HOME > アパート経営・土地活用の知恵袋 > マンスリーレポート > 入居者トレンド > 空室を出さないために必要な設備投資
アパート経営・土地活用の知恵袋
マンスリーレポート 最新情報をレポートします

空室を出さないために必要な設備投資

入居者トレンド

タグ :

2020年2月18日

空室を出さないために必要な設備投資

賃貸市場の繁忙期シーズンも大詰めを迎えようとしています。この時期、空室を出さないためには、入居者ニーズを把握し、設備投資で競争力を維持、またはアップさせることです。そこで今回は、入居者に人気の設備や、新築物件に見る最新設備などをご紹介します。

サブリース物件の入居率は上昇

昨今、賃貸市場ではファミリー層を中心に住み替えが進まず、契約更新が増えているという状況が続いています。長期入居は安定経営の基本ですので、オーナーにとっては良い傾向だと思われます。では、空室の状況はどうなのでしょうか? まずは日管協(公益財団法人 日本賃貸住宅管理協会)が半期に一度発表している最新の「日管協短観」の2019年度上期データ(2019年4月〜9月)を見てみます。

■入居率の推移

サブリース物件に関しては、どのエリアも入居率は上昇しています。委託管理物件については首都圏が下がったものの、ほぼ前年の高水準をキープ。入居率に大きな変動はなく、堅調に推移していることが分かります。

また、家賃も堅調に推移しています。特に首都圏では契約更新や新築の着工数の減少で、空き部屋が少なく売り手市場になっており、エリアによっては家賃も上昇しているようです。『日管協短観』のデータでは、首都圏で特に単身者の1LDKニーズが高まり、1LDK~2DKで成約賃料が増加したと答えた人が37.1%もいました。中堅サラリーマンをターゲットにした新築物件が相場を押し上げているようです。

サブリース物件の入居率はどのエリアでも上昇。首都圏の中堅サラリーマンの需要が高まり、1LDK~2DKで賃料が堅調に推移。

部屋探しサイトの検索項目で、競争力をチェック

入居者の部屋選びは、まずネットの検索ではじまりますが、今は検索条件がかなり細かく設定できます。入居者にとっては、ほぼ理想の物件が検索でき、あとは家賃との兼ね合いでどの条件を妥協するかということになります。
入居者にとっては利便性が高いのですが、オーナーサイドから見れば、条件に合致してなければ、検索にヒットせず選択の候補にも挙がらないということになってしまいます。

不動産ポータルサイト「アットホーム」の検索条件を見てみます。
例えば、キッチンだけでもコンロの種類や付帯設備の項目で8項目あります。

検索条件:キッチン

セキュリティもいわゆる防犯設備のほか鍵やガラスの種類も含めて8項目。

検索条件:セキュリティ

最近重視されている収納については、ウォークインクローゼットの他に、シューズボックスや床下収納といったものまであります。

検索条件:収納

検索条件にチェックを入れていくと、その都度、対象物件が何件あるかが表示されます。
ご自身の所有物件の立地条件と家賃を入れて、表示される物件の条件の違いをチェックしてみてください。立地条件と家賃が同レベルで設備が足りないとなると、足りない設備を投資するか、家賃を下げることになります。中長期の視点で見れば、家賃を下げずに長期入居が望める設備投資をする方が得策と言えるでしょう。

部屋探しサイトの検索条件で、所有物件とライバル物件との設備の違いをチェックして、必要であれば設備投資を検討する。

最低限備えておきたい、最後まで重視した設備とは?

不動産情報サービスのアットホームによる調査「30歳未満の学生・社会人の部屋探しを徹底調査 2019 年度版」から、部屋探しの際、最後まで重視した設備の社会人を見てみます。

■最後まで重視した設備・社会人

ランキングの中で、定番の設備を除いて注目したい設備は「収納スペースが広い」「モニター付インターホン」「洗浄機付トイレ」「インターネット接続料込み」「宅配ボックス」でしょう。これらは、既存の物件でも比較的簡単に設置できますので、付いていない場合は検討してみてください。

1位の「独立したバス・トイレ」は、必須の設備と言ってもよいでしょう。加えて4位に「独立洗面台」があります。最近はワンルームでも独立洗面台は当たり前になってきました。加えて6位に「2口以上のコンロ」があります。節約志向で外食を控え、自炊をする「内食」や、弁当や惣菜を買ってきて家で食べる「中食」ブームの表れと言えるでしょう。
これらを設置するには、大がかりなリフォームが必要です。費用はかかりますが、設備の古さが特に目立つのが水回りなので、水回りが変わると部屋のイメージも一変します。競争力を長く維持するためには、必要なことです。

ランキングの注目設備は積極的な導入がおすすめ。水回りはリフォームを視野に検討。競争力を維持するためにも、設備投資は必要。

入居者タイプ別、本当に喜ぶプラスアルファの設備

最近の新築物件であれば、先ほどのランキングに入っている設備はほぼ設置されていると言っても過言ではないでしょう。また、ターゲットとする入居者のタイプでも、設備の違いで差別化を図ることができます。

■1人暮らし リッチシングル
家賃のところでも触れましたが、リッチシングル層に1LDKのニーズが高まっているようです。最低限備えたいのは、セキュリティ設備。オートロックはなくても、「モニター付インターホン」は必須です。また、キッチンも2口コンロ以上のシステムキッチン。また、キッチンとリビングの間に、デスクとしても使える収納型のリビングカウンターを設置するのも喜ばれます。

モニター付インターホン/システムキッチン/収納量が豊富で多目的に使えるリビングカウンター

■共働き夫婦
まず喜ばれるのが2つのウォークインクローゼット。一つだけなら、多くの物件にあると思いますが、2つあるケースは希少性が高く大きくアピールできます。衣類だけではなく趣味のものなどを、お互い別々に管理したいというニーズが多いのです。また、収納もキッチンに作りつけの食器棚や、ブーツも収納できる広めのシューズクロークが喜ばれます。室内物干しも洗面所と部屋の2カ所にあるとより便利です。

2つのウォークインクローゼット/2つの室内物干し/食器棚/シューズクローク

■ファミリー
ファミリータイプでインパクトのある設備が可動家具です。部屋の間仕切りとして使えるので、子どもの成長に合わせて間取りを変化させることができます。ウォークインクローゼットも大きめのものが喜ばれます。ちょっとしたデスクコーナーも部屋の機能性を高めます。また、意外と喜ばれるのがリビング続きの畳の間。子どもが小さいうちは寝転んで遊べたり、お昼寝したりできます。本格的な和室でなくても、カーペットタイプの畳を置くだけでも和室にすることができます。

可動家具/ウォークインクローゼット/デスクスペース/畳の間

入居者のタイプ別に本当に喜ばれる設備をしっかり検討して差別化を図る。

土地活用・アパート経営の資料プレゼント

セミナー・イベント情報を見る

窓口・WEB・電話で相談する

▲ページトップへ

マンスリーレポートトップへ