高齢者の熱中症対策|原因・予防・住環境の工夫を徹底

近年、気温の上昇に伴い、高齢者の熱中症のリスクが高まりつつあります。熱中症による救急搬送者に占める65歳以上の高齢者の割合は増えており、熱中症の予防と対策が今後の大きな課題です。
この記事では、高齢者が熱中症にかかりやすい理由や効果的な予防法のほか、安全な住環境づくりについて詳しく解説します。原因と予防、対策をしっかり理解し、熱中症を回避しましょう。
熱中症については、こちらの記事もご覧ください。

高齢者の熱中症リスクと主な原因
高齢者の熱中症は、身体機能の変化や生活環境など、複数の要因が重なって発生します。厚生労働省の「熱中症を防ぐために知っておきたいこと 熱中症予防のための情報・資料サイト」には、高齢者のための熱中症対策リーフレットが掲載されています。
参照:厚生労働省「熱中症を防ぐために知っておきたいこと 熱中症予防のための情報・資料サイト」
近年の猛暑により高齢者の熱中症リスクは年々高まっているとされています。以下では、その具体的な理由と原因、重症化のリスクについて詳しく見ていきましょう。
高齢者が熱中症になりやすい理由
加齢に伴う身体機能の変化により、高齢者はほかの年齢層と比較して熱中症のリスクが特に高くなります。
- ・体温調節機能の低下により、暑さを感じにくい
- ・喉の渇きを感じづらく、水分補給が不足しがち
- ・汗腺の機能が低下し、体温を下げにくい
- ・暑さに対する体の適応力が低下している
- ・暑さによるストレスへの抵抗力が弱まっている
参照:「熱中症を防ぐためには」
これらの身体機能の変化は70歳を超えると特に顕著になるとされています。
熱中症の主な原因
高齢者の熱中症は、室内での発症が特に多いとされています。熱中症の主な原因として以下の5つが挙げられます。
- ・室内温度の上昇(特に日差しが当たりやすい部屋や換気の悪い空間)
- ・適切な水分・塩分補給の不足(特に就寝中や活動時)
- ・急激な温度変化(エアコンの設定温度が低すぎるなど)
- ・体調不良時の無理な活動
- ・高温多湿な環境での長時間の活動
特に注意が必要なのは、室温が28℃を超える環境での長時間の滞在です。
高齢者の熱中症が重症化しやすい理由
高齢者は以下の要因により、熱中症が重症化しやすい傾向があります。
- ・基礎疾患(高血圧や糖尿病など)による体調管理の難しさ
- ・服用している薬の影響(利尿薬や血圧の薬による体温調節への影響)
- ・独居による発見の遅れ(特に夜間や休日)
- ・症状の自覚が遅れることによる対応の遅れ
特に独居高齢者の場合には、重症化してから発見されるケースが多いです。最悪の場合は熱中症による孤独死につながる可能性もあるので注意が必要です。
高齢者の熱中症対策|室内・外出時の工夫
熱中症を予防するには、室内・外出時の注意点を十分に理解しつつ、対策を実践することが重要です。
ここでは熱中症を防ぐための室内・外出時の工夫や対策などを詳しく解説します。
室内での熱中症対策
室内での熱中症を防ぐには、室温を適切な状況に維持することが欠かせません。効果的な室内での熱中症対策として、以下の方法が挙げられます。
- ・遮光カーテンやすだれを活用して直射日光を防ぐ(特に西日対策が重要)
- ・エアコンと扇風機を併用して効率的に室温を調整(室温27℃を目安に)
- ・温度計と湿度計を設置し、室内環境を定期的にチェック(暑さ指数の確認)
- ・換気扇や窓の開放による通気性の確保(朝夕の涼しい時間帯を活用)
- ・扇風機やサーキュレーターで空気を循環させる(体感温度の低下に効果的)
外出時の熱中症対策
外出時には以下の点に特に注意が必要です。暑さ指数(WBGT値)が高い日は、より注意深く過ごすようにしましょう。
- ・日傘や帽子の使用で直射日光を避ける(紫外線対策も兼ねて)
- ・涼しい時間帯を選んで外出する(朝夕の涼しい時間帯を活用)
- ・こまめな休憩と日陰の利用(30分に1回程度が目安)
- ・天気予報をチェックし、猛暑日は外出を控える(暑さ指数も確認)
- ・通気性のよい衣服の選択(吸汗速乾素材を推奨)
水分補給の重要性
高齢者は喉の渇きを感じにくく、意識的に水分補給することが不可欠です。体内水分量を維持することで脱水状態を回避すれば、熱中症を防げるでしょう。
- ・1日2L以上の水分摂取を目標に(定期的な水分補給を習慣化)
- ・食事の際にもこまめに水分をとる(汁物や果物も効果的)
- ・スポーツドリンクなどで適度な塩分も補給(経口補水液も有効)
- ・起床時・入浴前後の水分補給を習慣化(脱水予防に重要)
服装の工夫
適切な服装選びも熱中症予防に重要な役割を果たします。
- ・通気性のよい素材を選ぶ(綿や麻などの天然素材)
- ・吸汗速乾性の高い衣類を活用(スポーツウェア素材など)
- ・体を締め付けない緩めの服装を心がける
- ・色は熱を吸収しにくい白や淡い色を選択
- ・必要に応じて冷却グッズ(クールスカーフなど)を活用

高齢者にとって安心な住環境とは?

熱中症予防には、適切な住環境の整備が欠かせません。ここでは、ヒートショック対策や独居時のリスク管理、さらにシニア向け住宅の特徴などを詳しく解説します。特に、温度管理された住環境の重要性について考えていきましょう。
ヒートショックとの関連性
熱中症対策は、冬場のヒートショックの予防にもつながります。年間を通じた温度管理が重要です。
- ・室内の温度差を2℃以内に抑える(特に寝室と居間、浴室間)
- ・浴室・脱衣所の温度管理(冬場は暖房機器の設置を推奨)
- ・断熱材の活用による室温の安定化
- ・温度計の設置による環境モニタリング
一人暮らしのリスク
独居高齢者の熱中症は、重症化や最悪のケースでは孤独死につながるリスクがあります。そのため、一人暮らしの場合は以下のような対策が推奨されます。
- ・定期的な見守りサービスの利用(AI・IoT機器の活用も検討)
- ・緊急通報システムの設置(24時間対応型を推奨)
- ・近隣住民とのコミュニケーション維持(定期的な声かけ体制の構築)
- ・定期的な安否確認サービスの活用(自治体のサービスも活用)
高齢者におすすめなシニア向け住宅の特徴
シニア向け住宅とは、高齢者が安心して暮らせるような住環境が整った住まいのことです。以下のように、熱中症予防を含む総合的な健康管理体制が整っています。
- ・24時間の見守り体制(専門スタッフによる定期的な健康チェック)
- ・温度管理された共用スペース(季節を通じて快適な温度を維持)
- ・入居者同士の交流機会の提供(孤立防止と相互見守り)
ヘーベルVillage(ヴィレッジ)では充実した看護師・相談員によるサポート体制に加え、入居者同士の活発な交流が可能な環境が整備されています。
温度管理された室内と共用スペース、24時間の見守り体制により、熱中症やヒートショックの予防に効果的な住環境を提供。施設内では、定期的な健康チェックと環境モニタリングが行われており、適切な温度管理が実施されています。
まとめ
高齢者の熱中症予防には、適切な環境管理と周囲のサポートが欠かせません。近年、独居高齢者の熱中症による救急搬送や、最悪の場合は孤独死に至るケースも報告されており、予防対策の重要性が増しています。
ヘーベルVillage(ヴィレッジ)は、温度管理された快適な住環境に加え、24時間体制の見守りサービス、充実した医療・介護スタッフによるサポートなどで、熱中症予防を含む総合的な健康管理が可能です。
安心で快適な生活環境で、健やかな毎日を過ごしていただけるでしょう。
詳しく知りたい方はぜひヘーベルVillage(ヴィレッジ)にお問い合わせください。
