合成例
合成条件-1
MDI/Polyol/1,4-BDL=2/1/1
1)PU溶液の溶剤 |
DMF |
2)PU溶液の不揮発分 |
20% |
3)PU溶液作成時の反応停止剤 |
モノアルコール |
4)PU溶液のフィルムへ塗工した際の仕上がり膜厚 |
約100μ |
軟質PUのS-Sカーブ
「合成条件-1」のフィルム物性を、JIS K7311に準じて測定しました。
ポリウレタンの引張試験


[測定条件]
ポリウレタン処方: MDI/Polyol/1,4-BDO=2/1/1
条件:JIS K7311に準じる
テストピース:2mm×60mm短冊
測定機:テンシロン引張試験機
耐熱水分解性
合成条件-1のフィルムを100℃の熱水中に14日間浸漬し、分子量測定と引張試験を実施しました。
- 分子量変化
PCD系ポリウレタンは、ポリエーテル系やポリエステル系と比較して、分解し難いことが認められます。
100℃の熱水に浸漬したポリウレタンフィルムの分子量変化

[ポリウレタン処方] MDI/Polyol/1,4-BDO=2/1/1
- 引張試験
引張強伸度でも分子量と同様の変化が見られます。すなわち、各ポリオールを比較すると、デュラノール™、ホモポリマータイプのポリカーボネートジオール(PCD)が優れ、PCL、PHAの物性低下が激しくなります。PTMGはそれらの中間位の劣化を示します。




耐薬品性
合成条件-1のフィルムをオレイン酸またはエタノールに1週間浸漬後、膨潤度(重量変化=後-前/前)を測定しました。
- 各種ポリオールの耐オレイン酸性
ポリカーボネートジオール(PCD)を用いたポリウレタンは、他のポリオールを用いたものと比較して、耐オレイン酸性が高くなります。さらに、ポリカーボネートジオール(PCD)においてもカーボネート結合量が多いほど耐オレイン酸性が高くなる傾向にあります。
オレイン酸(23℃)に1週間浸漬したポリウレタンフィルムの物性変化

[ポリウレタン処方] MDI/Polyol/1,4-BDO=2/1/1
- 各種ポリオールの耐エタノール性
ポリカーボネートジオール(PCD)を用いたポリウレタンは、他のポリオールを用いたものと比較して、耐エタノール性が高くなります。
50wt%のエタノール(23℃の水溶液)に1週間浸漬したポリウレタンフィルムの物性変化


合成条件-2
H12MDI / Polyol / IPDA = 2 / 1 / 1
1)PU溶液の溶剤 |
DMF |
2)PU溶液の不揮発分 |
30% |
3)PU溶液作成時の反応停止剤 |
アルキルアミン |
4)PU溶液のフィルムへ塗工した際の仕上がり膜厚 |
約100μ |
耐熱性
合成条件-2のフィルムを120℃で保存した際の強度保持率を測定しました。
PCD系ポリウレタンは高温で保存した後も高い強度保持率を示します。
(120℃で保存したポリウレタンフィルムの物性変化)

[ポリウレタン処方] H12MDI/Polyol/IPDA=2/1/1