水資源の保全
方針
旭化成グループの事業は水とのかかわりが深く、将来にわたって水のサステナビリティを確保することが事業継続の必須条件であり、我々の使命でもあります。国内外の上水用濾過膜モジュール事業、水のリサイクルサービス事業、海水淡水化事業、排水処理における汚泥減量製品の開発、さらには油膜検知機器シリーズの拡充を通して、世界の水資源の保全に貢献するとともに、事業における取水量を把握し、水使用効率の維持向上に努めることを方針としています。
水使用削減
当社グループでは、工場における水使用量の削減に努めるとともに、リサイクルした水を循環利用し、効率的な水利用に取り組んでいます。
また、水資源保全活動の当社グループ独自の指標として、「水資源貢献度※9.3以上」を目標値に設定しています。2017年度に目標値を達成しており、新たな目標設定について検討を進めています。
※ (水資源貢献度)=(上水濾過膜事業の水処理量+水リサイクル事業の水処理量+海水淡水化事業の水処理量)/(当社国内取水量)




水質汚濁防止
当社グループでは、水域および地下水を汚染しないよう、排出管理と漏えい防止対策を徹底しています。
2012年に「排水管理に関するガイドライン」を発行し、これに基づく排水管理状況の確認を進めることに加え、排水処理施設の能力増強等、設備対応も実施しています。水質汚濁防止法に関わる規制項目については、基準内に管理しています。
2018年度、水質汚濁防止法に関する漏えい事故等は発生していません。


製品・技術による水環境問題への貢献
中空糸ろ過膜「マイクローザ」
当社は水処理膜およびシステムのトップクラスのサプライヤーであり、当社が開発した水処理用中空糸ろ過膜「マイクローザ」は、アメリカをはじめ中国、韓国、シンガポール、タイ、インドネシア、中東諸国など、世界1,600カ所以上の浄水場や排水プラントで使用されています。2017年度には、クウェート海水淡水化プラントにこの「マイクローザ」が採用され、慢性的な水不足緩和への貢献が期待されています。
今後も水資源に関わるさまざまな課題解決を目指し、世界の水環境問題に貢献していきます。
ポリ塩化ビニリデン系繊維「サラン®」
排水処理における重要課題の一つに発生汚泥の減量があり、環境負荷軽減に直結するテーマです。「サラン®繊維」の微生物が生息しやすいという特徴を生かし、かつ流動する固定担体という珍しい技術を用いて、新しい商材として研究・開発を行っています。
施設の大幅な改造工事を必要とせず、現有施設でスクリーン設置等の簡易な改良で使用可能であり、処理能力の増強、発生汚泥量の減量などに効果が期待できる製品です。
環境監視機器「エポラーム®シリーズ」
旭化成テクノシステムは、浮上油(油膜および油層)、沈降油、水溶性油と、幅広い油種の漏油に対応する検知機器「エポラーム®シリーズ」を取りそろえています。今後もラインアップを拡充し、用途や目的に応じた油検知機器で水の環境を守っていきます。
- エポラームC:3mm以上の油層による静電容量の変化をとらえて警報を発します。
- エポラームM:水面上の微量な油膜を非接触で検知するレーザーを利用した検知器です。
- エポラームB:水より比重が大きく底に滞留する油や有機溶剤などを検知します。
- エポラームF:蛍光性のある水溶性油種の漏油を検知します。