フランス フランス

美食の国フランスの、個性あふれる地方料理や、「キッシュ」「ガトーショコラ」など。

フランスの食文化 フランスの食文化

世界に知られる美食の国、フランス。フランス料理といえば、豪華で洗練され、格式が高いといったイメージがありますが、私たち日本人がイメージするのは、レストランの食事形式としてのフランス料理でしょう。これらの料理は、宮廷や貴族階級に雇われていた調理人たちがフランス革命以降に街に流出し、レストランを開業したことにより、宮廷や貴族の食文化が庶民へと受け継がれていったものと言われています。しかし、国を代表する国民食のような料理は、あまり見当たりません。もちろん世界3大料理とも言われるフランスのレストラン料理はすばらしいものですが、むしろ各地方ではぐくまれた特有の郷土料理の中に、フランスの豊かな食文化を感じることができます。

各地の郷土料理は、気候風土や、隣接する国々の影響などにより、その特色はじつにさまざまです。たとえば、塩の生産で有名なブルターニュ地方では、有塩バターを使った「そば粉のガレット」、ドイツと国境を接し影響を受けてきたアルザス地方では、ザワークラウトと豚肉を煮込んだ「シュークルート」、地中海に面したプロヴァンス地方では、魚介類をふんだんに使った「ブイヤベース」など、地方ごとに個性豊かな料理の数々が見られます。レストランなどでも「ノルマンディー風」や「ブルゴーニュ風」などと、地方の呼び名のついたメニューが多く見られ、旅行者にとっても、各地の特産物や特有の食文化を知ることができるいい機会となります。

一方で、フランス人の日常の食事に目を移すと、じつは意外とシンプルなんだとか。朝はパンとカフェオレ、昼はサンドイッチ、一番時間をかける夕食でも、キッシュとサラダ、チーズといった具合で、華美に彩られた食卓のイメージはありません。ただ、平日がシンプルな分、週末は腕によりをかけてオートブルからデザートまで作り、豪勢にする人も多いそう。マルシェ(市場)が生活に浸透しているフランスでは、どの街でも週に数回マルシェがたち、地元の新鮮な食材をリーズナブルな価格で手に入れることができます。大型スーパーでいろいろな食材が手に入るようになっても、人々はマルシェが大好きで、店員に食材の情報や調理法を教えてもらったり、他の客との交流を楽しみながら買い物をします。フランス人にとってレストランでの高級料理はもちろん価値あるものですが、よい素材を手に入れ、その持ち味を生かして調理し、家族や友人とともに、文化的背景も含めて楽しむことも重視しており、ここに美食の国と言われるゆえんがあるようです。

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