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2019年今春の家賃動向!成約数は下落するも家賃は上昇

市場動向

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2019年5月21日

2019年今春の家賃動向!成約数は下落するも家賃は上昇

賃貸市場の繁忙期でもある今春(1月〜3月)の最新家賃動向(首都圏)が、不動産情報サービスのアットホームより発表されました。地価に関しては今年も上昇トレンドにありますが、景気動向は後退局面の可能性も示唆されています。そんな中、家賃相場はどんな動きを見せているのでしょうか。2018年の一年間と2019年春の動向を探ります。

2018年平均家賃、マンション4年連続上昇、アパート5年連続上昇

まず、2018年一年間の賃貸市場を見てみます。
市場の景況感を示す「成約数」は下がり気味ですが、現場の不動産会社の声を聞くと来店客数そのものは変わらないといいます。これが、家賃相場にどんな影響を与えているのか。
成約数の落ち込み要因の一つは、住み替えが少ないということです。景気回復といわれていますが、実感は乏しく、むしろ後退の印象もあります。その影響もあって、住み替えずに現状維持という傾向が見られます。
しかし、首都圏への人口流入は増え、客足は衰えていないということです。その結果、供給数が少なく需要は増えていることから、供給不足となり、家賃相場が上がっているエリアもあるようです。

【成約数】
首都圏全体の成約数は3年連続の減少となりました。減少幅もマイナス4.2%と、2017年に比べて大きくなっています。エリア別に見ても、全てのエリアでマイナスです。特に、東京都下がマイナス10.3%、埼玉県がマイナス17.0%と大きく落ち込みました。

■居住用賃貸物件成約数(前年比)

【賃料】
1m2あたりの成約賃料の首都圏平均は、マンションが1.3%上昇し4年連続のプラス、アパートが3.5%上昇し5年連続のプラスになりました。賃料も共に上がり、底堅い家賃相場となっています。

エリア別に見ると東京都下のマンション以外の成約賃料は全て上昇しました。上昇幅はアパートの神奈川県、埼玉県、千葉県は大きく上がりましたが、その他は、横ばいで堅調に推移しています。

■所在地別成約賃料 (1平米あたり、カッコ内は前年比)

2018年の賃貸市場は、成約数は落ち込んだものの家賃相場は上昇して推移。上昇幅も大きくなっている。

2019年春の成約数、不調続く、3月は全エリアでマイナス

今春も、2018年同様の傾向が出ています。
成約数は、1月は前年同月比マイナスながらも回復の傾向があったのですが、2月、3月とマイナス幅が広がり、3月は二桁の13.5%の減少です。成約の4割超を占める23区が17.3%の大幅な下落が影響しています。全エリアでマイナスとなったのは6カ月ぶりとのことです。2018年よりもさらに、成約数は悪化しています。

エリア別に見ると、埼玉県が昨年の夏より回復傾向が続いていましたが、3月でマイナス、ただしアパートは4カ月連続のプラスと堅調に推移しているようです。

面積別で見ると、割合は少ないものの50m2以上のファミリー物件での成約率が大きく減少しています。分譲マンションの成約率も低迷していますので、ファミリー層を中心に住み替えが進んでいないと思われます。

■成約数および前年同月比の推移(首都圏)

■居住用賃貸物件所在地別 成約数・前年同月比

成約数は3月に二桁の減少。東京23区、東京都下、千葉県の減少が響く。ファミリー層を中心に住み替えが進んでいない。

2019年今春の家賃相場、やや上向きで堅調に推移

成約数の落ち込みにより賃貸市場の悪化も懸念されますが、家賃相場に関してはむしろ全体的に上向きの傾向になりました。冒頭でも解説しましたが、住み替えが進まず長期入居の傾向があり、その分空室もなく供給不足となり、家賃を押し上げたようです。長期入居の傾向は、オーナーとしては安定経営が望めますので、良い傾向だといえるでしょう。

【マンション】
1m2あたりの成約賃料は、前年同月比で1、2月は連続して上昇しましたが、3月に0.7%下落してしまいました。
エリア別に見ると、成約数が大きく落ち込んだ東京23区は前年同月比で3カ月間プラスで推移、同じく成約数が振るわなかった千葉県も1、2月は堅調に推移しましたが、3月は下落となりました。

【アパート】
1月は全てのエリアで下落となりましたが、2、3月でおおむね堅調に推移しています。
特に2月は神奈川県で前年同月比4.8%上昇、埼玉県で同5.8%上昇し平均を押し上げました。神奈川県は3月でも同3.1%上昇しています。埼玉県、千葉県は3月に再び下落しましたが、首都圏全体では1.3%の上昇です。

■1平米あたり成約賃料の前年同月比 (カッコ内:1平米あたり成約賃料)

家賃データは1戸あたりの賃料、1m2あたりの賃料など算出方法で違いが出ますが、アットホームでは2009年の1から12月の各月を100とした賃料指数も発表しています。

1m2あたりの成約賃料指数を見ると、まだ2009年の水準には達していないものの、この2年間ほどは堅調に推移しています。また、この指数からは繁忙期以外のシーズンで堅調な動きを見ることができます。
今年は引っ越し代が高騰し、4月にずれ込む動きもあるようで、繁忙期以降も動きが活発になるかもしれません。今後の動向に注目したいところです。

■成約賃料指数の推移(1平米あたり・首都圏)

住み替えが進まず全体的に供給不足となり、家賃はエリアによっては上昇している。特に東京23区は堅調に推移。


※アットホームによるアパート・マンションの定義
【アパート】1階建てもしくは2階建ての共同住宅で、建築構造が木造または軽量鉄骨構造のもの。
【マンション】鉄骨コンクリート造または鉄骨鉄筋コンクリート造、重量鉄骨造で、3階建て以上の分譲共同住宅・賃貸共同住宅。

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