嘉納治五郎杯東京国際柔道大会 2007ワールドグランプリ結果報告
90kg級泉、世界選手権の再現ならず!イリアデスに敗れ惜しくも準優勝!
90kg級齋藤、増渕共に優勝に一歩届かず3位入賞に留まる!
81kg級塘内、敗者復活戦を勝ち上がり北京へ望みを繋ぐ3位入賞!!
100kg超級高井、3位決定戦世界チャンピオンに勝ち、価値ある3位入賞!
12月7日から9日までの3日間、日本で初めて男女同時開催される国際大会、嘉納治五郎杯 東京国際柔道大会2007ワールドグランプリが行われ、当部より4階級7名の選手が出場致し ました。尚、本大会は来年8月に行われます、北京オリンピック柔道競技大会選考会も兼ねてお ります。 大会初日、66kg級内柴正人が出場しましたが、2回戦で逆転負けを喫し上位入賞を果す事 は出来ませんでした。 大会2日目、81kg級に塘内将彦、高松正裕が出場し、塘内が2回戦で敗れるも敗者復活戦 を勝ち上がり3位入賞、北京オリンピックに望みを繋げました。また、高松は3回戦で肘を痛め るアクシデントがあり敗退。敗者復活戦も怪我をおして出場しましたが、力を出し切れず敗者復 活2回戦で敗退しました。90kg級に斎藤制剛、泉浩、増渕樹の3名が出場し、3名共に圧倒 的強さで準決勝まで進出し、齋藤、泉の同門対決を泉が制し決勝進出するもイリアデス選手に優 勢負けを喫し、惜しくも準優勝に終わりました。また、齋藤、増渕は3位決定戦を共に勝利し3 位入賞致しました。 大会3日目、100kg超級に高井洋平が出場し、準決勝まで勝ち上がるも優勝した石井選手 に惜しくも優勢負けを喫し3位決定戦へ回った。しかし、3位決定戦、世界チャンピオンリネー ル選手に競り勝ち価値ある3位入賞を果しました。
詳細は、以下の通りです。
大会初日
66kg級
1回戦
内柴 | ○一本 (横四方固) |
J.ウオティラ (フィンランド) |
2回戦
内柴 | 技有○ (隅 落) |
S.ミャラグチャ (モンゴル) |
内柴は、1回戦横四方固めで『一本勝ち』し勢いに乗るかと思われたが、続く2回戦、試合開 始より、ポイントを奪いリードするもラスト、5秒隅落で「技有」を奪われ、まさかの2回戦敗 退。敗者復活戦は、ミャラグチャ選手が3回戦敗退の為、進出ならず。
大会2日目
81kg級
1回戦
高松 | ○ 一本 (不戦勝) |
M.ジャゴ (南アフリカ) |
塘内 | ○ 一本 (合 技) |
R.ディルラッセル (ニュージーランド) |
2回戦
高松 | ○ 一本 (横四方固) |
D.パボー (スイス) |
塘内 | GS効果○ (指導1) |
Y.W.クォン (韓国) |
3回戦
高松 | 一本○ (裸 絞) |
S.コゼル (ロシア) |
敗者復活戦
1回戦
塘内 | ○ 効果 (指導1) |
D.シャオ (中国) |
2回戦
塘内 | ○ 技有 (指導3) |
D.フェルナンデス (ベルギー) |
高松 | 技有○ (指導3) |
A.フリッチ (フランス) |
最終戦
塘内 | ○一本 (小内刈) |
T.スティーブンス (アメリカ) |
3位決定戦
塘内 | ○一本 (肩 固) |
S.コゼル (ロシア) |
高松は、1回戦『不戦勝』2回戦『横四方固め』と好調だったが、3回戦一瞬の隙をつかれ裸
絞めで『一本負け』を喫した。敗者復活戦に進出するも3回戦で痛めた肘が思うように動かず、
自分の柔道が出来ないまま、反則が重なり悔しい『優勢負け』を喫した。
塘内は、1回戦合技で『一本勝ち』を収めるも2回戦では、Y.W.クォン選手にゴールデン
スコアで指導1の『優勢負け』を喫し、敗者復活戦に回った。敗者復活最終戦まで勝ち上がった
塘内は、T.スティーブンス選手と対戦。序盤より、積極的に攻め立て試合の流れを掴む。試合
開始1分20秒タイミングの良い小内刈を見事に決め『一本勝ち』で3位決定戦へ。3位決定戦
S.コゼル選手との対戦。徐々に調子を上げて来た塘内は、組手の上手さを活かし、先に先にと
仕掛け相手の柔道をさせない。勝負が動いたのは試合中盤、得意の袖釣込腰で有効を奪い、その
まま相手を制し、肩固で『一本勝ち』を収め、北京オリンピックに望みを繋ぐ、3位入賞を果た
した。
90kg級
1回戦
増渕 | ○ 一本 (内 股) |
Y.クァ (中国) |
2回戦
齋藤 | ○技有 (大外刈) |
S.H.チェ (韓国) |
泉 | ○一本 (不戦勝) |
N.ブリッソン (フランス) |
増渕 | ○一本 (大外刈) |
S.マキ (フィンランド) |
3回戦
齋藤 | ○一本 (横四方固) |
E.エンフバト (モンゴル) |
泉 | ○GS有効 (体 落) |
R.サイドフ (ウズベキスタン) |
増渕 | ○一本 (内 股) |
D.マルコフ (ウクライナ) |
準決勝
齋藤 | 一本○ 効果 (合 技) |
泉 |
増渕 | 一本 ○ (移 腰) |
I.イリアディス (ギリシャ) |
3位決定戦
齋藤 | ○GS効果 (指導1) |
矢嵜 (日本) |
増渕 | ○一本 (内 股) |
S.H.チェ (韓国) |
齋藤、泉、増渕の3選手は、圧倒的強さで準決勝進出。準決勝戦、齋藤と泉との当部同士の同
門対決。ここ数年、日本の90kg級を支えてきた2人の久しぶりの対戦に周囲は最高に盛り上
がり試合開始より、激しい攻防が続く。試合が動いたのは試合中盤、泉が得意の肩車を掛け技有
を奪う。ポイントをリードし試合の主導権握った泉は、大内刈からの内股で再度、技有を奪い合
技で『一本勝ち』ライバル対決を制し、決勝進出を決めた。準決勝もう1試合は、増渕とアテネ
オリンピック金メダリストのイリアディス選手との対戦。今大会絶好調の増渕は、試合開始より、
果敢に内股を仕掛ける。試合開始1分に小外掛を返し技有を奪う。しかし、試合中盤、内股を掛
けようと前に出たところを、移腰で逆転の『一本負け』を喫し3位決定戦へ回った。
3位決定戦、齋藤は、矢嵜選手と対戦。手の内を知り尽している両者は5分間では勝敗が付か
ずゴールデンスコアへ(GS)。GS開始より、最後の力を振絞り積極的に攻め込み指導1を奪
い『優勢勝ち』を収め、3位入賞を決めた。3位決定戦もう1試合は、増渕とS.H.チェ選手
との対戦。試合開始より、圧力を掛け前に出る。試合開始1分1秒、得意の内股を掛けると相手
は背中から落ち、見事な『一本勝ち』。敗退した試合以外は全て一本勝ちの内容で3位入賞を果
し抜群の技の切れをアピールした。
決勝戦、泉は、I.イリアディス選手とのカイロ世界選手権大会以来の対戦。安定した内容で勝
ち上がった泉は、試合開始より、相手より先に組み積極的に大内刈、大外刈で攻撃する。しかし
試合中盤、場外際の強引な移腰で有効を奪われる。その後、何とかポイントを奪い返そうとする。
試合終盤、得意の肩車でもう一歩のところまで行くも相手の守りは固く、ポイント奪えないまま
試合終了。『優勢負け』を喫し、惜しくも優勝を逃した。
大会最終日
100kg超級
1回戦
高井 | ○ 一本 (合 技) |
C.D.スタンチウ (ルーマニア) |
2回戦
高井 | ○ 一本 (大外刈) |
O.ブライソン (キューバ) |
3回戦
高井 | ○ 効果 (指導1) |
P.ロバン (フランス) |
準決勝
高井 | 有効○ (指導2) |
石井 (日本) |
3位決定戦
高井 | ○技有 (隅 落) |
T.リネール (フランス) |
高井は、準決勝まで順当に勝ち上がり、準決勝石井選手との対戦。序盤より、相手の不十分な
組み手からの攻撃にペースを掴めない。その後、指導1、指導2を奪われ終盤、果敢に攻め込む
も相手の守りは固く、試合終了。惜しくも『優勢負け』を喫し3位決定戦へ。
3位決定戦、リオ世界選手権大会金メダルのT.リネール選手との対戦。2メートルの相手に
先に組、積極果敢に攻め込む。高井ペースで試合が進み、試合中盤、相手の小外掛けを上手く透
かし技有を奪う。その後も攻撃の手を緩めずに最後まで攻め込み試合終了。世界チャンピオンに
勝利する価値ある3位入賞を果した。
結果
-60kg級
優勝 | 平岡 拓晃(JPN) |
---|---|
2位 | E.ベルデ(ITA) |
3位 | 江種 辰明(JPN) |
3位 | R.リウ(CHN) |
-66kg級
優勝 | T.コバルスキ(POL) |
---|---|
2位 | A.ミターフェルナー(AUT) |
3位 | M.H.チェ(KOR) |
3位 | J.J.キム(KOR) |
-73kg級
優勝 | K.C.ワン(KOR) |
---|---|
2位 | F.ブルイエ(ITA) |
3位 | 大束 正彦(JPN) |
3位 | P.グエデス(BRA) |
-81kg級
優勝 | D.N.ソン(KOR) |
---|---|
2位 | 小野 卓志(JPN) |
3位 | 塘内 将彦(JPN)) |
3位 | Y.W.クォン(KOR) |
-90kg級
優勝 | I.イリアディス(GRE) |
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2位 | 泉 浩(JPN) |
3位 | 齋藤 制剛(JPN) |
3位 | 増渕 樹(JPN) |
-100kg級
優勝 | 小林 大輔(JPN) |
---|---|
2位 | P.マティヤシェック(POL) |
3位 | L.コヘア(BRA) |
3位 | O.デスパイニェ(CUB) |
100kg超級
優勝 | 石井 慧(JPN) |
---|---|
2位 | 井上 康生(JPN) |
3位 | 高井 洋平(JPN) |
3位 | 片渕 慎弥(JPN) |