旭化成 繊維グローバル
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未来を担う学生とのコラボレーションがスタート!

『<ベンベルグ>大学 ~キュプラマスターへの道~』は、<ベンベルグ>の素材の特徴から最新情報、マーケットを学ぶ講座。日本のファッション産業のさらなる発展を目指し、ファッション業界に憧れ、携わろうとする若い人材を、産業と学校が一体となって育成していくことを目的として設立された繊維ファッション産学協議会が主催となって企画する産学連携プロジェクト「FORM PRESENTATION」内で開催された。

「FORM PRESENTATION」は、テキスタイル・クリエーションに関心のある人材を増やし、日本発のテキスタイルをより魅力溢れるものにしていくことを目的に2007年に発足。第11回目となる今回は、旭化成とのコラボレーションで、「日本発:未来へ向かう快適機能素材」をテーマに、ファッションを学ぶ学生に向けておこなわれた。東京・大阪の2会場で開催され、東京232名、大阪118名が来場。それぞれの会場では各校から集まった学生たちでにぎわった。

このプロジェクトに参加する学生たちは、年度ごとのテーマに基づいたテキスタイルの専門家による講義を受けた上で、コンペティションに挑む。晴れて審査を通過した学生の作品は、JFWジャパン・クリエーション会場内の特設ブースで展示され、学生自らプレゼンテーションを行う形式だ。学生たちはプログラムを通して素材に対しての知見を深め、新しいデザインを模索する。次世代を担う学生たちが素材に向き合った先にある斬新なアイデアと、日本の誇るテキスタイルが結びつき、どんな化学変化が起こるのか?に期待が膨らむ。

プログラムは繊維ファッション産学協議会の福永成明氏の挨拶と共に開幕。「アパレル業界の商品企画において、近年益々テキスタイルの重要性が高まってきています。学生の皆さんが、これからデザイナー職でもMD職に就いても、売り場に立っても、テキスタイルの知識は欠かすことはできません」と、素材の重要性について説明する福永氏に、学生たちの熱心な視線が集まった。

ベンベルグ®は天然由来のコットンから生まれる?

講座、第1部のテーマは「<ベンベルグ>の基礎知識」。旭化成繊維事業本部から、商品科学研究所の所長を務める池永秀雄による講義が行われた。

学生たちがひときわペンを走らせたのは、「<ベンベルグ>の原料はコットンの種の周りに生えているうぶ毛(コットンリンター)で、これらが化学と技術の力で繊維の糸となり、コットン以上の柔らかさと滑らかさを持つ素材に変化します。コットンの約2倍もの吸放湿性、速乾性、制電性といった機能面を持っています」という説明。学生たちは目を輝かせ、終始手元の素材に触れては熱心に話を聞く姿があった。

高級裏地素材で有名な<ベンベルグ>は、コットンから生まれたコットン以上とも言える再生セルロース繊維であること。現在、世界で旭化成だけが生産している唯一無二の素材なのだ。

その繊維断面に着目すると、天然のコットンの繊維断面にはムラがあるのに対して、<ベンベルグ>は均一で細く丸い。これが独特のなめらかな肌触りと光沢の秘訣。他の素材にはない、滑り性、制電性、吸放湿性を兼ね備えた機能性は裏地素材として最適であり、世界中で広く使用されてきた。

図解や動画も参照しながら、特徴、機能、仕上げ加工に至るまでのプロセスを学び、裏地以外の生地の種類など、幅広い解説がなされた。

裏地だけではない!インナーウェアからナチュラルな質感を楽しめるアウターウェアまで

講座、第2部のテーマは「日本発!快適素材の今」。旭化成繊維事業本部マーケティング室から入江桂子による講義が行われた。

世界のインテリアやファッション市場について、「<ベンベルグ>素材」が最新マーケットでどのように活用されているのか、用途と機能性の解説では、これまで“<ベンベルグ>は裏地”という印象が強かった学生たちは、世界での活用事例を見ながら、素材に対するイメージをくつがえされることになる。混率や組織を変えると、裏地はもとより、カジュアルからスポーツ、エレガントまで幅広い装い、また、インテリアなど汎用性が広がることを学んだ。

さらに「裏地をはじめ、インナーやアウターなどのアパレル向けだけでなく、体の中で最もデリケートといわれる顔に当たるフェイスマスクにも使われていることを知っていましたか?」と学生たちに問いかける。

<ベンベルグ>の糸は太さにムラがなく表面がなめらか。断面が真円に近く、摩擦が小さいので、肌と擦れ合っても刺激が少ない。そのためデリケートな肌を傷つけにくいやさしさが生まれる。

素材の持つ市場での可能性にアイデアを膨らませていた学生は、講義後の質疑応答の時間で、アイテム展開、製品染色など質問が飛び交った。

「後染めした場合、出しづらい色などありますか?」という質問に対し、「<ベンベルグ>は発色性にも優れていて、出にくい色はない」とのことで、ここでも利便性の高さについて説明が加えられた。

柔らかくなめらかな機能素材を使った学生が生みだすクリエーションに期待!

今回のコラボレーションで、旭化成が用意した素材は、 アウター向け素材、裏地向け素材、ストレッチ素材の3タイプ。それぞれの生地サンプルが付けられたパンフレットが参加した学生全員に配られた。

コーディネーターの兼巻豪氏からは、コンペティションの詳細な説明があり、「ファッションテーマを『未来の快適美を創造する』と設定していますが、ずっと先の未来ではなく、学生の皆さんが等身大で考える近い未来において、どういった服を作りたいか、どういった服を着たいかというアイテムをデザインしていただきたい」と期待を述べられた。

「アパレルデザイン部門」「ファッショングッズ部門」の2つの応募カテゴリーは、応募ルールとして1つの学校で最大5グループまでとなっているチームクリエーションが特徴。スケジュールは、ポートフォリオの提出後、審査を通過した8グループが選出され、産地研修を行ったうえで制作がスタートする。

学生が考えるベンベルグ®=キュプラの世界観とは?

製品サンプルが飾られた展示ブースでは、生地に触れながらの質疑応答が盛んにおこなわれ、学生からの熱気溢れる時間となった。

どの素材でどんなアイテムを作ろうかと、「FORM PRESENTATION」のコンペティションに向けて、グループごとに会話が盛り上がる中、学生たちに意気込みを聞いてみた。

「普段ここまで素材について詳しく勉強しないので、とても勉強になりました。<ベンベルグ>は裏地のイメージが強かったのですが、表地にも使えるんだ!ということにまず驚きました。肌触りがとても良いので、気持ち良く着られるブラウスやアウターのデザインにもチャレンジしてみたいと思いました」(武蔵野ファッションカレッジ)

「とにかく<ベンベルグ>が高機能素材だということを学んだので、可能性をどこまで引き出した服作りができるかが課題だと思っています。これから作るポートフォリオでは、学生ならではの新しい素材使いとデザインをみんなで考えていきたいです。和装やスポーツミックスなど、アイデアを膨らませていきたいです」(横浜fカレッジ)

「学校の課題で総裏のジャケット作っていて、ちょうど<ベンベルグ>を使っていたので、今日の講義は素材についてとても勉強になりました。裏地向けの素材というイメージだったのですが、素材の持つ機能性を知れたので、機能性を活かした服を作りたいと思いました」(エスモード東京校)

■インタビュー動画(エスモード東京校)
Q今日の<ベンベルグ>大学ではどんなことが勉強になりましたか?
A1今日まで<ベンベルグ>は基本的に裏地向けの素材という概念しかなくて、機能性についても、保湿性と通気性が良いという認識しかありませんでした。今日、旭化成のお二方の講義を聞いて、素材の応用の仕方を学びました。<ベンベルグ>についての概念が変わりました。
A2<ベンベルグ>が表地として利用できることに、まず驚きました。裏地だけじゃなくて、表地として使える素材がこれだけあることを知ることができてよかったです。ナイロンとポリエステルと同じ合成繊維だと思っていたのですが、意外と天然繊維がもとになっていると知って、<ベンベルグ>いいな…と思いました。
Qコンペに向けての意気込みをお願いします。
A1人の手が伝わるようなもの。「数年後」が私たちのテーマなんですけど、今は機械に頼って生活していますが、数年後もそうだと思います。今よりもっと機械も発達していって、けど、そんな数年後でも、人の手を感じとってもらえる服を作りたいと思います。
A2温もりが伝わるような、人の心を開放できるような服を作りたいと思います。

それぞれ、コンペティションに向けた意気込みを語り、審査会に向けてのクリエーションが始まる。

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