2012年4月23日
旭化成ホームズ株式会社
旭化成ホームズ株式会社(本社:東京都 新宿区、代表取締役社長:平居 正仁)は、比較的敷地にゆとりがある都市近郊や郊外の古い分譲地の建替え市場に向けて、当社がこれまで蓄積してきた家族の住まい方に関する知見を集約した二世帯住宅「ヘーベルハウス &NiCO(アンド ニコ)」を40周年記念商品として2012年4月28日より発売します。
今回の商品は、近年の家族の絆やエネルギー問題への関心の高まりをとらえて開発したもので、主な特徴は次の3点です。
1.空間提案の特徴(コラボスペース)
ゆとりのある敷地に、二世帯住宅の基本である世帯間分離(Nice Separation)を保ちながら、2つの世帯の間と居住する「それぞれの人」の間で、お互いを尊重しつつ積極的な交流(Nice Collaboration)を深め、気兼ねのない快適で豊かな暮らしを実現する空間を、これまでの住生活研究成果を集約して提案します。
2.設備提案の特徴(コラボエナジー:新エネルギーシェアシステムの提案)
生活エネルギー消費量は、家族の「場」が重なることで削減されることが分かっています。(当社くらしノベーション研究所調べ)今回の提案では、家族が集まりやすい空間構成の提案に加え、2つの世帯で家庭用燃料電池(エネファーム)や太陽光発電による創エネの熱と電気をシェアしながら※光熱費ゼロと年間のCO2排出量ネットゼロを実現できる、独自のエネルギーシェアシステムを搭載しました。戸建住宅では業界初となるシステムであり、当社と大阪ガス株式会社、東京ガス株式会社の共同開発により実現しました。
3.建物外観の特徴(コラボフェイス)
今回の提案では空間構成上、建物形状はボリューム感のある総2階に近い形状となります。この形状に合わせ、重量感のあるファサード面にルーバースクリーンやコンビネーション目地をアクセントとして組み合わせることで、高級感と多彩な個性を表現した外観としています。加えて外壁デザインは水平ラインを強調し、ボーダータイルとレンガをイメージする新目地模様(BM目地)と焼成した土のような深みのある濃色の新吹付け色を3種類用意しました。
販売価格は陸屋根のプロトタイプで5,020万円(太陽光発電8.1kWのエネルギーシェアシステム搭載、消費税込)、勾配屋根のプロトタイプで4,850万円(太陽光発電7.6kWのエネルギーシェアシステム搭載、消費税込)です。
T.開発の背景
旭化成ホームズでは、1975年に「二世帯住宅」を初めて商品化し、その後も「二世帯住宅研究所」を中心に、家族社会学や心理学的視点も含め各種の生活実態調査などを実施し、時代の変化を反映した二世帯住宅商品を上市してきました。近年では2010年4月に共働き家族の増加や待機児童問題などの社会的背景から「孫共育」をキーワードに積極的な同居を提案する、二世帯住宅「i_co_i」を発売しました。今回の商品は、このような社会状況に加えて東日本大震災以降、エネルギー問題をはじめとする将来への不安を、家族が積極的に連携することで解消し、安心で楽しく暮らそうと考えるお客様に向けて開発したものです。二世帯住宅の基本となる世帯間の分離を確保しながらも、2つの世帯と居住する「それぞれの人」が自然に集い・交流・協力しやすい空間を、これまでの住生活研究の成果を踏まえて提案するとともに、2つの家族が集まることで可能となる、燃料電池(エネファーム)と太陽光発電を効果的に活用して年間光熱費ゼロと年間CO2排出量ネットゼロを実現できる独自の設備システムを開発・搭載し、40周年記念商品として発売するものです。
U.商品の特徴
1.空間提案の特徴
<家族が一緒にも、それぞれにも快適に過ごせ、世帯を越えた交流を深める仕掛け>
・「フラワーリビング」を備えた1階LDK
それぞれの世帯の玄関から最も近い親世帯のLDKに、家族が自然に集いたくなるような仕掛けを設けました。多目的な和室と一体となったリビング空間には、床を30cm下げることで囲まれ感やこもり場の落ち着きが感じられるフラワーリビング、ダイニングの一角には母親の書斎コーナー、さらに家族の共有本棚である「家族図書館」などを設置します。広く快適な空間の中に個々がそれぞれに寛げる居場所を見つけられ、両世帯がゆるやかにつながりながら集う憩いの場所となります。そのほか、広々としたカウンターを囲み大勢で楽しみながら調理ができるペニュンシュラキッチンや、高齢者にもやさしく、孫とのコミュニケーションも取りやすいベンチ付のユニットバスを提案するなど、積極的に同居を楽しみながら、世帯を越えた交流を深めていくことができる工夫を数多く盛り込んでいます。
・「そらのま」と一体となった2階のLDK
子世帯の領域となる2階には、ルーバースクリーンにより外部からの視線を程よく遮りながら、光と風を取り込める快適な半屋外空間「そらのま」を提案します。子世帯のプライベートガーデンとして緑を育てたり、オープンカフェのような屋外ダイニングとして使用するなど、自然を身近に感じながら家族が集える場となります。また、親世帯を招いてのバーベキューパーティーなど、両世帯で楽しむイベントにも活用できます。
・世帯を繋ぐ孫共育ゾーニング
二世帯同居の場合、特に子世帯の妻がフルタイム勤務の場合をはじめ、孫が親世帯のLDKを中心とした空間で過ごすことが多いことがこれまでの調査で分かっています。(二世帯同居における『孫共育』調査報告書:くらしノベーション研究所)今回の提案では2010年4月に発売した「孫共育」をキーワードとした二世帯住宅「i_co_i」(イコイ)で導入した、子世帯の子供部屋を、親世帯が子世帯に気兼ねなく出入りできる場所に設置することで、親世帯が子世帯の子育てに協力し易い間取りとする「孫共育ゾーニング」を提案しています。
2.設備提案の特徴
<家族の「場」が重なるほど削減されるエネルギー消費量>
家族4人世帯のエネルギー消費量を1.0とすると、家族2人世帯の消費量は約0.9となり、単純合計すれば1.9となります。(2007年入居者調査:くらしノベーション研究所)一方、二世帯が同居した場合には独立二世帯では約1.5となり、二世帯住宅は親世帯と子世帯が別々に居住するよりもエネルギーの消費量が2〜3割削減され、家族の「場」が重なるほどエネルギー消費量は削減されることが分かっています。(2012年入居者調査:くらしノベーション研究所)
<二世帯住宅向けエネルギーシェアシステムを開発して搭載>
家庭用燃料電池「エネファーム」で創った電気と熱や太陽光発電の電気を2つの世帯間で融通することで、年間光熱費ゼロと年間CO2排出量ネットゼロを実現するシステムを大阪ガス(株)、東京ガス(株)と共同で開発し搭載しました。各世帯のエネルギー需要を合わせた2つの世帯のエネルギー需要に対してエネファームが運転するので、創った電気と熱をより高効率に2つの世帯へ供給できます。また、熱融通については、1世帯目はエネファームから直接お湯を供給し、2世帯目はエネファームからのお湯をエコジョーズを通して供給(給湯予熱方式)するので、2つの世帯の熱需要に対し十分なお湯を供給できます
※前述の試算条件による
3.建物外観の特徴
<新たな外壁目地パターンと吹付色を追加>
BM目地
新吹付色3種
今回の商品開発では、重量感のあるファサード面に合わせて、水平ラインを強調し、ボーダータイルとレンガをイメージする新たな外壁ALC版の目地模様(BM目地)を追加し、併せて土を焼成したイメージの深みのある濃色の新吹付け色を3種類(テラロッサ、テラグレー、テラオークル)追加しました。重量感のあるファサード面にルーバーパネルやコンビネーション目地をアクセントとして組み合わせることで、高級感と多彩な個性を表現します。
V.商品概要
1.構造 | : | ハイパーフレーム(鉄骨軸組制震フレーム)構造 |
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2.本体価格 | : | 陸屋根プロトタイプ本体価格5,020万円 (太陽光発電8.1kWのエネルギーシェアシステム搭載、消費税込) 勾配屋根プロトタイプ本体価格4,840万円 (太陽光発電7.6kWのエネルギーシェアシステム搭載、消費税込) |
3.販売地域 | : | 関東、東海、関西、山陽の一部、九州北部 |
4.販売目標 | : | (年間)150棟 |
5.発売日 | : | 2012年4月28日(土) |
◆プロトタイプ間取り図
◆プロトタイプ外観
(画像はウェブサイトhttp://www.asahi-kasei.co.jp/j-koho/にてダウンロードできます。)
以上