国内石油化学事業の基盤強化について

2014年2月25日
旭化成株式会社
旭化成ケミカルズ株式会社
旭化成イーマテリアルズ株式会社

 旭化成株式会社(本社:東京都千代田区、社長:藤原 健嗣)、旭化成ケミカルズ株式会社(本社:東京都千代田区、社長:小林 友二)及び旭化成イーマテリアルズ株式会社(本社:東京都千代田区、社長:高山 茂樹)は、このたび、国内石油化学事業の基盤強化について下記の通り決定しましたので、お知らせします。

1.背景

 当社グループで旭化成ケミカルズを中心に展開する石油化学事業は、中期経営計画「For Tomorrow 2015」においてグローバルリーディング事業と位置付けるアクリロニトリル(AN)や、省燃費型高性能タイヤ向け溶液重合法スチレンブタジエンゴム(S-SBR)などについて、アジアを中心とした海外における積極的な生産体制の拡充を図っています。

 一方国内においては、内需が縮小する中、安価な海外製品との更なる競争激化が見込まれており、従来より事業再構築の検討を進めてきました。その結果、以下の基盤強化策を実施することで、原料から誘導品までの内需に見合った最適な生産体制を構築し、国内石油化学事業の収益基盤の安定化と競争力強化を図ることとしました。

2.基盤強化策の内容

(1)エチレンセンターの三菱化学との集約

 水島地区のエチレンセンターについて、最適生産体制を構築するために、2016年4月を目途に三菱化学の設備との集約を決定しました。(詳細は本日付プレスリリース「水島地区エチレンセンター集約に関する基本合意について」を参照下さい)

(2)アクリロニトリル(AN)事業

 現在、国内に年産45万トン(川崎地区:15万トン、水島地区:10万トン・20万トンの2系列)、海外に年産76万トン(韓国:56万トン、タイ:20万トン)の、合計年産121万トンの生産設備を有し、世界4拠点でグローバルに事業を展開してきました。しかし、昨今の需給バランスの悪化による市況低迷や、原燃料価格の高騰などによる厳しい事業環境を踏まえ、2014年8月を目途に川崎地区の生産設備を停止することとしました。加えて、従来より他製品との併産を行ってきた水島地区の年産10万トンの生産設備は他製品の生産に特化し、ANはコスト競争力の高い3拠点での生産に集中します。

 これにより、水島地区は国内市場、韓国は韓国・台湾・中国市場、タイはアセアン市場に向けたエリア別の供給体制を構築することで、一層の競争力強化を図ります。

(3)スチレンモノマー(SM)事業

 現在、水島地区に年産71万トン(32万トン・39万トンの2系列)の生産設備を有し、これまで国内市場及びアジア市場向けの輸出を通じ事業を展開してきました。しかし、今後アジア地域での大型プラントの新増設が計画されていることから、需給バランスの悪化による市況低迷が見込まれるため、2016年3月を目途に老朽化が進む年産32万トンの系列を停止し、国内市場及び自社消費中心の販売に移行することとしました。今後はアジア市況の変動による収益リスクを軽減するとともに、事業収益の安定化を図ります。

(4)ABS樹脂「スタイラック」事業

 現在、水島地区に有している年産6万5千トンの生産設備を2015年12月を目途に停止し、川崎地区で製造するAS樹脂と外部調達するABS樹脂をコンパウンドする事業に転換します。今後は国内外のコンパウンド拠点を活用し、差別性の高いAS樹脂を用いたコンパウンド品の供給に特化することで、事業収益の改善を図ります。

(5)SBラテックス事業

 現在、国内に年産6万トン(川崎地区:3万6千トン、水島地区:2万4千トン)の生産設備を有していますが、2015年12月を目途に水島地区の生産設備を停止し、川崎地区に生産を集約します。固定費を削減し生産効率を向上させるとともに、製品の高付加価値化を進めることで、事業収益の改善を図ります。

(6)汎用エポキシ樹脂事業

 旭化成イーマテリアルズでは、現在、水島地区に有している年産3万7千トンの生産設備を2015年5月を目途に停止し、富士地区で生産している潜在性硬化剤「ノバキュア」などの高付加価値製品事業に集中することで、エポキシ樹脂事業全体の収益改善を図ります。

3.業績への影響

 本件により、2014年3月期第4四半期連結会計期間(2014年1月1日〜2014年3月31日)において180億円の特別損失を計上する見込みです。これに伴い、本年2月5日に発表の2014年3月期(2013年4月1日〜2014年3月31日)連結業績予想における当期純利益は、120億円減の、650億円(前年同期比113億円の増益)となる見通しです。

 なお、同日発表しました2014年3月期の期末配当予想8円(当初期末配当予想より1円増配し、年間配当15円)については、変更ありません。

  • 上記見通しには、本資料の発表日現在の将来に関する前提や見通し、計画に基づく予想が含まれています。当該予想と実際の業績の間には、今後の様々な要因によって大きく差異が発生する可能性があります。

以上


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