エポマー®

エポマー®

上下水道、ビルピット向け塗布型ライニング材料
エポマー®は、エポキシ樹脂をベースとした上下水道等の施設に使用するコンクリート防食用の塗布型ライニング材料です。
上下水道施設、ビルピット(注1)、農業集落排水、最終処分場、し尿処理場、工業廃水処理施設の防食工事に対して、要求性能に応じた製品を揃えております。



・上水道向け材料[P-800,S-800,S-700];ビスフェノールF型エポキシ樹脂を使用した無溶剤型ライニング材です。日本水道協会(JWWA)K-143, 厚生省令 第15号の規格に適合しています。
・下水道向け材料[GP-101,GP-202,GP-303,VE-200,VE-300];「下水道コンクリート構造物の腐食抑制技術及び防食技術マニュアル(19年版)」において、塗布型ライニング材料においても、10年保証(注2)が義務付けされました。また、全ての製品規格に性能照査の考え方が導入されたことから、個々の製品あるいは工法に対するメーカー責任が一層厳しく問われることになりました。
・ビルピット向け材料[GP-303];無機酸、有機酸(酢酸、蟻酸、プロピオン酸など)、洗浄剤及びアルコール類に対する耐食性の強い材料です。

(注1)ビルピット:ビル内で発生した汚水を地下空間で貯留した後、間欠的に地上に揚水して公共下水道に排出する民間の建築物にある貯留施設のことを言います。
(注2)10年保証について:旭化成アドバンス(株)が材料として10年保証するのは「A・Bエポマー工法協会会員」のみです。
「A・Bエポマー工法協会」については、同協会のHPを参照下さい。
A・Bエポマー工法協会HP: http://ab-epomer.net/


エポマー®の特長

1.上水道向け材料[S-700]

S-700:上水道向けのエポキシ系素地調整材です。
従来のエポキシ系ライニング材料に可とう性を付与することで、最大1mm幅のクラック追従性を実現しました。
厚生省令適合品であり、安定した接着力を保持する画期的上水ライニング材料です。


2.下水道向け材料[GP-202]

「下水道コンクリート構造物の腐食抑制技術及び防食技術マニュアル」指針に対応しています。
GP-202:下水道施設関係の硫化水素腐食に対する耐食性の強い製品です。
ノンクロス工法;樹脂の硬化収縮を抑制することで、ガラス繊維などの補強材を使用せず、樹脂塗膜層のみによるライニング施工により、A種~D種の工法規格に適合しております。工期の短縮によるトータルコストの削減に貢献します。
(注2)10年保証について:旭化成アドバンス(株)が材料として10年保証するのは「A・Bエポマー工法協会」会員のみです。「A・Bエポマー工法協会」については、同協会のHPを参照下さい。


3.ビルピット向け材料[GP-303]

GP-303:無機酸、有機酸(酢酸、蟻酸、プロピオン酸など)、洗浄剤及びアルコール類に対する耐食性の強い材料です。
スチレンモノマーなどの溶剤が含まれていないので、スチレン臭の発生がなく、良好な作業環境を提供します。

エポマー®の施工方法

エポマー®標準工法の説明

GP-202-C工法(ノンクロス工法)
本工法の標準施工フロー及び完成イメージを以下に示します。エポマー® GP-202-C工法は、ノンクロスタイプの塗布型ライニング工法であり、ガラスクロスを使用する必要はありません。

1. 表面処理工

  1. 付着阻害物(粉化物、ゴミ、油脂類、さび、レイタンス、エフロレッセンス、型枠剥離材、泥等)をディスクサンダー、高圧洗浄装置等を使用して除去してください。
  2. 出隅部分は、ディスクサンダー等を使用し、丸みを持たせてください。
  3. 入隅部分は、ポリマーセメントモルタル、樹脂モルタル、樹脂パテ等を使用し、アールをとってください。

2. 素地調整工

  1. コンクリート表面の状況確認
    ①モルタル水分計を使用し、コンクリート表面の含水率が5%以下であることを確認してください。
    ②コンクリート表面の含水率が5%を超過する場合は、送風機、乾燥機器等で強制乾燥させてください。
  2. コンクリートの養生
    ①養生期間の目安は、コンクリート:1ヶ月以上、セメントモルタル:2週間以上となります。
    ②コンクリート打設後、十分な養生期間を確保してください。養生期間が短い場合、浮き・剥がれ・膨れの原因となります。
  3. エポマー®S-800塗布作業
    ①規定の混合比に従って、主剤、硬化剤を計量し、攪拌機を使用して均一に混合してください。
    ②主剤、硬化剤の混合量は、可使時間内に塗布できる量としてください。
    ③金鏝等、塗布作業に適した道具を使用し、標準塗布量0.8kg/m2以上を塗布して下さい。

3. GP-202上塗り工(二回塗り)

  1. 確認作業:エポマー®S-800が指触硬化したことを確認した後、エポマー®GP-202を塗布してください。
  2. エポマー®GP-202塗布作業
    ①規定の混合比に従って、主剤、硬化剤を計量し、攪拌機を使用して均一に混合してください。
    ②主剤、硬化剤の混合量は、可使時間内に塗布できる量としてください。
    ③ローラー刷毛等を使用し、一層当たりの標準塗布量が上塗り①,②が0.4kg/m2以上となるよう均一に塗布してください。
    ④エポマー®GP-202は本工法では、ニ回(ニ層)塗りとなります。一度に合計0.8kg/m2を塗布しないでください。必ずニ回に分けて塗布してください。

エポマー®の主要用途

1.上水用途

S-700;上水道向けのエポキシ系素地調整材です。
従来のエポキシ系ライニング材料に可とう性を付与することで、最大1mm幅のクラック追従性を実現しました。
厚生省令第15号及び厚生省告示第45号 資機材等の材質に関する試験による適合品であり、安定した接着力を保持する画期的上水ライニング材料です。


  1. 概要
    エポマー®P-800シリーズは、主剤にビスフェノールFを使用した、無溶剤型の上水施設向け防食ライニング材料です。日本水道協会(JWWA)K-143の規格に適合しており、湿潤面下地への接着も強力であることから安心してご利用頂ける製品です。

  2. 主要用途
    上水道施設の防食ライニング用途(PCタンク、配水池、沈殿池、濾過池等)にご利用頂けます。

  3. 下表「エポマー®工法一覧参照のこと」
    (1)エポマー®P-800 MS工法[無溶剤型エポキシ樹脂ライニング]
    (2)エポマー®PW-800工法[エポキシエマルジョン(素地調整)ライニング]
    (3)エポマー®P-800 D・MS工法[無溶剤型エポキシ樹脂ガラスクロスライニング]
    (4)エポマー®P-800 T・MS工法[エポキシライニング+アクリルウレタントップコート]
    (5)P-800CP(06)工法[微細クラック追従工法(屋内用)]
    (6)P-800CP(10)工法[微細クラック追従工法(屋内用)]
    (7)P-800TCP(06)工法[微細クラック追従工法(屋外用)]
    (8)P-800TCP(10)工法[微細クラック追従工法(屋外用)]

2.エポマー®の下水用途

  1. 概要
    「下水道コンクリート構造物の腐食抑制技術及び防食技術マニュアル」で、塗布型ライニング材料においても、10年保証が義務付けされました。また、全ての製品規格に性能照査の考え方が導入されたことから、個々の製品あるいは工法に対するメーカー責任が一層厳しく問われることになりました。
     当社製品「エポマー®」は、品質安定性、施工性、10年保証(注2)を含むライフサイクルコストの観点から、施主の方々より高い評価を得ております。
    (注2)10年保証について:旭化成アドバンス(株)が材料として10年保証するのは「A・Bエポマー工法協会」会員のみです。「A・Bエポマー工法協会」については、同協会のHPを参照下さい。

  2. 主要用途
    日本下水道事業団監修の「下水道コンクリート構造物の腐食抑制技術及び防食技術マニュアル」において、下水道施設におけるコンクリート腐食の条件を、A,B,C,Dの4種に分類しています。同マニュアルに掲載されている「設計腐食環境と工法規格の関係」は以下の通りです。

    設計腐食環境 工法規格
    塗布型ライニング工法
    2
    1類,Ⅱ2 D種
    1類,Ⅲ2 C種
    1 B種
    Ⅳ類 A種

  3. 工法
    日本下水道事業団監修の「下水道コンクリート構造物の腐食抑制技術及び防食技術マニュアル」において、上記腐食環境条件の分類に対応したエポマー防食被覆工法については、別掲のエポマー®標準価格表(材工)を参照下さい。


3.エポマー®のビルピット用途

  1. 概要
    大都市圏に集中する複合型オフィスビル、大規模商業ビルなど、飲食店舗が併設されるケースがほとんどです。これらのビルの排水ピットには、食物残渣や油類、洗浄剤等を多く含んだ有機汚濁排水の流入により、下水道の硫化水素による腐食メカニズムとは異なるコンクリート劣化が進行します。
    GP303は、このようなピットにおいて非常に強い耐食性を有しており、多くの施主の方より御用命を頂いております。

  2. 主要用途
    厨房関連排水槽を中心とする以下の施設が対象です。
    ○流量調整槽→ばっき槽→沈殿槽→凝集槽
    ○沈殿槽→ろ過槽→塩素消毒槽→処理水槽


エポマー®工法一覧

用途 工法名 仕様
上水道施設用 P-800MS工法 無溶剤型エポキシ樹脂ライニング
PW-800工法 エポキシエマルジョン(素地調整)ライニング
P-800D・MS工法 無溶剤型エポキシ樹脂ガラスクロスライニング
P-800T・MS工法 エポキシライニング+アクリルウレタントップコート
P-800CP(06)工法 微細クラック追従工法(屋内用)
P-800CP(10)工法 微細クラック追従工法(屋内用)
P-800TCP(06)工法 微細クラック追従工法(屋外用)
P-800TCP(10)工法 微細クラック追従工法(屋外用)
下水道施設用 GP-A工法 エポキシ樹脂下水道防食指針A種対応(素地調整Ⅱ種)
GW-A工法 エポキシ樹脂下水道防食指針A種対応(素地調整Ⅰ種)
GP-B-1工法 エポキシ樹脂下水道防食指針B種対応(素地調整Ⅱ種)
GW-B-1工法 エポキシ樹脂下水道防食指針B種対応(素地調整Ⅰ種)
VE-B-2工法 ビニルエステル樹脂下水道防食指針B種対応
GPD-C-1工法 エポキシ樹脂下水道防食指針C種対応(素地調整Ⅱ種)
GWD-C-1工法 エポキシ樹脂下水道防食指針C種対応(素地調整Ⅰ種)
GP-202-C工法 エポキシ樹脂ノンクロス仕様C種対応(素地調整Ⅱ種)
GW-202-C工法 エポキシ樹脂ノンクロス仕様C種対応(素地調整Ⅰ種)
VE-C-2工法 ビニルエステル樹脂下水道防食指針C種対応
GPD-D-1工法 エポキシ樹脂下水道防食指針D種対応(素地調整Ⅱ種)
GWD-D-1工法 エポキシ樹脂下水道防食指針D種対応(素地調整Ⅰ種)
GP-202-D工法 エポキシ樹脂ノンクロス仕様D種対応(素地調整Ⅱ種)
GW-202-D工法 エポキシ樹脂ノンクロス仕様D種対応(素地調整Ⅰ種)
VE-D-2工法 ビニルエステル樹脂下水道防食指針D種対応
サンシートS600工法 プリプレグ後貼り型シートライニングD種対応
下水道施設用
(耐有機酸仕様)
ビルピット施設用
し尿処理施設用
GP-303-C工法 耐有機酸エポキシ樹脂 ノンクロス仕様C種対応
GP-303-D工法 耐有機酸エポキシ樹脂 ノンクロス仕様D種対応
GP-303-GC1P工法 耐有機酸エポキシ樹脂 ガラスクロス1層仕様C種対応
GP-303-GC2P工法 耐有機酸エポキシ樹脂 ガラスクロス2層仕様D種対応
農業集落排水処理施設用 GW-A工法 農業集落排水施設のコンクリート防食の手引き 1種対応
GW-B-1工法 農業集落排水施設のコンクリート防食の手引き 2種対応
GW-202-C工法 農業集落排水施設のコンクリート防食の手引き 3種対応(ノンクロス)
GWD-C-1工法 農業集落排水施設のコンクリート防食の手引き 3種対応(ガラスクロス)

エポマー®製品一覧

用途 製品 形式 色目 セット重量
(kg)
樹脂 混合物粘度
(mPa・s)
可使時間
(分)
硬化時間
(時間)
環境温度
主剤
(kg)
硬化剤
(kg)
下水 GP-101 一般 グレー 20 16 4 5,000 30~120 8~20 10~30
冬型 グレー 20 16 4 2,000 60~120 15~20 5~10
GP-202   ライトグレー 15 10 5 20,000 20~100 6~20 5~30
GP-303   ライトグレー 15 10 5 25,000 20~100 4~18 5~30
上水 P-800 一般 ブルー 20 16 4 7,000 70~140 15~20 10~30
冬型 ブルー 20 16 4 7,000 70~140 15~20 5~10
PT-5500   ブルー 18 15 3 500 40~140 8~20 5~30
素地調整 S-700     20 15 5 35,000 25~75 10~20 5~30
S-800 一般   30 20 10 パテ状 70~140 15~20 10~30
冬型   30 20 10 パテ状 70~140 15~20 5~10
無機材料 素地調整
(ポリマーセメント
モルタル)
W-100     20 '3:3:14 50,000 50~120 16~24 5~30
W-200(耐酸)     17 '2:2:13        
断面修復用
モルタル
ジオタイトF (下水用)     25        
ジオタイトC (上水用)     20        
ジオタイトP (上水用)     25        
ジオタイト用
プライマー
ジオプライマーU     18        
ジオプライマーE     4        
プライマー GPプライマー 一般   15 10 5        
ビニルエステル
樹脂
VE-200 主剤     18        
VE-200 硬化剤     1or5        
VE-200SR 主剤     18        
VE-200SR 硬化剤     1or5        
VE-300 主剤 一般   18        
冬型   18        
VE-300 硬化剤     5        
VEプライマー 主剤 一般   15        
冬型   15        
VEプライマー 硬化剤     10        
VE トナー   グレー 1        
促進剤 A     1        
促進剤 B     1        
空気遮断剤     1        
シート サンシートS     1.0×1.0m        
プライマー4000     16        
プライマーV-000     18        
プライマーV-200     18        
硬化剤 メポックスD     1        

各数字は左から主剤:硬化剤:粉体の比率です。

用途 製品名 形式 包装形状 重量(kg)
副資材 エポマー専用希釈剤   13.6
ミルコン   10
ガラスクロス     100m/巻
ガラスマット     64m/巻
サーフェイスマット     100or200m/巻

エポマー®の性能

エポマー製品 耐薬品性一覧

エポマー製品の品種別耐薬品性について、下表の通り集約しましたので参照下さい。尚、各現場における適否判断は、当社に問い合わせ下さい。

薬品名 濃度 VE200
VE400
VE500
VE200SR GP-101 GP-202 GP-303
無機酸 硫酸 ~pH2
5%
10%
20%
塩酸 5%
10%
硝酸 5%
10% ×
燐酸 5%
10%
クロム酸 5%
10% ×
アルカリ 苛性ソーダ 5% ×  
10% ×
アンモニア水 5% ×
20%
水酸化カルシウム 20%
漂白剤 過酸化水素 30%
次亜塩素酸ソーダ 50ppm × ×
塩素酸ナトリウム 50% × ×
有機溶剤 トルエン 100% × × ×
キシレン 100% × × ×
アセトン 100% × × × ×
メチルアルコール 100% × ×
エチルアルコール 100% × ×
塩化カルシウム all
塩化ナトリウム all
塩化第一鉄 all
塩化第二鉄 all
亜硫酸ナトリウム all

[判例]
◎ 使用可能(最適)
○ 使用可能(適)
△ 条件により異なる。(原則使用不可)
× 使用不可


積算価格体系を見る

※エポマー®は旭化成アドバンス株式会社の登録商標です

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