外に篭れ!The Outdoor Living

01 答えは「そらのま」にある

HAUS

なぜヘーベルハウスは最強のアウトドアリビングを作れるのか?

これまで数多くのゲストとともにヘーベルハウスのモデルハウスを訪ねたが、必ずと言ってよいほど彼らはアウトドアリビングの前に立ち止まり、ありそうでなかったその空間に驚く。強靭な躯体が生み出すアウトドアリビングにはいったいどんな秘密が隠されているのか。このパートでは、ヘーベルハウスが先鞭をつけたアウトドアリビングの特性を詳しく解説し、その実例も紹介しよう。

答えは「そらのま」にある

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洗濯ものしか干せない横長の長いベランダほどもったいないものはない。ベランダをリビング型にリサイズして「そらのま」をつくれば、都市の暮らしがもっと楽しく豊かになる。

強靭な箱型ハウス「CUBIC」が先導した都市的自然主義

2Fリビングの天井を"ひらく"発想で、空とつながる半屋外空間を実現した「そらのま」。心地よい光と風を浴びながら、アクティブかつプライペートな時間を過ごせるこのアウトドアリビングこそ、ヘーベルハウスの特長を決定づけている革新的なコンセプトのひとつだ。着想の原点は1982年までさかのぼる。

当時ヘーベルハウスはフラットルーフの立方体で構成された住宅「CUBIC」を開発したばかりで、この時からリビングを2Fに配置する提案を行っていた。1980年代は1Fリビングが常識だったため、2Fリビングのアイデアは異端だったが、都市の住宅にとって非常に理にかなっていた。

広い土地を確保しにくい都市部では、敷地内にカーポートを設けると、あとは家を建てるのが精一杯で、そこに採光や通風をきちんと確保した広いLDKを設けることが難しかった。ゆったりとしたLDKを設けるには2Fを活用するのがベストだったのだ。

そしてもうひとつ都市の住宅に求められ続けていたのが庭だった。戸建てを持つからには、小さくても自然を感じる庭が欲しい。しかし庭の機能を担うスペースは必ずしも地面の上である必要はないと考え、住宅内にあっても光や風などの自然の恵みを取り込めるならば庭として成立するにちがいない。このひらめきこそが"都市的自然主義"を具現化する商品を生むベースになったのである。

2011年に完成した空間「そらのま」

ヘーベルハウスの主要カスタマーは都市部に暮らす30~40代の子育て世代だ。彼らが現実的に購入できる土地の広さを30坪前後と想定すると、コンパクトな家でありながらも自然を感じられる設計プランを考案し、実現する必要があった。

まるで矛盾するような難題をブレークスルーへと導いたきっかけは、ヘーベルハウスが30年以上前から提唱してきた2Fリビングの発想だった。この2Fリビングに、天井をひらいた半屋外リビングをつなげるアイデアからオープンエアスペースの「そらのま」(商品名:「そらのま+」)が生まれたのだ。2011年のことである。

「そらのま」がベランダと違うのはその形状だ。一般的なベランダは細長で、洗濯物を干す程度の用途しかなかった。その細長の形状をリビングルームらしいかたちにリサイズし、さらに室内リビングの一部スペースを「そらのま」に割くことで広々としたオープンエアのリビングを実現できたのである。

ひらいた天空からは陽光が射し、壁面のルーバースクリーンが心地よい風を通しながらほどよく目隠しをしてプライバシーも確保する。都市でも自然を感じられる「そらのま」でお茶や食事を愉しんだり、友人とアウトドアに興じる時間は想像を遥かに超えて気持ちいい。こうした大胆な空間を可能にしたのは、ヘーベルハウスが長年月かけて磨き上げてきた堅牢な鉄骨構造の賜物だろう。

「そらのま」を体験すれば「住」のアイデアがきっと広がる

オープンエアの「そらのま」は決して見た目だけのものではない。アウトドアリビングとして機能するための設計や意匠がふんだんに盛り込まれている。快適に過ごせて、気持ちよく使えるための工夫といえばいいだろう。まず「そらのま」のフロアには耐荷重性に優れたALCコンクリート・ヘーベルが使われており、30年保証のシート防水が備わっているため、例えば重量のある子ども用プールを置いたり、大きな鉢植えを並べてもまったく問題がない。

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外壁で囲まれた屋外リビング&オープンウィンドウ
腰壁の高さでは、テラスが外から丸見えになってしまう。右は壁を高く立ち上げた際の例。隣家の視線をしっかり遮り、プライバシーを保てる。借景が望めたり眺めのよい場所は、壁の中央を二重壁オープンウィンドウにするのも効果的だ。

「そらのま」の多くは壁が高く立ちあがっていて、隣家の視線をしっかり遮るためプライバシーを保てる。一般的なベランダの腰壁の高さでは、目隠しにはなりえない。プライバシーの確保という都市型住宅において欠かせない問題を見事にクリアしている。

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壁を高く立ち上げれば、バスルームの横に夕涼みができるスペースをつくることも可能。
白い壁がリフレクターの役割を果たし、北側のテラスでもこれだけ明るい。

また、周囲をすべて壁で囲むのではなく、縦格子のルーバースクリーンを巧みに採用している点も見逃せない。ウォールの一部にルーバーを組み込めば、ほど良く外部からの視線を遮りつつ、風が抜け、光も入りやすくなる。さらに大きな白い壁は光を反射するリフレクターの役割もするため、たとえ「そらのま」が北側に位置していても薄暗さを一切感じさせない。

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ルーバースクリーン
外部からの目隠しの役割を果たしながらも、自然の風や光を通すのがルーバースクリーンだ。周囲が壁だけだと閉塞感があるが、ルーバーにするとほどよい開放感が味わえる。都市型住宅にとって最強の外壁だ。

室内リビングとの一体感をもたらすために一役買っているのが、全開放できるフォールディングウィンドウだ。窓の存在が隔たりにならず、むしろ室内と室外をシームレスにつなげる。

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フォールディングウィンドウ
ヘーベルハウス独自のフォールディングウィンドウは、まるで屏風をたたむようにして窓を全開放できる。これによって室内リビングと「そらのま」がシームレスにつながり、一体感と広がりを感じさせる。

全開放をのぞまないなら、大きなFIXガラスと引き戸の窓からなるビスタウィンドウも選択できる。この窓も開口部が大きいので室内リビングと「そらのま」の一体感を損なうことはない。

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ビスタウィンドウ
大きなFIXガラスと引き戸の窓からなる構造。窓枠が少なくすっきりとしたデザインによって、室内外に一体感をもたらす。「そらのま」の風景を巨大スクリーンで見る感覚だ。別名ピクチャーウィンドウ。

こうしたさまざまな工夫が「そらのま」をより快適な空間へと押し上げている。いまや「そらのま」は、アウトドアリビングの代名詞となった。その理由を旭化成ホームズの中村干城さんはこう語る。

「お客様が一戸建てを建てたいと思える動機を、夢の実現というかたちで与えられたからだと思います。夫婦共働きが増え、土日に家族で出かける時間的余裕もない中、自宅でも家族と楽しい時間を『そらのま』で過ごせることを提案したことで、都市型住宅のオアシス空間のイメージが醸成されていったのだと思います。アウトドアブームやグランピングブームも追い風になり、そうした非日常的体験を自宅でいつでも味わえる『そらのま』に関心が注がれていきました。

これまで住宅の訴求ポイントは機能的価値ばかりでしたが、家族で過ごす時間という情緒的価値や自己実現価値を『そらのま』がもたらしてくれたのではないでしょうか」。ぜひヘーベルハウスで「そらのま」を体験してほしい!

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かぜのとう(2004年)
「そらのま」の前身ともいえる都市型住宅「かぜのとう」。空に向かってひらかれたリビングや、デッキの床をスカイデッキにして風や光が階下に抜ける工夫を凝らした。

written by Masaki Takahashi / © Asahi Kasei Homes

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HailMaryこちらのコラムはHailMary6月号に掲載されています。

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