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知っておきたい!ペットの防災対策

経営ノウハウ

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2019年3月12日

知っておきたい!ペットの防災対策

賃貸住宅市場で人気のあるコンセプト賃貸に、ペット共生型賃貸住宅があります。人気の理由の一つは、入居者にとって快適な住まいであることはもちろん、家族であるペットにも快適な住まいを実現したことです。しかし、ペットとの暮らしで見落としがちなのが、災害時のペットへの対応です。飼い主として、ペットをどう守っていけばよいのか、どう備えればよいのか。この度、旭化成ホームズでは「ペットの防災ハンドブック」を専門家と一緒にオリジナルで作成しました。その内容をご紹介しながら、ペットの防災対策について考えてみたいと思います。

災害時はペットもパニック状態に。避難所に入れない場合も

東日本大震災では、地震に驚いたペットが家を飛び出し、飼い主と会えなくなったり、さらには飼い主とはぐれた犬が野犬化し住民へ危害をもたらしたりするケースもありました。ペットも地震に驚くとパニック状態になり、どこかに身を隠そうとする場合が多く、特に猫にその傾向が多いと言われています。
普段から、パニック状態になったペットが脱走してしまうことを想定して、窓やドア、庭の門扉の開閉には脱走防止の意識を持っておくことが大切です。

脱走防止策としては、お気に入りの「隠れ家」を作っておくことも有効です。災害後に姿が見えなくなっても、そこを探せば見つけられることがあります。隠れ家を「持ち出し用のケージ」にしておけば、そこにペットを入れたまま運んで避難することもできます。
また、少なくとも持ち出し用のケージには慣れさせておかないと、素早い避難ができません。ケージが苦手なペットには、「おやつで誘導→入ることができたら褒める」を繰り返すと効果的だと言います。
万が一はぐれた時のために、ペットの身元などが分かる鑑札、狂犬病予防注射済票、迷子札、マイクロチップといったツールは必ず装着するようにしましょう(犬の場合は、犬鑑札、狂犬病予防注射済票の装着は義務)。

犬鑑札、狂犬病予防注射済票、迷子札、マイクロチップ

ペットと避難する際にもいくつか気をつけなければならない点があります。環境省のガイドラインでは「同行避難」を基本とする一方で、避難所のルール次第では同室では過ごせないこともあるとしています。ペットと避難した上で、同室で過ごせることを「同伴避難」といいますが、一部の避難所では同行避難ができないケースもあります。避難所にはペット好きの方もいればそうでない方もいます。
また、ペットも慣れない避難所では不安です。普段からしつけや衛生管理が不十分だと、鳴き声や体臭が問題となり、避難所から離れた場所に移されるケースもあります。
過去の災害では、避難所に居づらくなり、クルマでの生活をする人も多くいました。もちろん、クルマでの生活はエコノミークラス症候群など人の健康被害が懸念され、お勧めできません。飼い主が病気になったりストレスがたまると、ペットは敏感に感じとるといいます。ペットが安心して避難生活を送るには、まず飼い主が健康で落ち着いた行動をすることが大切なのです。
避難所でのペットの受け入れについてガイドラインを出している自治体もありますので、事前に確認しておくことも必要です。

災害時にペットとはぐれたことを想定して、身元の分かる迷子札、マイクロチップなどは必ず付ける。自治体の避難所でのペットの受け入れガイドラインは事前に確認しておく。

これだけはやっておきたい!防災対策のポイント

ペットの安全確保は飼い主の責任です。いくつか具体的にペット防災対策のポイントについて解説します。賃貸住宅の場合は、これらのペット防災対策を入居者に啓発することが大切になってきます。

■普段の近所づきあいが大切

普段からご近所の飼い主と仲良くして連絡先を交換しておくと、万が一の時には情報交換や助け合いができます。できれば、一緒に散歩するなどして、ペット同士も「顔見知り」になっておくとよいでしょう。一時的にペットを預かってもらったりしてもペット同士のトラブルも少なくなります。
その点、旭化成ホームズのペット共生型賃貸住宅では、入居者同士のコミュニティを作りやすい仕掛けをしているので、ペットぐるみで顔なじみになっていることが多いです。コミュニティの存在は防災対策としても大変重要です。

■非常時にも役立つしつけを

避難所で受け入れてもらうためにも、家族以外の人やペットに慣れさせておくことが大切です。コミュニティでの付き合いの他にも、例えば家族以外の友人と一緒に散歩に行き、リードを持ってもらうなど、他者と接する経験を積むことも一つのトレーニングです。「お座り」「待て」といった基本的な指示にも従えるしつけも必要です。
避難生活も日常生活の延長です。普段の人間との関係や生活態度が大きく影響することを自覚しましょう。

■ペットの防災用品はプラスαで

避難先での生活に備え、ペットの防災用品を常に準備しておく必要があります。この時に「自分のペットのものプラスα」で備えます。例えば、おやつを少し余分に準備しておいて、避難所で一緒になった他のペットに分けてあげれば、それがきっかけで飼い主同士の助け合いの輪が広がることもあります。
また、普段食べているおやつに加え、少しごちそう感のある特別なおやつを用意しておくと、ストレスで食欲をなくしているペットも喜んで食べる可能性があります。賞味期限が長く、少量ずつ小分けになっているタイプのものがよいでしょう。

■普段通りの態度でペットに接する

災害時は飼い主も被災者です。動揺もしているでしょうし、避難所での生活は想像以上に過酷です。それでも、ペットを最も安心させるのは「普段通りの飼い主」です。飼い主が落ち着きのない様子でいると、ペットも不安になってしまいます。日常と同じ声色や言動を心掛け、ペットを安心させることが大切です。

■狂犬病予防接種、ワクチン接種、飼い主登録は必ず済ませる

脱出防止策のところでも触れましたが、狂犬病予防接種、ワクチン接種、市区町村への飼い主登録は飼い主の責務です。登録番号が記載された鑑札がないと、身元が確認できないばかりか、預かりボランティアに受け入れてもらえない場合があります。

実際の体験に基づく情報満載!「本当に知りたい ペットの防災ハンドブック」

ペット共生型の賃貸住宅でも、ペット防災対策を入居者に啓発することは大切。賃貸住宅にコミュニティが存在すると、ペットの防災対策面でも重要である。

ペット防災の意識を入居者に啓発

防災対策の第一歩は、「住まいを災害に強くする」ことです。災害時にペットを守るには、大前提として飼い主自身が無事でいることです。そのためにも、建物の耐震・耐火性能はもちろん、家具の固定や転倒防止といった対策が必要です。それは賃貸住宅でも同じです。ヘーベルメゾンは、ヘーベルハウスと同等の耐震・耐火性能を持ち、地震や火災、大雨などに一時的に耐えるだけではなく、災害後も安心して住み続けられ、賃貸事業が続けられるよう防災力を高めています。

旭化成ホームズはペット共生住宅のパイオニアとして、公益社団法人 日本愛玩動物協会の呼びかけにより「ペットフレンドリーホーム宣言」をしました。人とペットが快適に暮らすための住宅の構造や設備、入居者のルールづくり、飼育マナーなどの普及啓発が高く評価された結果といえます。
また、今回専門家と共に作成した「ペットの防災ハンドブック」も今後入居者にも配布するなどして、ペット防災の意識を持ってもらおうと考えています。
さらにペット共生型賃貸住宅の入居者を対象に、定期的にしつけ教室やイベントの際にミニ防災セミナーを開催し、ペットと暮らす上での備えや災害時の対応について、入居者同士がお互いに交流を図りながら学べる機会を設けています。

旭化成ホームズのペット共生型賃貸住宅「+わん+にゃん」

ペット共生型賃貸住宅については、バックナンバー「駅から遠い立地でも成功する "ペット共生型"賃貸住宅とは?」でも紹介しています。ぜひご覧ください。

賃貸住宅でのペット防災は、建物の耐震・耐火といった基本性能を確保するとともに、入居者へのペット防災の情報提供や自助・共助の意識の啓発を促すことが大切。

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