ハンガリー

ハンガリーの代表的食材であるパプリカや
サワークリームを使った個性あふれるメニュー

ハンガリーの料理

ハンガリーの食文化

中欧に位置し、日本の1/4ほどの面積のハンガリー。ウラル山脈地方の遊牧騎馬民族「マジャール人」を祖先とする、アジア系民族の国です。ドナウ川が国土を東西二分するように縦に流れ、その東側には大平原が広がっています。繁栄と侵略の歴史が刻まれたこの国の食文化は、時に外国の影響を受けながらも、独創的に形成されていきました。

ハンガリー料理の特徴はなんとってもパプリカ。中南米原産のとうがらしがヨーロッパに伝わると、トルコ人によってハンガリーにもたらされ大平原へ広まったと言われています。辛さ、色、形など、非常に多くの種類が生まれ、乾燥品や粉末にして調味料に用いたり、生食や詰め物料理など、多様な使い方が発達しました。独特の赤色が印象的な「グヤーシュ」や「ハラースレー」は、パプリカをたっぷりと使ったハンガリーを代表する名物料理です。牛肉のスープである「グヤーシュ」は、大平原の牛飼いたちが、鉄の大鍋「ボクラーチ」を野外で火にかけて作ったのが始まりとされ、今でもレストランなどでは小さな鉄鍋で供されます。一方の「ハラースレー」は魚をあらごとじっくり煮込んだスープ。海のないハンガリーでは、コイやナマズなどの淡水魚を使います。いずれの料理もパプリカの生み出すこくや香り、辛さが味の決め手となっています。

サワークリームが多用されるのもハンガリー料理の特徴の一つ。スーパーの棚には多くの種類が並び、家庭の常備品です。日本のものに比べやわらかく、そのさわやかな酸味とこくが、パプリカをきかせたスープや、こってりとした肉料理と抜群の相性。サラダのドレッシングやスナックにも使われ、とても好まれています。
また、スープやパスタなどの料理に、果物や砂糖を使った甘いものがあるのも、非常にユニークな特徴です。夏に前菜として食べられる、まるでデザートのようなフルーツの冷たいスープや、ケシの実と砂糖を合わせ、ゆでたパスタにかけた「マーコシュ・テースタ」など、食べ慣れないわれわれ日本人にとっては、驚くとともに大変興味深い一面です。

世界有数の貴腐ワインやフォアグラの生産でも有名なハンガリー。小国ながら独自の食文化を発展させ、「ドナウの真珠」とたたえられる首都ブダペストと同じく、個性豊かな美食の輝きを放っています。

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