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最新!原状回復トラブルの実態!

経営ノウハウ

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2011年5月 1日

最新!原状回復トラブルの実態!

依然、絶えない退室時の原状回復トラブル。最新のデータや判例をもとに、もう一度、原状回復について考えてみます。

相談件数は微増!減らないトラブル

2011年の3月に、国民生活センターから「賃貸住宅の退去時に伴う原状回復に関するトラブル」が発表されました。センターに寄せられた相談件数の推移を見ると、前年同期比で見ても微増しており、件数は年々多くなっています。

原状回復については、2004年、東京都が賃貸住宅紛争防止条例、いわゆる東京ルールを施行しました。契約時には原状回復等に関する特例などを宅地建物取引業者が説明することを義務付けたのです。それにより、関東圏はもちろん、敷金の精算方式が違う関西圏にまで一部このルールは浸透していきました。その影響を受けて、トラブルは減ったかのようにも感じていましたが、国民生活センターの相談件数の推移を見るとそうでもないようです。

東京ルールのおさらいをすると、原状回復とは、入居者の故意・過失など、通常の使用方法を超える使い方によって生じた損耗や毀損を復旧することで、入居時の状態に戻すことではありません。

次に実際、どんな相談が寄せられているのか見てみましょう。

国民生活センターに寄せられる原状回復トラブルの相談件数は微増。依然、高水準が続いている。

最近の相談事例にはどんなものがあるの?

国民生活センターの報告書から、主な相談事例を見てみましょう。

●立ち会い時に指摘されなかったカーテン代等を請求された

立ち会い時のクロス張り替え、エアコンのクリーニング代、契約時に決まっていたクリーニング代の支払いは納得していたものの、指摘されなかったロールカーテン、フローリング汚れの清掃代を後から請求すると言われ、納得がいかない。

●契約書の記載に基づき、畳、襖の張り替え等を強制された

契約書にはあったものの、重要事項説明はされていないと思う。特に汚しているつもりはない。

●敷金の一部を償却し、自然損耗の修繕費を一部借主負担とする特約があった

8年間住んでいた賃貸マンションを退去。特約はあったが、納得できない。

●畳の表替え費用とルームクリーニング代を敷金から差し引かれた

保証人が立ち会いに参加したが、費用が高すぎるというもの。

●不注意でトイレのドアに穴を開けたところ、高額な修理代を請求された

不注意は認めるが費用が高額すぎる。

●契約書に基づく敷引の他、床の修理代を請求された

床に付いたタバコの焼け焦げはこちらの負担か。

立ち会いでの確認が不明確、特約有無の認識、適正な費用かどうかなど、さまざまな相談が寄せられている。

 

トラブルの多くは、負担割合の認識不足

現実的には、東京ルールの浸透もあって、敷金はほとんど返還するものとの認識を持つオーナーが増えてきていると思います。それでも、説明不足や確認不足で問題が起こっているケースがあるようです。

当然、自然損耗はオーナー負担、故意・過失は入居者負担ですが、この理解が双方で行き違うケースが見られます。例えば、タバコのヤニは自然損耗ですが、ヘビースモーカーだと入居者負担となることもあります。これについては、入居時の説明と退室時の立ち会いで十分に確認することが必要です。

また、費用の算出方法についての妥当性も問題になります。相場より高い場合はやはり問題。また、単に感覚的に入居者が高いと感じている場合もあるでしょうから、以前と同じ状態に戻す費用の妥当性を業者からの見積もり等で正確に伝える必要があるでしょう。

また、特約なども何年も前に入居した場合は、忘れてしまうこともあります。今では、重要事項説明書に盛り込むことはもちろんのこと、説明を受けた旨を記すため捺印をもらうのが常識です。そうすれば、後々“聞いた・聞かない”のトラブルは少なくなるでしょう。

自然損耗はオーナー負担、故意・過失は入居者負担が原則。説明不足や確認不足があるとトラブルに。

 

ポイントは特約!最高裁の判断下る!

2011年3月24日、業界が注目していた原状回復トラブルの最高裁での判決が下りました。これは、「賃貸住宅の敷金返還の際、修繕費として一定額を差し引くと定めた契約条項(特約)は消費者契約法に反するか」というもの。最高裁は「不当に高額でなければ特約は有効」としました。

クリーニング代などは特約にするケースが、多くみられますが、重要事項説明でしっかりと説明しておきたいところです。

また、入居者入れ替え時のメンテナンス費用を念頭に経営を行うことも大事なことです。あらかじめ費用を積み立てておくなどの修繕計画を立てることも大切です。例えば、旭化成の30年一括借上げと共に、メンテナンスサポートプランを活用すれば、毎月定額の費用負担を条件に、入居者入れ替え時や予測できない修繕費用をオーナーに代わって旭化成が負担します。このようなサービスを活用すれば、経営計画が立てやすく、より安心の賃貸経営が可能になります。

原状回復トラブルは特約と重要事項説明の徹底である程度回避できます。また、修繕計画(費用含む)も大切です。

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