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コロナ禍3回目の春、2022年春の家賃動向は!?

市場動向

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2022年5月24日

コロナ禍3回目の春、2022年春の家賃動向は!?

コロナ禍が初めて賃貸市場を直撃したのが、2020年の繁忙期でしたので、今年で3回目の春でした。昨年は郊外のファミリータイプの家賃が上昇しましたが、2022年繁忙期(1月~3月)の最新家賃動向は、どうだったのか。不動産情報サービスのアットホームの家賃データから見ていきたいと思います。

持ち家ニーズはコロナ禍でも増加、家賃にも影響

首都圏の新築マンション平均価格はバブル期を超えるほど上昇していますが、売れ行きは好調だといいます。要因の一つは低金利です。また、テレワークの進展で住む場所の選択肢が郊外にも広がりました。一方、都心も経済力のあるパワーカップルや富裕層のニーズが旺盛で、コロナ禍や価格高騰にもかかわらず、持ち家のニーズは減退することはありませんでした。
これは賃貸住宅のニーズも同様で、特に郊外を中心にファミリータイプの家賃上昇にも表れています。
エリアごとに今春繁忙期の家賃動向を見ていきます。

■東京23区-ファミリーは高値で推移

グラフは2015年1月を100とした指数の推移を表しています。
ファミリー、大型ファミリーは、2020年春コロナ禍に入っても家賃が上昇、今春も高値で推移しています。シングルはコロナ禍に入り、学生のオンライン授業などで低迷が続いていました。しかし、今年から対面授業も増え、環境はコロナ前に戻りつつあり、家賃も今年に入って上昇し、回復の兆しが見られます。

図1:【東京23区】マンション平均家賃指数の推移

■東京都下-全面積帯で前年同月比を上回る

3月の平均家賃指数は全面積帯で前年同月を上回りました。特に大型ファミリーは、昨年秋から一段と家賃が上昇し、2015年1月以降最高値を更新しました。シングルは今年に入ってから下落が続くものの、3月の前年同月比はプラスになりました。
東京都下は、郊外ほどの距離ではなく、武蔵野市や西東京市など山手線のターミナル駅から電車で15~20分ほどの距離で人気が高まっています。

図2:【東京都下】マンション平均家賃指数の推移

■神奈川県-大型ファミリーは高水準を維持

大型ファミリーは昨年夏に高値を付けて以降、落ち着いてきましたが、高値水準をキープしています。家賃指数124.8ポイントは、今回紹介するエリアの中で最高値です。
その他の面積帯は横ばいながらも、家賃指数は100を超え、3月の前年同月比は全面積帯でプラスでした。

図3:【神奈川県】マンション平均家賃指数の推移

■埼玉県-郊外人気で家賃は堅調に推移

コロナ禍が始まった2020年の初めから、各面積帯の家賃指数は100を超えて推移し、今年に入っても上昇を続けています。3月の前年同月比は全面積帯でプラスでした。
埼玉県も大型ファミリーが強く、家賃指数は上昇を続け2015年1月以降最高値を更新しました。ファミリー、カップルも上昇基調で郊外人気の影響が出ています。

図4:【埼玉県】マンション平均家賃指数の推移

■千葉県-マンション平均家賃指数の推移

千葉県は、コロナ以前の2019年繁忙期頃から家賃指数は100を超えて推移していました。コロナ禍では、他のエリア同様、大型ファミリーが上昇、今年の繁忙期は少し下がりましたが、高値水準を維持しています。
その他の面積帯も昨年の夏ごろから上昇基調にあり、堅調に推移しています。

図5:【千葉県】マンション平均家賃指数の推移

名古屋市、大阪市もコロナ禍の影響なし

東京圏とは職住の環境ニーズが異なる名古屋市、大阪市ですが、結果から言うと家賃相場のコロナ禍の影響は限定的で、堅調に推移しています。
特に名古屋市は職住近接が特長的で、他のエリアとは違った家賃相場になっています。

■愛知県名古屋市-シングル、ファミリーで好調

名古屋市の家賃相場が特長的なのは、グラフを見ても分かる通り、シングルが好調な点です。コロナ禍が始まった2020年初めから家賃は上昇を続け今に至っています。
ファミリーも好調で、今年に入り上昇を続けています。シングル・ファミリーともに3月は2015年1月以降最高値を更新しました。また、カップル、シングルも前年同月比を上回っています。

図6:【名古屋市】マンション平均家賃指数の推移

■大阪府大阪市-カップルが好調

カップルはコロナ禍前の2019年春頃から上昇基調にあり、今年に入って3カ月連続で上昇、2015年1月以降最高値を更新しました。
大型ファミリーも3月は前月比で下落しましたが、前年同月比では8.3%の上昇です。シングル、ファミリーも今週は上昇基調にあり、堅調な動きを見せています。

図7:【大阪市】マンション平均家賃指数の推移

今後の家賃動向

コロナ禍で3回目の繁忙期を迎えましたが、家賃相場へのマイナス影響はなく、むしろ家賃は上昇基調にあります。特にファミリー物件ですが、分譲マンション価格が高騰してもニーズが衰えないかぎり、この傾向は続くものと思われます。

ファミリー物件の家賃相場が上昇している要因の一つに、高品質でクオリティの高い賃貸住宅が増えていることが挙げられるかもしれません。持ち家ニーズは依然強いものの、子育て支援型やペット共生型といった特長のある賃貸住宅は、高家賃でも人気を高めています。
ただし、コロナ禍の状況や地政学リスクで、景気の先行きは不透明感があり、注意は必要です。今後も動向を注視していきたいと思います。

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