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2018年春の家賃動向!地価上昇を受け市場回復は!?

市場動向

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2018年5月22日

2018年春の家賃動向!地価上昇を受け市場回復は!?

賃貸市場の繁忙期でもある今春(1月〜3月)の最新家賃動向(首都圏)が、不動産情報サービスのアットホームより発表されました。この数年、地価は上昇傾向にあり、街の再開発も盛んに行われています。家賃相場への影響はどうなのでしょうか。動向を探ります。

2017年平均家賃、マンション3年連続上昇、アパート4年連続上昇

まず、2017年一年間の賃貸市場を見てみます。
家賃相場データはさまざまな報道機関等から発表されていますが、全体傾向としては回復基調にあるとの印象を受けます。地価の上昇トレンドは続いていますし、緩やかな景気回復傾向も影響し、特に新築物件が好調で家賃相場をけん引しているようです。
また成約数は減少していますが、減少幅は大きく縮小しました。家賃相場はわずかとはいえ上昇傾向です。全体としては悪くない状況です。

【成約数】
首都圏の成約数は2年連続の減少となりました。しかし、減少幅はマイナス0.8%と少なく市場の活況を取り戻しつつあります。
エリア別に見ると、「東京23区」「東京都下」はプラスに転じました。新築マンション及び新築・中古アパートが好調とのことです。

■居住用賃貸物件成約数(前年比)

【賃料】
1m2あたりの成約賃料の首都圏平均は、マンションが0.8%上昇し3年連続のプラス、アパートが1.4%上昇し4年連続のプラスになりました。昨年も同様ですが、成約数は減少していますが、家賃はわずかながら上昇しました。

エリア別に見ると、成約賃料は埼玉県のマンションを除き全てがプラスでした。ただし、上昇幅は大きくはないので、横ばいで堅調に推移ししているといったところでしょう。
また、一戸あたりの成約賃料で見てもマンションは8.80万円で前年比0.7%上昇、アパートは6.35 万円で同2.4%上昇しました。

■所在地別成約賃料 (1平米あたり、単位円、カッコ内は前年比)

2017年、年間の賃貸市場は、2016年と比べ成約数の減少幅は大きく縮小、賃料相場は上昇して推移。新築物件が相場をけん引している。

今春の成約数、全体平均は減少するも、東京23区は好調

さて、今春2018年1月〜3月の動向を見てみます。
成約数は、昨年の7月から12月まで前年同月比プラスで推移していましたので、繁忙期も期待がありましたが、繁忙期3カ月間の成約数はいずれも前年同月比でマイナスとなりました。ただし、2月に比べて3月は前年同月比のマイナスが2.3%縮小しています。これは、成約の4 割超を占める東京23 区で、城南・城西エリア等が大幅増になったことが主な要因とのことです。東京23区で見ると3月の前年同月比は5.6%もの上昇です。
ちなみに、城西は新宿区、世田谷区、渋谷区、中野区、杉並区、練馬区。城南は港区、品川区、目黒区、大田区で、いずれも賃貸市場としては人気のエリアです。

また、タイプ別に見ると新築物件の成約数はシングル向けがけん引し、マンションが前年同月比で増加、アパートは新築に限ると2009年の調査以来、過去最高となるほど好調です。
全体平均では、マイナス基調ですが、エリアやタイプ別に見ると、成約数が伸び活況を呈しているところもあります。

■成約数および前年同月比の推移(首都圏)

■居住用賃貸物件所在地別 成約数・前年同月比

繁忙期の成約数は前年同月比3カ月連続マイナスだが、エリア別、タイプ別に見ると上昇も見られ、賃貸市場は堅調といえる。

今春の家賃相場、マンション9カ月連続上昇、アパート13カ月連続上昇

昨年の賃料相場は横ばいでしたが、今春ははっきりとした上昇が確認できました。
3月の1m2あたり成約賃料はマンションが2,671 円で、前年同月比3.0%上昇し9 カ月連続のプラス、アパートは2,374 円で同3.9%上昇し13 カ月連続のプラスです。

【マンション】
3月の1m2あたり成約賃料は、前年同月比3.0%の大きな伸びを示しました。
エリア別に見ると、最も上昇したのが東京23区の同2.7%です。3月に成約数で城南、城西エリアが大幅に伸びたとありましたが、その盛況ぶりが家賃にも影響したようです。
その他のエリアでは、成約数が振るわなかった埼玉県がやや苦戦していますが、その他のエリアでは3月に挽回している状況です。
また、一戸あたりで見ると、特に新築マンションが3月に10.06万円、前年同月比3.5%と伸び10カ月連続の上昇とのことです。

【アパート】
1月の1m2あたり成約賃料は神奈川県で前年同月比6.6%、埼玉県で同6.0%、千葉県で同5.3%と東京以外で高い伸びを示しました。神奈川県、千葉県は2月、3月も堅調に伸びています。
3月の成約数は、埼玉県でマイナス29.3%、千葉県でマイナス8%と大きく落ち込んだのですが、その影響は家賃にはなかったようです。
ただし、一戸あたりの成約賃料で見ると3月は東京23区以外マイナスです。東京23区の上昇(7.18万円、3.6%上昇)が大きかったので、首都圏平均では6.08万円となり前年同月比0.8%上昇し10カ月連続上昇しています。

■1平米あたり成約賃料の前年同月比 (カッコ内:1平米あたり成約賃料、単位円)

家賃データは1戸あたりの賃料、1m2あたりの賃料など算出方法で違いが出ますが、アットホームでは2009年の1月を100とした賃料指数も発表していて過去8年間の、家賃の推移を見ることができます。
例えば、「アパート1戸あたり賃料指数の推移(首都圏・東京23区・東京都下)のグラフを見
ると、2009年1月時点を下回るもほぼ横ばいで推移し、昨年は上昇し今年に入って下降しています。東京23区に限っては、この1年、2009年1月時点を上回って推移しています。

■アパート1戸あたり賃料指数の推移(首都圏・東京23区・東京都下)

また、アットホームでは「地場の不動産仲介業における景況感調査」を四半期に一度、行っています。最新の2018年1〜3月期の調査では、首都圏は「問い合わせ」「成約数」「成約賃料」のDI値(※)が伸びています。先のデータでは成約数は減少となっていましたが、現場の実感としては良い印象があるようです。東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県のエリアごとに見ても同様の傾向です。
不動産店のコメントに「低価格帯の単身者物件の動きが弱いが、高価格帯のファミリー物件が成約しているため、単価自体は上がっている。(東京都調布市)」といった声もありました。

■賃貸仲介の景況感DI(首都圏)

賃貸市場は成約数が伸び悩んでいるが、景況感は悪くない。家賃相場はやや上昇傾向にあると見られる。特に新築物件や東京23区での家賃が堅調な動きを見せている。

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