AsahiKASEI

製品設計ガイド

原料グレードと成形品密度について

目標の成形品密度に適した原料グレードを下表を参考に選択頂けます。
より高強度な3.5倍発泡(285g/L)から、より軽量・高断熱の10倍発泡品(100g/L)までお選び頂けます。
発泡倍率の選択につきまして、詳しくは弊社にお問い合わせください。

サンフォース®原料 成形品
グレード 嵩密度 発泡倍率 成形時
クラッキング
成形品密度
g/L pcf g/L pcf
BE265 265 16.5 x3.5 7% 285 17.8
BE180 180 11.2 x5 7% 200 12.5
BE130 130 8.1 x7 7% 140 8.7
BE90 90 5.6 x10 7% 100 6.2

(注意事項)
 金型形状によって、一般的に立ち上り部や突起部等の充填困難部位は、成形品密度が低くなることがあります。

成形品密度と難燃性能

UL-94で認証されている厚みは、成形品密度によって範囲が下記のようになります。

成形品密度(g/L) 発泡倍率 難燃性
285 3.5倍 UL94-V0 認証厚み = 3mm以上
200 5倍 UL94-V0 認証厚み = 3mm以上
140 7倍 UL94-V0 認証厚み = 3mm以上
100 10倍 UL94-V0 認証厚み = 5mm以上

製品形状について

サンフォースは、旭化成独自の製造技術により、極めて小粒径化された発泡ビーズとなっています。
小粒化された発泡ビーズは金型内に充填し易く、より自由なデザインが可能です。
金型内にビーズを均一に充填させるために、以下の点に留意して製品形状を決定下さい。

注意すべき形状

①立上り部最小肉厚

立上り部は、金型へのビーズ充填困難個所となります。一般的に壁の肉厚が薄くなるほど、充填が困難となり、不良率が高くなります。一方、ビーズ径が小さいほど、薄肉への充填が容易となります。
サンフォースの各発泡倍率毎の立上り部限界肉厚を上記グラフに示しています。
例えば、10倍発泡品(グラフ中x10[赤線])では壁高さが36mm以上では、壁厚み6mmtが限界
となります。(立上り高さ比が6:1以上で6mmt)

立ち上り高さ比と最小肉厚限界
立ち上り高さ比と最小肉厚限界
立ち上り高さ比と最小肉厚限界

②角取り

金型内へのビーズ充填時に、内隅部(図中「a」)が狭くなっていたり角があると充填不良が発生しやすくなります。内隅部にRを付与する事で、充填性を改善できます。通常はR=2mm以上付与して下さい。Rを大きくとることによって、充填不良の低減化と製品の応力集中を防ぐことができます。

③抜きテーパー

一般的な射出成形品と同様に、金型からの離形時に製品の破損を防止 するために、抜出方向に対して製品形状で抜きテーパーが必要です。(上図:Draft Angles)
サンフォースでは、抜きテーパーは最低1度以上、貫通部等の離形困難個所は、3度以上を推奨しています。

④挟み込み部

一般的な発泡成形品と同様に、挟み込む金型肉厚が薄い場合(3mmt未満)は薄くしすぎると、金型変形の原因となります。
また、挟み込む金型が厚いと、融着不調の原因となりますので、可能な限りコアベントを設け蒸気通気が可能な構造にして下さい。

④挟み込み部

標準金型設計基準

概ね発泡ポリプロピレン(EPP)の仕様と同等です。

対金型収縮率 7 / 1000
拔き匂配
1度以上(離形限界)
推奨 3〜5度(不良率・冷却時間に影響します)
狭込み・貫通部形状態は3度以上を推奨
金型肉厚 EPPと同等(15mm推奨)
コアベントピッチ EPPと同等(スリットタイプ 20〜30mmピッチ)
金型材質 #AC2B(JIS)
成形可能肉厚 3〜60mm(成形品密度 = 140g/Lの場合)

平骨性及び精度が求められる場合は、鋳型ではなくNC切削加工を推奨

標準金型の構造例

型閉(充填、加熱、冷却)状態

④挟み込み部

型開(成形品離型)状態

④挟み込み部

キャビ型

④挟み込み部

コア型

④挟み込み部