告宣伝や周辺アイテムと融合した売り場造り等が功奏し、ほぼ前年並みの売り上げをキープする結果となりました。より普段着に近いデザインによる着用シーンの拡大や、レギンス・トレンカといったアイテムの拡充もあって、今般の極めて厳しい環境下においては、大健闘であったと言えます。
　健康志向の高まりで成長してきたフィットネス水着分野ですが、その受け皿となるシーンの多様化の中で苦戦を強いられました。東京マラソンが端緒となったランニングブームは更に盛り上がりを示し、また、「山ガール」に代表されるアウトドアスポーツ市場や、震災を契機に移動手段としても見直されたサイクリングスポーツ市場も成長を見せました。フィットネススポーツ分野では、コンプレッションウェアが着実な成長を示し、多様なコンセプトを持ったブランドによる新規参入も続きました。その中で、フィットネススポーツの一翼を担うフィットネス水着も、機能とファッション性を融合させたとした多様な提案により、再度活性化することが期待されます。
　ここ数年、FINA（国際水泳連盟）のルール改定問題に揺れた競泳水着分野は、アパレル各社の最新モデルが出揃った2011年シーズンは活況を呈しました。ロンドン五輪が開催される2012年シーズンは、トップ選手が着用する最新モデルが一般スイマーの購買意欲を刺激し、更なる成長を示すものと期待されます。

　2012年シーズンは、前シーズン末製品在庫水準も適正化しており、環境要因の好転にも期待出来るものと想定しています。素材機能としては、速乾性やUVカット性は既に定着し、根本的なストレッチ特性で差別化を求めた素材群の採用が拡がっています。素材感としては、アイテム・デザインの多様化に対応するため、より薄く軽い素材や、丸編み・織物が従来よりも多用され、また、発色性や風合いといった｢感性｣にも重点を置いた素材が求められる傾向が強まっています。

　2012年の水着プロモーションの顔となる旭化成グループキャンペーンモデルには、池田 沙絵美（いけださえみ 21歳 鹿児島県出身）、胡 楠（フウ ナン 21歳 中国河北省出身）を起用しました。
引き続き日中ダブルキャストで、国内外において積極的なプロモーション活動を行っていきます。

2012年旭化成グループ キャンペーンモデル

池田 沙絵美（いけだ さえみ）、胡 楠（フウ ナン）

2012年より、旭化成のストレッチ素材の頂点素材として「ELACTION-PRO」の展開をスタートしました。