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部屋探しの絶対条件に見る、"ペット相談可"物件の人気

入居者トレンド

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2023年4月 6日

部屋探しの絶対条件に見る、

ペットと暮らせる賃貸住宅の人気が高まっています。しかし、物件自体はまだまだ数は少なく、ペットと暮らしたい入居者は部屋探しに苦労しているようです。不動産・住宅情報サービス「LIFULL HOME'S」が発表した「特許取得の『できれば検索』!東西『絶対条件/できれば条件』ランキング」などの調査から、ペット相談可物件の部屋探しの実態を見てみると、ペット相談可物件のニーズの高さがうかがえます。ペット相談可物件をプランニングする際の注意点も含めて解説します。

絶対条件「ペット相談可」は近畿圏で4位、首都圏で6位に!

不動産・住宅情報サイト「LIFULL HOME'S」では、物件探しの検索条件を「できれば/必須」で優先順位づけをして検索できる機能『できれば検索』があります。そこで、12月に発表された特許取得の『できれば検索』!東西「絶対条件/できれば条件」ランキングTOP20!を見てみます(2022年12月13日)。
ランキングでは「ペット相談可」は首都圏で6位、近畿圏では4位と高いニーズがあることが分かります。「ペット相談可」より上のランキングに位置しているものは、新築物件では当たり前の設備です。ベスト10を見てもオートロックよりも上にランキングされています。
ペットニーズは今に始まったことではなく、昔からニーズは高かったのですが、コロナ禍の影響もあり在宅時間が増えたことで、さらにニーズが高まったとも考えられます。また、以前では賃貸住宅ではペット禁止が当たり前でしたが、最近では徐々にペット相談可物件が増えつつあることが知れ渡ったことも、ニーズの高まりの一つの要因かと思われます。

■<できれば検索>

ペットと暮らしたい入居者が絶対条件に加えたことで、ペットニーズの高さが改めて顕在化した。

「ペット相談可物件」の月別推移は2020年から4.3%増加したが、まだ少ない?

LIFULL HOME'Sに掲載されていた一都三県の「ペット相談可物件」割合の月別推移数を見ると2022年1月は全体の14.0%だったのに対し、2022年12月は18.4%と3年間で約4.3%増加しています。
それでもまだまだ少ないのが原状です。「現在飼育していない最大の理由」で最も多いのは「集合住宅(アパート・マンションなど一戸建てでないもの)に住んでいて、禁止されているから」で犬19.3%、猫25.0%でした(ペットフード協会「令和4年全国犬猫飼育実態調査」)。賃貸住宅のペット相談可物件では「犬は可、猫は不可」のケースが少なくありません。
物件数が少ないだけに、希望者からすれば希少価値の高い物件ということになります。

■「ペット相談可物件」割合の月別推移(一都三県)

ペット相談可の賃貸住宅はまだまだ少なく、入居者にとっては希少価値が高い。

ペット相談可物件探しで感じたこと、1位「物件数が少ない」、2位「家賃が高い」

ペット相談可物件はニーズが高いのに物件数が少ないことは、入居希望者も実際の部屋探しで感じています。LIFULL HOME'Sの調査で「ペット相談可物件探しをしていて感じたこと」を聞いたところ、1位は「物件数が少ない」、2位「家賃が高い」、3位「サイズや頭数に制限がある」でした。

■「ペット可物件」を探していて感じたことランキング

2位の「家賃が高い」については、物件数が少なければ物件の希少価値が高まり、需給バランスの関係から当然家賃は高くなるでしょう。
実際、どの程度家賃が高いのか、LIFULL HOME'S掲載物件から、東京都のペット相談可物件とそれ以外の賃貸物件の平均家賃を実際に比較しています。
単身者向け(5~34㎡)では、ペット相談可以外の平均家賃86,026円なのに対して、ペット相談可物件は98,804円と約13%、12,778円も高いという結果になっています。
ファミリー向け(35~100㎡)では、ペット相談可以外の平均家賃176,175円に対して、ペット相談可物件は203,546円と約16%、27,371円も高いという結果になりました。希少価値の高い物件だけに、家賃もかなり強気の設定です。
3位の「サイズや頭数に制限がある」については、分譲マンションでも大型犬不可、多頭飼い不可のところは少なくありません。

■「ペット相談可物件」の平均家賃(東京都)

ペット相談可物件は物件数自体が少ないだけに家賃も高い。単身者向けで約13%、ファミリー向けで約16%高い設定になっている。

ニーズは「ペット可」ではなく「ペット共生」

紹介したデータからもペット相談可物件の人気が高く、家賃も高額設定できることは分かりますが、かといって既存の物件を空き室対策としてペット可にするのは考えものです。そうなるとペットを飼う人と買わない人が混在し、トラブルの元になるからです。
分譲マンションでも管理組合がペットは登録制にし、敷地内では抱えて移動すること、使えるエレベーターの指定、飼えるペットの大きさなど細かく規定を作り、管理しています。
管理人のいない賃貸住宅では飼う人と買わない人が混在するペット可は、避けたほうがよいでしょう。
トラブルを避けるためには、単なる「ペット可」ではなく、「ペット共生」、つまり、入居者全員がペットを飼うこと、ペットと暮らすことを前提にプランニングされた「ペット共生型賃貸住宅」がよいでしょう。

分譲マンションでは飼わない人への配慮が盛り込まれたルールに従い、肩身の狭い思いをしながら暮らしている人も少なくありません。"ペットと共に生きる"をコンセプトにしたペット共生型賃貸住宅には、分譲にはない気兼ねなくペットと暮らせるニーズを満たし、オーナーにとっても高い家賃設定で長期安定経営の実現を可能にします。
具体的なペット共生型賃貸住宅の詳細については、次回詳しく解説します。

ペット共生

ペット相談可物件の理想は「ペット可」ではなく「ペット共生」。他の入居者にも気兼ねなく、快適に暮らせるペット共生型賃貸住宅が求められている。

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