ウイルス除去フィルター「プラノバ BioEX」の紡糸工場の新設について

2015年3月31日
旭化成メディカル株式会社

 旭化成メディカル株式会社(本社:東京都千代田区 社長:柴田 豊)は、バイオ医薬品や血漿分画製剤等の製造工程において、高いタンパク質濃度領域でも高効率なろ過を可能にしたウイルス除去フィルター「プラノバ BioEX」の紡糸工場を新設することを決定しましたので、お知らせいたします。

1.「プラノバ BioEX」の新紡糸工場概要

(1)立地 大分県大分市(旭化成メディカル大分工場所有地内)
(2)工期 2015年8月着工、2016年8月竣工予定

本工場の新設により、当社の「プラノバ BioEX」のフィルター供給能力は、10,000m2/年となります。

2.工場新設の背景

 当社では、バイオ医薬品※1や血漿分画製剤※2といった生物学的製剤の製造工程に使用されているセルロース製中空糸型ウイルス除去フィルター「プラノバ」を製造・販売しており、医薬品の安全性に貢献する製品として世界的な信頼を得ております。また2009年に、より高いタンパク質濃度領域においても高効率なろ過性能を持つ、親水化ポリフッ化ビニリデン(PVDF)を用いたウイルス除去フィルター「プラノバ BioEX」を上市し、欧米の大手医薬品メーカーを中心に評価・採用が進んでおります。生物学的製剤の開発・製造では、より高いタンパク質濃度領域での製剤の検討が進んでおり、今後一層高まる需要に応えるため、工場の新設を決定しました。

3.「プラノバ BioEX」の特長

  • (1)高いタンパク質濃度領域でのウイルス除去ろ過が可能です。
  • (2)高圧でのろ過が可能です。
  • (3)製造ラインに設置したままで高圧蒸気滅菌(SIP)ができます。
  • (4)パルボウイルス※3のような微小なウイルスから大きなウイルスまで除去が可能です。
  • (5)膜面積にバリエーションがあり、スケールアップ、スケールダウンが容易です。

 当社では、今後とも積極的に研究開発、設備投資を行い、高性能・高品質の製品を開発し、世界のニーズに対応した新製品を生み出すとともに、生物学的製剤の安全性の向上に貢献してまいります。

<用語解説>

※1 バイオ医薬品

遺伝子工学、細胞培養などのバイオテクノロジーを利用して生産されるペプチドやタンパク質を有効成分とする医薬品。インターフェロン、成長ホルモン、エリスロポエチン、モノクローナル抗体などがある。

※2 血漿分画製剤

血漿から精製して得られる治療に有益なタンパク製剤で、感染症の治療に用いるグロブリン、血友病などの治療に用いる血液凝固第Ⅷ因子などの血液凝固因子製剤などがある。

※3 パルボウイルス

直径20nm程度の球状粒子で、自然界に存在するウイルスの中でも最も小さい部類に入るウイルス。

以上


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