30代共働き夫婦の家事分担の実態と意識についての調査を実施
「褒めること」「経験を積むこと」が家事参加意欲の高い夫を後押し
〜25周年を迎える「共働き家族研究所」より調査報告書を発行〜

2014年7月11日
旭化成ホームズ株式会社

 旭化成ホームズ株式会社(本社:東京都 新宿区、代表取締役社長:池田 英輔)は、共働きが多数派となった現在の30代夫婦の家事・子育て分担の実態や意識について最新調査を行い、報告書「いまどき30代夫の家事参加の実態と意識〜25年間の調査を踏まえて〜」にまとめましたのでお知らせします。

 今回の調査報告は、1989年に発足し今年25周年を迎える当社「共働き家族研究所」によるものです。夫婦が家事協力をしやすい住まいや暮らし方の工夫で共働き世帯を応援することを目的に、「ポスト団塊ジュニア世代:30代共働き夫婦」の家事協力の実態や意識を明らかにしています。

 調査から、現在は25年前と比較して夫の家事・育児への関与度が高く、夫婦が共にスクラム体制で仕事と家庭を両立させている実態が明らかになりました。しかし育児も家事も完璧にこなせる夫は約3割にとどまり、もっと妻をサポートしたいと感じながらも実際には家事に自信がなくあまり関与できていない夫の方が多いこともわかりました。本調査では、そのような夫を「チョイカジパパ」と名付けて着目し、「調理」「洗濯」「衣類管理」という代表的な家事において、家事参加を阻害する要因とそれを解消する住まいの改善提案について夫の目線を中心に考察しています。

 ワークライフバランスの必要性の高まりや保育所充実など、企業も社会も男女が共に働き続けることを前提とした方向に移行していますが、当社では今回の調査結果を踏まえて、住まいの提案はもちろん、共働き夫婦を応援するための活動を今後積極的に実施してまいります。

I.調査の背景

 当社では1989年、当時増え続けていた共働き世帯が抱える課題を浮き彫りにし、「共働き家族が暮らしやすい社会の実現」に貢献することを目的として「共働き家族研究所」を設立しました。それから25年が経過し、共働きが当たり前の世の中となり、共働き夫婦の意識や生活実態も大きく変わってきました。中でも1989年改訂の指導要領に沿って中学校の「家庭科」が男女とも同じ扱いとなった1993年(高校は1994年)以降に学習した世代では、特に夫の家事参加意識が大きく変わりました。以前に比べてしばらく横ばいを続けていた共働き世帯の数も、この数年は再び上昇傾向を示すようになりました。このような社会的な変化を踏まえ、研究所設立25周年を機に、現状に即した「共働き家族が暮らしやすい社会の実現」に貢献するために、今回の調査報告をまとめることとしました。

U.調査概要

調査目的 (1)25年前の共働き家族研究所取得データとの比較 (2)ポスト団塊ジュニア世代の家事・育児関与度や家事のやり方などから夫と妻のタイプ分けを行う (3)夫婦が家事協力をしやすい住まいや暮らし方の工夫で共働き世帯を応援する
調査対象 ヘーベルハウス居住者及び一般モニター
調査方法 インターネット調査
調査時期 2012年12月/2013年7月/2014年3月の計3回

V.調査結果の概要

1.夫の家事参加の実態とは? 〜昔(1989年調査)と現在(2012年調査)の比較から

主に30代を中心とする世代の意識に大きな変化が見られます。25年前の妻は仕事をしながら家事もこなす孤軍奮闘の時代でしたが、今は夫や親も巻き込んで皆で家事を支え合う価値観へと大きく変わりました。

(1)いまどき夫の家事参加は大幅に増えている

 夫婦ともにフルタイムで勤務する世帯の夫が関与する調理・洗濯・掃除などの家事は、25年前と比べて大幅に増加しました。例えば、たった1割強だった「夕食後の後片付け」を、今では平日でも半数近くの夫が実施しています。(詳しくは調査報告書P12〜15)

(2)いまどき夫はより大変な育児サポートにも参加している

 かつては「子どもが急病になった時には妻が仕事を休む」という回答が多かったのに対し、現在では妻がフルタイムで働く家族の夫は「子供が病気の時には仕事を休む」が6割近くに上ります。子供の遊び相手をしたり、お風呂にいれるなどのいわゆる「楽しい育児」には昔から夫も積極的に参加していましたが、仕事の調整が必要となるような「大変な育児」にも積極的に参加するようになりました。(詳しくは調査報告書P16〜19)

(3)いまどき夫婦は家事・育児に関して対等な意識を持っている

 いまどき共働き家族の夫は、働く妻を応援したいと強く思っています。7割近くが、出産や子育てを理由に女性が仕事を辞めるのはもったいない、夫婦ともに仕事を持つことは重要であると考えているなど、仕事・家事・育児は夫婦協力して担うという意識を持っていることがわかります。

 また、夫婦関係では以前のような「亭主関白」という夫婦が減少、発言権も相対的に妻の立場が強まり、友達的感覚の対等な夫婦関係の世帯が増える傾向にあります。(詳しくは調査報告書P20〜22)

2.「夫の家事・育児関与度」と「妻のしっかり家事度」からみる、いまどきの30代共働き夫婦像

年代別に家事・育児項目42項目に夫が関わっている(いた)数を調査したところ、30代夫の家事育児関与が高いことがわかりました。また、妻が家事に求めるレベルは年代が若いほど下がってきており、30代の夫が家事参加するハードルは下がってきているとも言えます。(詳しくは調査報告書P28〜35)

(1)30代共働き夫に多いのは、育児はするが家事は苦手な「チョイカジパパ」

 関わっていると回答した項目の多い夫から「スゴカジパパ」「チョイカジパパ」「ノンカジパパ」と名付け3つのグループ(下図参照)に分けました。その結果、60代はほとんど家事に関わらない「ノンカジパパ」が多く、30代で一気に「スゴカジパパ」が増えています。しかし、30代でも最も多いのは、育児と掃除には関わるが調理や洗濯への関与度は低い「チョイカジパパ」でした。

(2)30代共働き妻に多いのは完璧を求めないが全般的に頑張る「ゼンリョクママ」

 一方妻は、家事レベルを13項目の家事へのこだわり項目で調査し、その数の多い妻から「カミワザママ」「ゼンリョクママ」「ミニマムママ」に分けました。60代では共働きであっても専業主婦レベルで完璧に家事をこなす「カミワザママ」の多さが目立ちますが、30代では家事に対するこだわりが少なく最低限の家事をこなす「ミニマムママ」も3割と多く、年代差があります。全世代とも多数派は、完璧を求めず掃除は効率を優先し、調理・洗濯・衣類管理など全般的にはそれなりにこなす「ゼンリョクママ」であることがわかりました。

3.「チョイカジパパ」の特徴と家事へのモチベーションを更に上げる方法を探る

夫婦が協働で家事・育児をすることが当たり前となったいまどきの30代夫婦ですが、それだけに、意欲はあっても思うように上手に家事ができない夫にとっては、経験の少なさもあり自信がないことがわかりました。子育て世代の共働き夫の家事参加がより促進されることを目的に、30代夫にもっとも多い「チョイカジパパ」を応援する方法について考察してみました。

(1)「チョイカジパパ」への応援:褒めて伸ばす

 チョイカジパパは、「家事をしたときに文句を言われる」と回答する比率がスゴカジパパよりも多く、約5割に上ります。一方、「夫の家事に対して文句や不満を言ってしまう」と回答する妻は3割以下とギャップがあることから、妻にとっては文句のつもりではなくても、夫は文句を言われたと捉えている場合があると思われます。また、スゴカジパパの意識では「家事をすると褒められる」と感じている傾向が高く、「褒めて伸ばす」が夫の家事参加を促す一つのポイントといえそうです。(詳しくは調査報告書P54、P56)

(2)「チョイカジパパ」への応援:経験を増やす

 チョイカジパパは、「育児」についてはある程度参加できているが「家事」については掃除以外あまり関われていないことが特徴で、「調理」「洗濯」「衣類管理」の各項目とも全般的にスゴカジパパほど関われていないことがわかります。

 しかし、家事参加意欲はチョイカジパパが最も高く、妻からダメ出しされながらも妻をもっと手伝いたいと思っている様子がうかがわれます。また、スゴカジパパの家事に対する意識は、経験が多く家族の中で役割を担っている自信がありポジティブであることから、チョイカジパパも家事にチャレンジする機会をつくり、経験を増やすことが大切のようです。(詳しくは調査報告書P53、P55)

(3)「チョイカジパパ」への応援:住まいによって課題を解決し家事参加を促す

 意欲は高いが実行できていないチョイカジパパの家事参加を住まいでサポートする手段を探るために、夫の目線で調理・洗濯・衣類管理について困っているポイントを抽出しました。その結果、住まいによって解決できることも少なからず見えてきました。(詳しくは調査報告書P57〜69)

以上


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