二世帯住宅
お役立ち情報まとめ

玄関を別にする二世帯住宅建築のヒント

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玄関を別にすることで得られるメリットとは?

二世帯住宅の玄関の作りについては、いろいろな選択肢があります。ここでは、玄関を別にすることで得られるメリットについて確認していきましょう。

完全分離型(独立二世帯)を選択すれば独立性が増しプライバシーの確保も

玄関を別にすることにより、日常的な動線が交錯せずに済み、お互いのプライバシーが確保できます。完全分離型(独立二世帯)の二世帯住宅であれば、独立性がしっかりと確保されるため、それぞれの生活リズムをお互いのペースで保つことができます。多忙な中、相手に気兼ねすることが少なくなるため、程よい距離感を保てます。

玄関を別にしても、同じ敷地内、同じ建物内に住んでいるということは変わらないため、誕生日や季節ごとのイベントを一緒に楽しむことができます。一緒に暮らしていても、よい意味での独立した家族でいられるため、良好な関係を継続できるでしょう。

賃貸として貸し出すなど将来の活用にも有利

二世帯住宅は、将来、親世帯がいなくなったとき、1世帯分の空き部屋が発生してしまう可能性があります。そのような場合でも、将来賃貸として貸し出せるよう設計しておくことで、様々な方法で活用できるというメリットがあります。例えば、賃貸住戸としての活用や、ギャラリー、学習教室など、多様な活用法が考えられます。
二世帯住宅の建築について考えるときには、将来の活用も想定しながら、玄関を共有にするか別にするか、浴室は共有にするのか、独立性の高い外階段にするのかなど、より現実性のある間取りを探っていくことが必要です。

親世帯のスペースはいずれ空き、子どもも独立するかもしれません。建物に汎用性を持たせておけば、家族構成や住まい方が変化した際にも対応しやすいでしょう。

玄関が別でも相続や固定資産税の優遇はある

二世帯住宅で同居する親が亡くなった場合、子世帯が住んでいる家を手放さなくてもいいように、同居家族への減税特例があります。「小規模宅地等の特例」といい、不動産を相続する際に居住用として使っていた家屋について、一定の面積割合をもって減額される制度です。
相続人が子世帯の場合の適用要件は、「相続税の申告期限(死後10カ月間)まで居住および土地を保有し続けていること」「被相続人と相続人が区分登記をしていないこと」の2点です。
以前は、玄関・水廻りなどが独立し、内部で行き来ができない完全分離型の二世帯住宅には、「小規模宅地等の特例」は適用されませんでしたが、2014年に要件が緩和されてからは、「区分登記」をしていなければ適用されるようになりました。

また、「固定資産税」についても、二世帯住宅にすることで税金を軽減できる可能性があります。固定資産税は、1世帯あたりでの計算がなされますが、二戸分と認められる二世帯住宅の場合は土地・家屋それぞれが二世帯で換算可能です。それぞれの世帯の独立性や1世帯当たりの面積など細かい要件はありますが、要件を満たすことができれば、大きな節税につながるでしょう。

二世帯住宅の税については、以下の記事で詳しくご紹介しています。
【二世帯住宅の税のお話】税金が抑えられる?二世帯住宅における税金が下がる理由

【コラム】絶対に玄関を分離しないとダメ?玄関を一緒にした場合のメリットは

二世帯住宅で玄関の分離をすれば、プライバシーの確保や生活時間のズレの解消策となります。ただし、共用の玄関にもさまざまなメリットがあります。共用の場合には、宅地面積の中で玄関に取れるスペースが大きくなるため、収納スペースなども余裕が持てるでしょう。延べ床面積の都合などで玄関を共用にせざるを得ない場合でも、建物内でのゾーニングをしっかり施すことで動線のムダな交差を避けることができます。

ヘーベルハウスでは、暮らしの分離度に合わせた二世帯住宅の提案が可能です。共用玄関とする場合のゾーニングについても快適に暮らすためのノウハウがあります。

以下の記事で詳しくご紹介しているのでご覧ください。
親世帯と育児や家事を協力するためのゾーニングポイント

親世帯・子世帯の居住空間や生活導線がぶつかるとわずらわしさを生みやすい。お互いのスペースがしっかり分けられ(ゾーニング)がストレスのない暮らしのポイント。

まとめ

二世帯住宅の玄関を「共有にするか」「別にするか」については、費用面などさまざまな点で悩むところです。しかし、建築前にどのような距離感で暮らしたいのか、間取りや玄関の数、位置などをよく検討することで、ストレスを回避し穏やかな生活を実現することができます。二世帯住宅の設計に迷ったら、一度、二世帯住宅を得意とするハウスメーカーに相談してみてはいかがでしょうか。経験豊かなプロのアドバイスを受けて、よりよい未来のために十分な検討を重ねていきましょう。