分譲マンション価格の高騰によりファミリー世帯が賃貸住宅に流れ、ファミリー向け賃貸住宅のニーズが高まっています。都市部に限らず、郊外人気も定着したままです。最新の子育て向け賃貸住宅は分譲マンションにない、子育てに特化した機能を備え、人気を博しています。子育てファミリーのニーズに応えた賃貸住宅を紹介します。
総務省の労働力調査によると、共働き世帯(妻64歳以下)が2023年に1,200万世帯を超え、専業主婦世帯のおよそ3倍となりました。この傾向は2000年頃から始まり、今では夫婦世帯の約7.5割が共働き世帯となっています。
ここで、注目すべきは共働き世帯の経済力です。この経済力にあらゆる市場が注目をしていますが、住まいに関しては近年の分譲マンション価格の高騰により、需給状況に変化が出ていると思われます。2024年1~6月の東京23区の分譲マンション平均価格は1億855万円(不動産経済研究所調べ)です。パワーカップル(高収入共働き世帯)でさえ、無理なく購入できる価格ではなくなってきました。持ち家購入を控えたファミリー層が賃貸住宅に流れていると考えられます。
働き方の変化や社会環境の変化で、住まいへの価値観にも変化が見られます。持ち家にこだわらない「賃貸派」の増加です。「良質な賃貸が増えれば持ち家にこだわらない」賃貸派は50%います(くらしノベーション研究所(現LONGLIFE総合研究所)調べ)。
ただし、まだまだ賃貸市場には本当に良質なファミリー向け賃貸住宅は少ないようにも感じます。特に子育てに特化した賃貸住宅は少なく、今後もニーズは高まりを見せていくと思われます。
経済力のある共働き世帯が増加し、分譲マンション価格の高騰や価値観の変化から賃貸派も増加している。今後の "良質な賃貸住宅"のニーズが注目される。
分譲マンションにもない付加価値を持った、子育てをコンセプトにした賃貸住宅が人気を呼んでいます。
その一例が、子育て共感賃貸住宅「ヘーベルメゾンBORIKI(ぼりき)」です。孤立しがちな子育て世帯に子育てしやすい環境を提供する賃貸住宅として、2024年度グッドデザイン賞を受賞しました。審査委員による評価コメントは次のとおりです。
「子育てしやすい環境を提供する賃貸集合住宅を目指し、共用部などハード面での工夫にとどまらず、家族間の交流と助け合いを生みやすくするための住民憲章への同意や交流イベントの開催など、ソフト面での仕掛けを通じた新たな共助の仕組みづくりに挑戦している。明確なターゲットを設定し、コミュニティの形成を図ることで、集合住宅そのものの付加価値向上を実現した好例である」
評価コメントにあるように、特徴の一つが賃貸住宅では珍しいコミュニティがあること。安心して子育てができる環境に、地域のコミュニティが重要だと思っている人は多くいます。
「ヘーベルメゾンBORIKI(ぼりき)」では、入居時にしっかりとコンセプトを伝え、住民憲章「子育てクレド」を定めています。子育てクレドには、共に暮らすための共通認識や基本的なルール、いざというときの助け合いについて明記されており、全入居者がクレドの賛同者であることが、お互いの安心感を生み、コミュニティの形成・発展を支えています。
また、入居後には入居者とつくるコミュニティ紙「BORIKI新聞」の発行や、交流イベントなどを通じて、子育てコミュニティの形成を継続的にサポートしています。
「ヘーベルメゾンBORIKI(ぼりき)」は、入居者同士のゆるやかなつながりを作りだすために、共用部と各住戸における設計の工夫をし、子育てコミュニティに配慮が行き届いています。
共用部に設けられた「見守りステーション」は、子どもたちが砂場のある中庭で遊んでいるところを見守りながら、気軽に入居者同士がおしゃべりできる場所です。
1階住戸は、中庭に面してリビングと玄関が配置され、懐かしい縁側のようなスタイルで、入居者同士が自然に顔を合わせやすい空間になっています。一方、外廊下側に玄関があるタイプでは、土間空間を設けることで、外と内との交流もとりやすい配慮がされています。
「ヘーベルメゾンBORIKI」の詳細はコチラ
賃貸住宅に子育てコミュニティをつくることで、付加価値が向上。子育てコミュニティは継続的にサポートすることで形成・発展している。
ライフスタイルや価値観の多様化によって「賃貸派」が増加すると共に、子育て世代の賃貸住宅に対する良質なプランニングや設備へのニーズが高まっています。
そのニーズに応えるために開発されたのが「ヘーベルメゾンWiDE-Li(ワイドリ)」です。
リビングや玄関まわりの広さ、キッチンの使いやすさや豊富な収納量などを確保した賃貸住宅です。
また、賃貸住宅で気を遣う子どもの足音などに対応するため、日本建築学会適用等級1級相当の遮音性を有するヘーベルメゾン遮音構造「ANSr.50」を開発しました。
これらの子育てファミリーのニーズに応えた「ヘーベルメゾンWiDE-Li」とヘーベルメゾン遮音構造「ANSr.50」が、非営利活動(NPO)法人 キッズデザイン協議会主催の「第18回キッズデザイン賞」を受賞しました。
◆コンセプト:ワイドな間取りで、子育て世帯の広がる暮らしに応える賃貸住宅
2LDKプランでは一般的な広さが55㎡なのに対し、ヘーベルメゾン「WiDE-Li」は約65㎡と余裕のあるプランです。またリビング&ダイニングは広さを重視。広い間口でダイニングをテラスやベランダにつなげ、リビングはテラスやベランダへの動線を外し、ゆったりと過ごせる空間にしています。
◆モデルターゲット:共働きで小さなお子様がいる3人ファミリー
共働きで忙しい中、共に家事や育児に日々奮闘する「新婚2人ファミリー」、「乳幼児や低年齢児童のいる3人ファミリー」です。
◆モデルプランと7つの特徴
①ワイドビューリビング:開放感ある広い間口
②マルチパントリー・キッチン:リビングから見えない冷蔵庫スペースとパントリー
③2wayダブルウォークイン:
家族のための使いやすい2つのウォークインクローゼット。一方は廊下からもアクセスでき、寝室で寝ている家族を起こさずに物を出し入れできます。
④ゆとり玄関:たっぷりの収納スペース
⑤すっきり水まわり:雑多なものもスッキリ収納
⑥マルチルーム:ちょうどいいサイズの個室
⑦くつろぎテラス:LDK一体型のテラス空間
「ヘーベルメゾンWiDE-Li」の詳細はコチラ
内部の構造を強化することで、上下階および住戸間のより高い遮音性を実現し、お子さまがいるご家庭で心配な音の問題を解消するヘーベルメゾン独自の遮音構造。日本建築学会適用等級1級の遮音性能を有します。
子育てファミリーの賃貸住宅に対するニーズはより高品質なプランニングや設備が求められる。同時に遮音性も子育てファミリーにとっては重視される。