2012年4月4日
旭化成建材株式会社
旭化成建材株式会社(本社:東京都千代田区 社長:前田 富弘)は、鉄骨造建築物用の柱・はり接合工法である「ファブラックスDS」を本年4月5日より発売しますので、お知らせします。「ファブラックスDS」は、2005年に発売した「ファブラックスG」に続く鉄骨造建築物用柱・はり接合工法のラインナップを拡充する製品であり、上下階の柱の外径寸法を変える「柱絞り」(※1)などのニーズに新たにお応えする次世代型の接合工法です。
1.背景と経緯
当社では、鉄骨造建築物の柱とはりの接合部(パネルゾーン)の構造上の安全と、鉄骨製造業者(ファブリケーター)での加工省力化を目的に、2005年より柱・はり接合工法「ファブラックスG」を販売しています。同製品は、はりの段差対応などが評価され多くのお客様にご使用いただいていますが、一方で、柱絞りに対応する製品のご要望も多くいただいていました。
一般的に柱絞りに対応するためには、高価なテーパーコラム(※2)を使用するか、柱厚を調整することで柱絞りと同様のコスト効果を得る方法を採用せざるを得ず、経済面や設計面の自由度を損なう一因となっていました。
そこで当社は、柱絞りへの対応をメインとした高機能接合工法の開発を進めてきましたが、今般、建築基準法第37条第二項に基づく国土交通大臣の材料認定と財団法人日本建築センターの一般評定を取得すると共に、製品の供給体制が整ったことから、「ファブラックスDS」として販売に至りました。
2.製品の概要
品種 | : | 4種類 DS30(□300),DS35(□350),DS40(□400),DS45(□450) |
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材質 | : | SN490B規格に適合し独自規格によって溶接性を向上させた鍛鋼FX490D (国土交通大臣材料認定品) |
特長 | : | (1)柱心合わせにおいて、最大100mmの柱絞りに対応可能し、テーパーコラムを使用
した柱絞りに比べ工期短縮や建築コスト削減に貢献。 (2)50mmの柱絞りにおいて、柱材の偏心接合に対応可能。 (3)上下階で異形の柱(例:上階角形鋼管、下階円形鋼管)となる柱はり接合部が可能。 (4)約50mmまでのはりフランジの段差を吸収可能。 (5)斜線制限の斜め柱や勾配屋根の斜めはりを接合でき、多様な空間構造が可能。 |
<柱絞り対応の比較>
柱・はり接合部に「ファブラックスDS」を使用
テーパーコラムを使用
<柱絞り以外の設置例>
円形鋼管柱と角形鋼管柱を接合可能
はりフランジ段差にも対応
3.適用部材
柱材 | : | 冷間成形角形鋼管及び熱間成形角形鋼管、組立箱形断面柱、円形鋼管 |
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パネル材 | : | 冷間成形角形鋼管及び熱間成形角形鋼管、組立箱形断面 |
はり材 | : | 圧延H形鋼、組立H形鋼 |
※いずれも基準強度(F値)235 N/mm2~325N/mm2を満足するもの。 |
4.販売概要
発売開始 | : | 2012年4月5日(木) |
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販売地域 | : | 全国 |
流通形態 | : | 当社から系列販売網を通して販売します。 鉄骨製造業者(ファブリケーター)を主な販売先として見込んでいます。 |
販売価格 | : | 58,600円/個(DS40の設計価格) |
販売計画 | : | 2015年度売上高 「ファブラックス」シリーズ全体で5億円 |
【用語解説】
※1 柱絞り | : | 建築物において、柱とはりの接合部を挟んで上下階の柱の外径寸法が違うこと。例えば、設計時においては、上階の柱の外径寸法を下階の柱より小さく設計することを「柱を絞る」と言う。 |
※2 テーパーコラム | : | 鉄骨造建築において、上階と下階の柱外径が異なる場合に、柱の断面を変更するために柱とはりの接合部に使用する、プレス成形された鋼管。 |
以上