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スウェーデン人のお茶の時間「フィーカ」に欠かせない甘いお菓子やパンと、伝統的な家庭料理をご紹介。

スウェーデンの食文化 スウェーデンの食文化

北極圏にかかるスカンジナビア半島の東側に位置するスウェーデンは、国土の約半分が森林におおわれる自然が豊かな国です。6月から7月半ばまでは一日中太陽が沈まない「白夜」が見られ、11月から3月にかけては長く厳しい冬が訪れます。

食材の乏しい冬を乗り切るため、乾物、塩漬け、燻製などの保存食が発達しました。中でもニシンの塩漬けを缶の中で発酵させた「シュールストレミング」は、その強烈なにおいから「世界一臭い缶詰め」として知られる特徴的な1品。発酵により特有のにおいを放ちます。適度に発酵が進み食べごろになると、ガスで缶がふくらむほど。サワークリームやバターを塗った薄いパンにゆでたじゃがいも、みじん切りの玉ねぎとともにのせ、強い蒸留酒を合わせていただくのが人気の食べ方です。

また、スウェーデンといえばバイキング料理。ただ「バイキング」と呼ぶのは日本だけで、北欧のビュッフェ方式を最初に取り入れた東京のホテルのレストラン名が定着したもの。本来の呼び名は「スモーガスボード」といい、“パンとバターのテーブル”の意。魚の酢漬けや燻製、ハム、コールドミートなど冷たい料理をはじめ、ミートボールなどの温かい料理、チーズ、デザートなど、一度にたくさんの料理が並ぶハレの食事スタイルです。一度に複数の料理を盛りつけるのではなく、種類別に一皿ずつとって、順番にいただくのがマナーです。

そしてスウェーデンの食文化に欠かせないのが、「フィーカ」というお茶の時間。コーヒーを飲みながら、ケーキや焼き菓子、菓子パン、オープンサンドなどをつまみ、会話を楽しむ習慣です。1日に複数回フィーカの時間をとる人もいて、スウェーデン人のコーヒー消費量は世界でも有数、スイーツの種類も実に豊富です。彼らにとってフィーカは単なる休憩ではなく、家族や友人、職場の同僚などとの大切なコミュニケーションツールなのです。

厳しい気候風土を背景にしたスウェーデンの家庭料理は、味つけも調理法も、とてもシンプル。それでも家族や親しい人たちとの時間をゆったり共有することを大切にする、そんな温かい雰囲気が感じられます。

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