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現実をとらえながら理想をかなえる家

STUDY

エキサイティングな人生を送れる家の第一条件として、可変領域の広さを挙げた。
それを象徴するのがヘーベルハウスの3F建て住宅FREXだ。
遡れば、Fシリーズが開発された6年後の1986年、バブル時代の幕開けによって都市部の地価が高騰し、住宅の狭小化が顕著になるなかで、日本初の工業化認定された3F 建て住宅「フレックス3」が誕生した。
そのフレックス3の設計哲学をFREXは受け継いでいる。

 FREXは、高層ビル建築で多く採用されているラーメン構造を一般住宅用としてシステム化した構造をもつハイスペック住宅だ。
ただ、その特長は強い躯体をもつだけではない。
四方の柱と梁だけで自立している" 無柱空間"が広がるため、空間設計の自由度がきわめて高い住宅でもあるのだ。

 たとえば、リビングの床面を下げたり(ダウンフロア)、吹抜けの大空間を実現したり、室内リビングと屋外テラスを一体化したり、大胆なルームカスタムを行うことができる。

二世帯住宅や賃貸併用住宅へのアジャストメントも抜群で、住まう人のライフスタイルだけでなく現実的な事情に対してもフレキシブルに対応できるのだ
(ちなみに「二世帯住宅」という言葉の生みの親はヘーベルハウスだ。
外階段を設けた完全分離の世帯別住宅を発表したときに呼ばれたのが最初で、それは1975年のことだった)。

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柱と梁だけで自立する「門型フレーム」を上下左右に接合しながら全体を創りあげる立体格子構造(ラーメン構造)。
なかでも柱だけで建ちあがる重鉄・システムラーメン構造をもつヘーベルハウスのFREXは、仕切り壁のない大空間を生み出せ、ダウンフロアのような立体空間を作ることもできる。
外壁や開口部を構造本体から切り離し、フルリフォームできる点も魅力だ。

二つ目の条件に挙げた「篭りスペース」は、多彩な空間演出を可能にするヘーベルハウスの真骨頂でもある。
小誌編集部は毎月のようにヘーベルハウスのモデルハウスを見学取材しているが、3F建てのFREXモデルだけでなく、2F建てのCUBIC モデルにも室内のあちこちに隠れ家的スペースがあり、またそれぞれのモデルハウス別にちがったタイプの篭りスペースがあって、見飽きることがない。
たとえば切妻屋根をもったCUT & GABLE(FREXモデル)を訪ねたときは、トップ部にある小屋根空間に理想的な男の収納スペースを見たし、狭小住宅のSTEP BOX(CUBIC モデル)やterra craft(FREX モデル)を訪ねたときは、家自体が秘密基地のような構成をしていてワクワクした。

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FREX TOKYO RESIDENCE 立川モデルにある2Fの一角。
写真手前のフロアにはベッドがあり、一段下がったところにちょっとした篭り空間がレイアウトされている。
その空間をヘイルメリー流の「ルームインルーム」にアレンジした写真。
大開口窓から自然光をたっぷり受ける空間で、左サイドのウォーターブルーの壁がアクセントになり、室内全体を明るく包み込んでいた。
いかに気持ちよく昼寝できるか、ということを念頭に置いてアレンジした。


三つ目の条件として挙げた「自然の恵みを享受」するには、テラスやベランダの使い方を熟考する必要がある。
早くからアウトドアリビング提案を行ってきたヘーベルハウスだが、それを象徴する空間が「そらのま」と呼ばれる半屋外空間だ。
リビングやダイニングキッチンとひとつながりになった「そらのま」は、応接間がなくなった時代の新しい「ふるまい空間」の機能を果たしてくれる。
親しい友人や家族に野外料理や旨い酒をふるまうことのできる場所として重宝する。

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このコラムに掲載した写真は、千葉県船橋市にあるヘーベルハウスのFREX モデルの写真だ。
梅雨に入る前、6月初旬の晴れやかな日中に撮影した。

2色コンビのヘーベルウォールを生かした大迫力のファサードを持ったFREXで、重鉄・システムラーメン構造の躯体構造をフルに生かして開放的な居住空間を創り出していた。
一つ目から三つ目に挙げた条件を実感できると同時に、四つ目の条件として掲げた「ゾーンに暮らせる」家の意味がよくわかる空間でもあった。

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ヘーベルハウスFREX船橋モデルの3Fの風景。
右サイドのアウトドアリビングと手前のダイニングキッチン、さらに中央奥のダウンフロアリビングとその右サイドに設えた緩衝地帯のような書斎空間がゾーンで広がる。
書斎空間はフロアの段差を利用した掘りごたつ式で、座るとパーティションデスクがほどよい目隠しになり籠り感を味わえる。
立ち上がると室内外リビングとひとつながりの開放的なスペースであることをあらためて感じる。


このFREXは賃貸併用仕様になっていて、メインリビングは3Fにある。
3Fといっても、「階」のイメージはない。
入り口に一段下がったダウンフロアリビングがあり、独立した空間を形づくっている。
そのリビングの段を上がったところには、今度は、琉球畳を敷いた小ぶりの書斎スペースが独立している。
ダウンフロアリビングと書斎スペースとの距離感が抜群で、本を読むふりをしながらテレビを見る娘との会話を上手に画策できそうな気がしてくる。
書斎スペースの背後には広々とした「そらのま」がレイアウトされていて、「そらのま」からはダイニングキッチンにも瞬間移動できる。
キッチンの奥にはもうひとつ、少し小ぶりの隠れ家的アウトドアスペースがある。
そこでハンモックに揺れていると、ちょうどキッチンの奥のゾーンが見えた。
そのゾーンに入ってみればランドリーがあり、パウダールームがあり、バスルームがあった。
バスルームには窓がついていて、奥にはクールダウンできるもうひとつのアウトドアスペースが見えた。
風呂上がりにライトビアを飲んで涼みながら、ランドリールームで作業する奥さんとさりげない会話をできそうな気がしてくる。
空間に仕切りがないので、ほどよい距離感を保ちながら同居人たちとふれあうことができそうな「ゾーン」が広がっているのだ。

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3Fにはあと二つ、アウトドアスペースがある。
左写真はキッチンとランドリー&パウダールームに隣接した半屋外空間。
天井の一部だけくり抜き、左右の壁をあえて設けていないところが特徴だ。
右写真は、ヘーベルハウスFREXならではの機能性を実感するバスルーム一体型のミニアウトドアスペース。
湯上りに涼みながら寛ぎの時間を過ごせるスペースだ。
ヘーベルウォールが目隠しになっているからプライパシーもしっかり守られる。


STEP BOX やterra craftを訪ね、「クロスフロア」と呼ばれる中間層のようなスペースに案内してもらったときも、たくみなゾーンの空間演出に感心した。
クロスフロアとダイニングテーブルとのタテの距離感が抜群で、居ながらにして家族と会話し、「ちょっと〇〇取って」というような会話もあたりまえにできるように感じられた。

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ヘーベルハウスの2F 建て住宅「STEP BOX」の室内風景。
1Fの秘密基地のようなワークスペースと2Fリビングの間に設けられた、吹き抜けと一体になったクロスフロア(中間階のリビングスペース)が印象的。
上下階を視覚的につなげることによって抜けがよく広がりのある空間を演出している。
光や風、そして眺望の抜けをよくするため、スチール製のシースルー手すりを起用しているところもさすがだなと思った。

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こちらはFREXモデルの「terra craft」(3F建て)を1F奥から見た風景。
床を下げた土間キッチンとダイニングの周囲にいくつも段差が付いていて面白い。
高さの異なる床が、terra=大地(テラ)を意味するのだと聞いてなるほどと思う。
吹抜けに面した2Fの床の一部を下げて1Fに近づけることで、1Fと2Fの間に浮遊しているような空間ができあがっている。
各所でそういった高低差を楽しめるエキサイティングな家だ。


家族との関係を良好に保ちながら、自分の居場所をしっかり確保したい、しかもひとつのフロアやルームのなかに自分を留めたくない。
そんな男のわがままを許し、あちこちにワクワクできる場所を作れる家。
各地に点在するヘーベルハウスのモデルハウスを訪ねると、いかにそれらが現実と理想のトワイライトゾーンを見抜いて創造された家か、よく理解できる。

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HailMaryこちらのコラムはHailMary8月号に掲載されています。

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