知的不良は「地球にやさしい家」にカッコよく住む

Earth-Friendly Haus 1 HEBEL WALL

STUDY

ヘーベルは自然由来って知ってました?

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 創刊以来ヘイルメリーマガジンが取材しつづけてきたヘーベルウォール。ALC(軽量気泡コンクリート)とも呼ばれるこの壁は、珪石、セメント、生石灰、アルミ粉末、水という自然由来の5種の原料からできていることをご存じだろうか?

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 これらの原料をオートクレーブという高温高圧蒸気窯のなかで、180℃の高温と10気圧の高圧蒸気によってじっくり時間をかけて養生する。完成したヘーベルウォールは、水に浮く軽さを持ちながら耐久性に優れ、耐火性・断熱性に優れ、四季を通じて湿度をゆるやかに調節する...等々、複合的に極めて高い性能を身につけている。われわれが「最強の壁」と呼ぶ所以だ。

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 ヘーベルウォールの性能を支える原動力が、オートクレーブによる製造工程のなかで生成される人工のトバモライト結晶だ。十数時間養生される過程で、釜のなかで焼きものと同じように安定した板状の結晶体が豊富に生成される。トバモライト結晶は、完全無機質で、強度に優れ、熱や水で化学変化を起こさず、物性的にきわめて安定している。このため、寸法変化や腐食とは無縁の「壁」が生まれるのだ。なかでも日本の旭化成が作り上げるトバモライト結晶体は、世界的に見ても精度が高いと評されている。

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顕微鏡で見たトバモライト結晶。きわめてキメの細かい板状の結晶体だとわかる。

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左写真:オートクレーブ内にて、原料に由来するアルカリ成分とアルミ粉末の化学反応によって水素ガスが発生し、ALCの内部には無数の独立気泡が生成される。この独立気泡が、軽量・断熱・調湿・遮音性という特徴を生む。
右写真:気泡間をつなぐ細孔をミクロの世界で写したもの。直径は、0.05~0.1ミクロン。この細孔が、熱で膨張した空気の逃げ道となって爆裂を防ぎ、高度な耐火性を発揮するのだ。

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HailMaryこちらのコラムはHailMary5月号に掲載されています。

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