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コロナ禍における賃貸経営の風水害対策

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2020年7月 7日

コロナ禍における賃貸経営の風水害対策

台風シーズンがやってきました。特に、この数年は風水害の被害が大きくなっていることは誰もが感じていることでしょう。すでに先月、長崎県などで記録的な豪雨に見舞われました。今年は、コロナ禍の影響もあり、避難所の状況も変わってきそうです。あらためて、風水害の対策を意識しておくことが肝心です。

風水害による保険金支払額が急増

2018年、2019年と連続して風水害による大きな被害が発生していることは記憶に新しいところです。特に2018年は、主な風水災害等よる保険金の支払額が約1.6兆円におよび、話題になりました。前年の約8.4倍と、近年では突出しているのがグラフからも分かります。昨年も同様に1兆円を超えました。

河川の近くに自宅や賃貸物件がある場合は、ハザードマップで確認した方も多いと思います。また、以前確認して大丈夫だったとしても、ハザードマップも改訂される場合がありますので、あらためて確認してください。
また、昨年の例でもあったように、排水が処理しきれないことで発生した都市型水害にも注意が必要です。

対策としてはまず火災保険の内容を確認し、出費に備えることです。中には水災が補償範囲から除外されているケースもあります。2018年度の火災保険(住宅物件)で水災補償の付帯率は69.1%(損害保険料率算出機構調べ)と昨今の風水害の被害を考えると、不足している印象です。
想定外の都市型水害も含め、水災・水漏れ補償は必ず付帯しておくようにしましょう。

■主な風水災等による年度別保険金支払額

風水害の被害が多発している。改めて最新のハザードマップを確認するとともに、火災保険で水災が補償範囲になっているかを確認する。

コロナ禍の影響で避難所は分散化傾向、「在宅避難」の選択も

今年の風水害対策として懸念されているのが、避難所の在り方です。コロナ禍の影響で、「3密」を避けるべく、避難所も分散化傾向にあります。現段階では、各自治体が整備している状況だと思いますが、新しい避難所が確定したら掲示板に貼り出すなどして、入居者に知らせることが大切です。

一方、地震などの場合は、避難所に行かず「在宅避難」が推奨されています。マンションやヘーベルメゾンなど耐震性の高い建物の場合は、震災で倒壊する可能性はほぼありません。避難所の「3密」を避けるためにも「在宅避難」を各自治体では勧めています。
水害の場合も同様で、内閣府・消防庁では洪水ハザードマップで色のついた浸水の危険があるエリアでも、次のような場合は例外として在宅避難を勧めています。

1.洪水により家屋が倒壊又は崩落してしまうおそれの高い区域の外側である。
2.浸水する深さよりも高いところにいる。
3.浸水しても水がひくまで我慢できる、水・食糧などの備えが十分にある。

※土砂災害の危険があっても、十分堅牢なマンション等の上層階に住んでいる場合は自宅に留まり安全確保することも可能です。

賃貸住宅の場合、1階の部屋で浸水の危険があれば避難、ヘーベルメゾンのような堅牢な賃貸住宅であれば、2階以上に限り在宅避難も可能となるでしょう。
※ただし、東京都の「江東5区」(墨田・葛飾・江戸川・江東・足立区)は、洪水や高潮が発生した場合、ほとんどの地域が浸水すると予測し、避難所ではなく他の地域に広域避難するように勧告しているケースもあります。

水害リスクの高いエリアは、賃貸借契約の重要事項説明で説明されることが今後義務づけられることになりそうですので、建物の安全性がより重要視され始めることも予想されますが、一番の対策は、一人ひとりの防災への意識ともいえます。洪水ハザードマップによるエリアのリスクや避難所の確認、避難所での「3密」を避ける注意点を入居者に注意喚起を促すことが大切です。

「3密」を避けるため、避難所は分散化傾向の方針が取られている。堅牢な賃貸住宅の場合は、コロナ対策も考慮し、在宅避難も選択肢として入居者へ注意喚起すること。

賃貸住宅の風水害対策は入居者管理とコミュニティの存在

繰り返しになりますが、賃貸住宅の防災対策の一つは、「自助」を促す入居者への注意喚起です。台風シーズンでは、掲示板やチラシ等で風水害への注意を促すことが大切です。例えば、ベランダの排水口がゴミで詰まっていると集中豪雨の際にオーバーフローしてしまうこと、飛来物から窓ガラスを守るため窓のシャッターを下ろしておくことなど、細かいアドバイスも必要でしょう。これらは、入居者管理の問題ですので、管理会社に確認しておくとよいでしょう。
旭化成不動産レジデンスで管理しているヘーベルメゾンでは入居者時に賃貸住宅の防災対策について書かれた「住まいの防災HAND BOOK」を配布、ペット共生型賃貸住宅では「本当に知りたいペット防災ハンドブック」を配布しています。

実際の体験に基づく情報満載!「本当に知りたい ペットの防災ハンドブック」「住まいの防災 HAND BOOK」

また防災の観点からは、コミュニティの存在、つまり「共助」が大きな防災力となることが分かっています。賃貸住宅では難しいといわれているコミュニティですが、旭化成不動産レジデンスが管理しているヘーベルメゾンのコミュニティ賃貸住宅「子育て共感賃貸住宅 ヘーベルメゾン母力」や「ペット共生型賃貸住宅+わん+にゃん」では、自助意識はもちろん、入居者同士のコミュニティによる共助意識を育むため、入居者向けの防災イベントを開催し、お互いに交流を図りながら防災を学べる機会をご提供し、積極的にコミュニティを醸成しています。(コロナ禍が収束するまでは、イベントの開催は見合わせております)

入居者の「自助」「共助」を促すためにも、定期的な注意喚起が必要。コミュニティのある賃貸住宅は防災力が高まる。

風水害に強い賃貸住宅は復旧も早い

建物として、風水害に強いとは、どのような建物でしょうか。
例えば、床下浸水、床上浸水。災害自体を食い止めることは困難ですが、軽微な被害で済み、早い復旧力があるかどうかが問われます。

ヘーベルメゾンの場合は、基礎がベタ基礎ではないため、床下に浸水した水は時間の経過とともに地中に浸透します。長期間湿気が残らないので腐食の原因をつくりません。
また、床・外壁のへーベル版は水に浸かることがあっても乾燥収縮しないため、床上浸水になっても、ほとんど交換せずに汚れを落として消毒し、そのまま床・外壁材として機能します。(ただし、フローリングなどの内装材は衛生面も考慮して交換する場合があります。)断熱材ネオマフォームは、水にも強く吸湿しにくい固形素材のため、万一水害で断熱材が浸水した場合にも、浸水部分の交換のみで補修が済むため、費用や工期を最小限に抑えます。

■水害に強いヘーベルメゾン 床下浸水の場合/基礎は濁流から建物を守る連続布基礎

賃貸住宅に求められる防災力とは、「入居者の命と暮らしを守り、早期修復性で事業が継続できること」です。賃貸できない状態になっていても、入居者にとっては生活の場が必要です。度重なる災害の発生に、入居者の意識も変化し、防災力の高さも部屋選びの条件として、重要な選択肢の一つとなってきました。また、オーナーにとっては固定資産税の納税やローンの返済は続きますので、早期修復性は非常に重要です。様々なリスクから守ってくれる住まいのニーズは、オーナーにとっても入居者にとっても同じです。

■賃貸住宅に求められる防災力 ■「災害に対する強さ」がお部屋を決める上で決定要因の一つになりましたか?

風水害に強い建物とは、被害を最小限にとどめ早い復旧力があること。防災力は賃貸住宅であっても入居者ニーズは高い。

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