アイルランド アイルランド

アイルランド版おふくろの味「アイリッシュシチュー」など、シンプルながらも、素材の持ち味を生かした温かみのある料理の数々。

アイルランドの食文化 アイルランドの食文化

ヨーロッパ大陸の北西端に位置し、北海道ほどの面積の島国、アイルランド。北に位置しながらも、メキシコ湾の暖流の影響により比較的温暖で、一年を通じてまんべんなく雨が降ることから緑に恵まれ、「エメラルド島」とも呼ばれています。畜産業が盛んで、バター、牛肉などの世界的な輸出国です。

今も昔もアイルランドの食生活には、じゃがいもが欠かせません。南米からヨーロッパへもたらされたじゃがいもは、他の作物とは違い、北国アイルランドのわずかな土地でも栽培でき、十分な収穫を得られ、栄養価も高く、重要な主食となっていきました。ところが、1845年に発生したじゃがいもの疫病でおこった「じゃがいも飢饉」により、多くの死者と他国への人口流出を生むこととなりました。生活をじゃがいもに依存してきた証が歴史に刻まれています。しかし今もなおじゃがいもは愛され続け、ベイクドポテト、チップス(フライドポテト)、マッシュポテトをはじめ、その料理のバリエ―ションは豊富です。例えば代表的なアイルランド料理の「アイリッシュシチュー」は、羊肉とじゃがいもを煮込んだアイルランド版の「肉じゃが」。また、羊肉のミンチにマッシュポテトを重ね、オーブンで焼いた「シェーズパイ」や、マッシュポテトに煮込んだキャベツを混ぜたハロウィーンの伝統料理「コルカノン」など、実に多彩に料理に取り入れられています。

そして、アイルランドを語る上で忘れてならないのがパブ文化です。パブとは人々にとっての憩いと交流の場であり、無くてはならない存在です。1日の仕事を終えた夕食後は、パブに向かい、ビールで乾杯!これぞ、アイルランド流の夜の過ごし方。濃厚なスタウトをはじめとする豊富な種類のビールやアイリッシュウイスキーなどを飲みながら、会話や音楽を楽しむ大切なひとときです。つまみがないパブが主流ですが、煮込み料理やロースト肉などの家庭料理を出すパブもあり、日曜日の昼どきには家族連れでもにぎわいます。

シンプルな味つけで飾らない素朴なアイルランド料理。料理を楽しんだ後は、パブに立ち寄り、ビール片手に現地の人と交流してみてはいかがでしょうか。

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