タフテック®とS.O.E.®で誘電性能に優れた基板材料を実現
旭化成のタフテック®・S.O.E.®は、基板材料に添加材として配合することで優れた誘電性能を付与することができ、銅箔との接着性も向上させることができます。また、耐熱性や加工性などの基板材料に要求される性能をバランスよく制御可能であり、高機能な基板材料を実現可能です。
低誘電率と低誘電正接で、基板材料の伝送損失を低減
近年、スマートフォンや基地局装置などの通信機器は、通信情報のさらなる高速化・大容量化が求められています。それを実現するためには、高周波化対応が必要です。しかし、伝送損失は通信周波数に依存するため、高周波数帯では従来よりも伝送損失の影響が大きくなります。
高周波数帯での伝送損失を低減するためには、基板材料の誘電率及び誘電正接を低下させることが有効です。
タフテック®やS.O.E.®は、従来基板材料として用いられるPPEやエポキシ樹脂に改質材として添加することで、基板材料に優れた誘電性能を付与することができます。これにより、高周波数帯での伝送損失を低減することが出来ます。
基板材料に求められる種々の性能をバランスよく制御可能
-
銅箔への接着性向上:伝送効率を高めるためには、基板の銅箔の表面を平滑化する必要があります。しかし、銅箔表面が平滑であるほど、銅箔とベース材料の接着が低下するという課題があります。そこで、柔軟性が高いタフテック®やS.O.E.®を配合し、基板材料に接着性を付与することで、平滑化した銅箔への接着性を高めることができます。これにより、高い伝送効率と接着強度を両立した基板材料を得ることが出来ます。
-
耐熱性を維持:一般的に誘電性能や銅箔との接着性のためにエラストマーを添加すると、耐熱性が低下して樹脂が変形してしまったり、熱線膨張係数 (CTE)が増加して基板に反りが生じてしまったりすることがあります。しかし、タフテック®やS.O.E.®は、熱硬化性樹脂との架橋が可能であり、耐熱性とCTEの維持を実現します。これにより、誘電性能や接着性を付与しつつ、熱に強い基板材料を得ることができます
-
溶剤への高い溶解性:タフテック®やS.O.E.®は、トルエンやメチルエチルケトン (MEK)等の溶剤への溶解性に優れるため、樹脂フィルムやプリプレグの製造に際し、熱硬化性樹脂とフィラーと合わせて有機溶媒に溶かしてワニスを調製することができます。
-
熱硬化性樹脂との高い相容性:タフテック®やS.O.E.®は、スチレン量の異なるグレードを豊富に取り揃えています。そのため、基板材料に使用する熱硬化性樹脂の種類に応じて最適なグレードを選択いただくことが可能です。
推奨グレードはお気軽にお問い合わせください
基板材料の用途では、お客様のご要望の条件によって推奨するグレードが異なります。まずはお客様がお求めの性能をお伺いし、最適なグレードの提案をさせていただきますので、お気軽にお問い合わせください。旭化成の豊富な製品ラインナップと幅広い分子設計技術で、お客様の課題解決をサポートします。