トロンボモジュリン製剤「リコモジュリン点滴静注用12800」の
日本におけるコ・プロモーション契約について

2013年9月30日
旭化成ファーマ株式会社
ファイザー株式会社

 旭化成ファーマ株式会社(本社:東京都千代田区、社長:浅野 敏雄)とファイザー株式会社(本社:東京都渋谷区、社長:梅田 一郎)は、このたび、旭化成ファーマが日本で製造販売を行なっているトロンボモジュリン製剤「リコモジュリン1)点滴静注用12800」(一般名:トロンボモデュリン アルファ(遺伝子組換え))について、日本国内におけるコ・プロモーション(共同販促)契約を締結しましたのでお知らせします。

 本契約に基づき、旭化成ファーマとファイザーは本年11月1日より共同での「リコモジュリン」のプロモーション活動を開始します。ファイザーでは感染症領域事業統括部が本プロモーションを担当します。なお、製造販売については従来通り旭化成ファーマが行い、売上は旭化成ファーマに計上されます。

 「リコモジュリン」は、旭化成ファーマが創製し2008年に「汎発性血管内血液凝固症(DIC)2)」を効能・効果として日本国内で発売した血液凝固阻止剤で、新しい血液凝固調節作用メカニズムによりDIC症状を改善します。DICは感染症に高頻度に合併する重篤な疾患として知られています。また現在、旭化成ファーマは、全世界において「凝固異常3)を伴う重症敗血症4)」を対象として国際共同第3相臨床試験を行なっています。

 DIC治療の分野における経験と実績を持つ旭化成ファーマと感染症領域における情報提供活動に強みを持つファイザーが、今回のコ・プロモーション活動を通じて緊密な協同関係を築くことにより、「リコモジュリン」の製品価値の最大化を図るとともに、DICの治療に一層の貢献ができるものと期待しています。

<用語解説>

1)「リコモジュリン」

遺伝子組換え技術を用いて生産したヒトトロンボモジュリン製剤。トロンボモジュリンは、血液凝固の原因物質であるトロンビンの生成を抑えることにより抗凝固作用を発揮する。

2)汎発性血管内血液凝固症(DIC: disseminated intravascular coagulation)

血液凝固系が過度に活性化されることにより、微小血管内に播種性の血栓形成が起こり、虚血などによる血管内皮細胞障害により臓器障害を呈するとともに、止血系因子の消費性低下および二次線溶亢進による著明な出血傾向を生ずる症候群。悪性腫瘍、感染症などに高頻度に合併して発症する。DICを発症することにより、予後は著しく悪化することが知られている。「播種性血管内凝固症」、「播種性血管内血液凝固症候群」と呼ばれることもある。

3)凝固異常

一般に全身的な血液凝固の異常な亢進がある状態を指す。敗血症における凝固異常は、エンドトキシンなどによる炎症性サイトカインネットワークの活性化を介して凝固系の過度の活性化によって引き起こされる。

4)敗血症

感染によって引き起こされた全身性炎症反応症候群である※。病原微生物が全身に波及したもので非常に重篤な状態であり、無治療ではショック、DIC、多臓器不全などから早晩死に至る。もともとの体力低下を背景としていることが多く、治療成績も決して良好ではない。

(※「日本版敗血症診療ガイドライン/日本集中治療医学会Sepsis Registry委員会(日集中医誌 2013;20:124-73)」より。

以上


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