2014年8月13日
旭化成ケミカルズ株式会社
旭化成ケミカルズ株式会社(本社:東京都千代田区、社長:小林 友二)は、「CO2を原料とする非ホスゲン法ポリカーボネート樹脂製造プロセス」に関し、アメリカ化学会 2014 Heroes of Chemistry Awardを日本企業としては初めて受賞しましたので、お知らせします。
アメリカ化学会(American Chemical Society)では、1996年から化学と化学工学分野において商業化された技術、製品の発明、開発に成功した化学者及び化学技術者を表彰しています。これまで、欧米の化学会社で革新的な技術の開発、事業化に貢献した研究者、技術者が表彰されていますが、日本からの受賞は今回が初めてです。
8月10日(米国西部時間)に、第248回ACS国際会議において表彰式が執り行われました。
今回受賞した技術は、当社が世界で初めて、二酸化炭素(CO2)を原料とするポリカーボネート樹脂製造技術の開発に成功したもので、エチレンオキシド(EO)とEO製造時の副生CO2及びビスフェノールAの3つを原料とし、高性能のポリカーボネート樹脂と高純度エチレングリコールの2つの製品を高収率で製造するものです。省資源、省エネルギーに加え、CO2を原料とするトータルでクリーンなプロセスです。
従来のポリカーボネート樹脂製造の多くは、ホスゲンを使用していますが、ホスゲンは猛毒の気体であり、万一漏洩した場合、人体や環境に多大な影響が出る危険性があります。このホスゲンを使用せずに、CO2を原料とする画期的なポリカーボネート樹脂製造プロセスを当社が開発しました。現在、ライセンスに基づいて建設された世界5社のプラントから、高品質・高性能のポリカーボネート樹脂が市場へ供給されています。
またこの技術は、原料としてCO2を使用し、従来の猛毒のホスゲンを使用しないことに加え、塩化メチレン等の有機物を含む大量の排水を出さない環境調和型の製造技術です。
当社は今後も、強みのある触媒技術とプロセス技術を生かして、環境に配慮した高収率、低コストの新プロセスや製品を生み出してまいります。
◆旭化成法ポリカーボネート樹脂製造プロセス
<受賞者>
1. | 旭化成ケミカルズ:東條正弘、長谷川和美、網中宗明、紺野茂紀、安田和治、安達孝 | |
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2. | 旭化成エンジニアリング:大石学 | |
3. | 旭リサーチセンター:府川伊三郎 | |
4. | 旭化成(OB):福岡伸典、米田晴幸 | |
5. | 旭化成ケミカルズ(OB):松崎一彦 | |
6. | 旭化成エンジニアリング(OB):河村守、山口昭夫 |
以上