第63回全日本実業柔道団体対抗大会

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1部 Aチームが2年連続となる優勝を果たす!!
3部 抜群のチームワークで接戦を制し見事優勝を果たす!!

6月15・16日(土・日)岡山県・桃太郎アリーナに於いて全日本実業柔道団体対抗大会が行われ、当部より、1部に2チーム、3部に1チームが出場しました。

初日に行われました、3部では、平均体重80kgの軽量級中心のメンバー編成ながらも、接戦を抜群のチームワークで勝ち上がり、見事優勝を果たしました。

2日目となる1部では、Aチームは実力を発揮し決勝戦まで勝ち進むと昨年と同じ顔合わせとなる京葉ガスとの対戦を3−0で勝利し、2年連続となる優勝を果たしました。

なお、大会優秀選手賞に、1部から西潟、百瀬、吉田。3部から大束、出口、白井がそれぞれ選出されました。

各試合の詳細は以下の通りです。

3部

2回戦

旭化成 5-0 羽田タートルサービス
塘内 一本
(袖釣込腰)
一井
西田 一本
(大外刈)
貝賀
大束 一本
(背負投)
前島
齋藤 一本
(横四方固)
佐藤
白井 一本
(体 落)
村井

3回戦

旭化成 2-1 新日鐵住金
塘内 優勢
(技 有)
酒井
西田 引き分け 小林
大束 引き分け 小野
齋藤 優勢
(有 効)
白井 優勢
(指導2)
松宮

4回戦

旭化成 4-1 東レ
塘内 一本
(払 腰)
西田 優勢
(技 有)
増子
大束 一本
(十字固)
木藤
齋藤 一本
(大内刈)
和久田
白井 一本
(合 技)
藤田

準決勝戦

旭化成 3-1 関西医療学園
出口 一本
(肩 固)
三木
前野 引き分け 鳥居
大束 一本
(内 股)
宮下
齋藤 一本
(大外刈)
阿部
白井 一本
(体 落)
金城

準決勝戦は関西医療学園との対戦。
先鋒戦はベテラン塘内から変わった出口が登場。開始直後に相手を潰し寝技へと繋げて、肩固に決めて瞬く間に一本勝ちを奪う。

次鋒戦は西田に変わり前野が出場。66kg級と体格的に小さいが抜群のパワーと技の切れを持つ前野はベテラン鳥居選手に対し足技を繋げてチャンスをうかがう。
2分46秒片手からの内股で相手を一回転させるが場外の為ポイントはなし。3分10秒相手に指導1を与えるがポイントまで至らず引き分け。

中堅戦、大束は3回戦で足首を痛めるアクシデントに見舞われる。寝技に引き込んで勝負をしたいところだが、身長差15cm、体重差30kgの相手の強引な内股を受け、こらえきれず一本負けを喫した。

副将戦は齋藤が登場。前半の山場となる新日鐵住金戦でも貴重なポイント挙げた勢いそのままに開始より組手で相手を翻弄し足技で相手に攻撃の隙を与えない。
開始52秒に大外刈に入り倒れ込むように相手を倒し一本勝ちを収める。

大将戦、同じく新日鐵住金戦で逆転となる勝利を挙げ好調を見せる白井の登場。
開始10秒組み合った瞬間を逃さず隅返をかけて有効を奪う。その後白井に片襟の指導、相手に消極的となる指導が与えられる。残り1分過ぎに白井が一瞬のすきを逃さず低い体落に入ると相手は一回転し一本勝ち。決勝戦進出を決める。

決勝戦

旭化成 2-1 パーク24
出口 優勢
(指導3)
月波
前野 一本
(内 股)
海老沼
大束 引き分け 青木
齋藤 優勢
(指導2)
吉田
白井 引き分け 矢野

決勝戦は11年ぶりの現役復帰となった吉田秀彦監督率いる話題性抜群のパーク24と対戦。
先鋒戦、出口(右組)と月波選手(右組)の対戦。出口は体重差30kgとなる相手をものともせず開始から相手の釣手(右手)をずらし得意の内股で攻める。相手は足を痛め、攻め手が少なくなる。
そこを逃さず出口が攻撃を仕掛け開始48秒相手に指導が与えられる。
その直後の組み合ったところで、出口が背負投で有効を奪う。
そこから相手は体格を生かして前に出て技を出そうとしてくるが出口はうまく捌きながら運動量で対抗する展開になる。そして相手が出口の運動量に対して徐々にスタミナを奪われて技が出せなくなってくると2分31秒、3分19秒と立て続けに指導が与えられる。
その後も運動量で圧倒する出口が有利に試合を進め、指導3で優勢勝ちを収め貴重な先制点を挙げる。

次鋒戦、前野(右組)は海老沼選手(左組)と対戦。開始14秒に相手が突進して来たところを捌こうとした前野だが場外に出る反則で指導を与えられる。
前野は組み合おうと手を出していくも相手は巧みに動いて前野に組み合わない反則を誘い2つ目の指導を与える。ポイントをリードされた前野は片手からでも足技から内股を繰り出し攻める。相手はポイントを守ろうと要所で技を出して反則を取られないよう時間を潰しにくる。相手の守りが堅い中、2分57秒に前野が一瞬のすきをついて掛けた背負投は大きく崩れポイントかと思われるもなし。3分7秒には内股で大きく崩すもここでもポイントはなく待てがかかる。待ての直後に相手が指導を恐れて抱きついて倒しに来るところを内股で跳ね上げて大きく一回転し一本勝ち。
チーム最軽量となる前野がチームに流れを大きく引き寄せる逆転の勝利を収める。

中堅戦、大束(右組)と青木(左組)の対戦。相手は実業個人選手権66kg級優勝者で、軽量級とはいえ侮れない相手。大束は足首の怪我もあり満足に技を出せない状態だったがケンカ四つの特徴を利用し、開始1分には隅返で相手を崩す。1分28秒に寝技のチャンスを作るが相手が場外に出て待てがかかる。
大束は立技と寝技をうまく使い相手に攻めさせない。すると3分9秒相手に指導が与えられる。
残り時間いっぱいまで攻防が続くも引き分け。

副将戦、齋藤(右組)はベテランの吉田選手(左組)との対戦。内股に威力を持っている相手に対し齋藤は釣手(右手)を突いてしっかりと間合いを取る。ケンカ四つの両者は引手がお互い取れない状況で攻防を見せる。試合時間2分に差し掛かったところで両者に手を組み合う反則で指導を与えられる。
齋藤はポイントを上げようと足技や内股、大外刈と多彩な技を見せてベテランを追い詰めていく。
3分39秒に相手が齋藤に対して場外へ押し出すようにすると、齋藤に場外に出る反則の指導が与えられポイントをリードされる。取り返すことができないまま試合終了。不可解な反則で優勢負けを喫したものの、この時点で内容差による優勝が決まる。

大将戦、白井(右組)と60kg級ながら準決勝戦で一本勝ちを収め、勢いに乗る矢野選手(右組)と対戦。相手は準決勝戦の勢いそのままに袖釣込腰、背負投で攻めてくる。
白井は冷静に捌き、足技で応戦。1分10秒、白井が両袖からの袖釣込腰で大きく崩す。
軽量級との相手で動きに対して白井はパワーで対抗し相手の技を止める。2分43秒少し技が少ない白井に指導が与えられるもそれ以上の追撃は許さず、引き分け。
強豪との接戦を抜群のチームワークで制し、平均体重80kgの軽量級中心で臨んだ中、見事、優勝を勝ち獲った。

1部

1回戦

旭化成B 2-3 九州電力
野田 優勢
(指導2)
川波
小林 優勢
(有 効)
七戸龍
穴井 優勢
(有 効)
七戸虎
田中 優勢
(有 効)
川野
海老 優勢
(有 効)
旭化成A 4-1 パーク24
増渕 優勢
(指導2)
平尾
垣田 一本
(小外刈)
北野
西潟 一本
(小外刈)
渡辺
百瀬 優勢
(有 効)
村上
吉田 一本
(内 股)
菅原

準決勝戦

旭化成A 2-0 新日鐵住金
上杉 引き分け 西山(将)
西潟 優勢
(有 効)
増田
吉田 引き分け 高橋
垣田 引き分け 吉永
百瀬 一本
(払 腰)
齋藤

準決勝戦、旭化成Aは新日鐵住金と対戦。
先鋒戦、新人の上杉(右組)と今夏世界選手権90kg級代表の西山選手(左組)の対戦。同じ国士舘大学の先輩・後輩として練習している両者は手の内を知り尽くしていて、なかなか技が出ない。
3分40秒に上杉が払巻込で攻めリズムをつかみ始めると足技に繋げ、3分55秒に相手に指導を与える。
その後も息の詰まる緊張感が続く中、決定的なポイントは奪えないまま試合終了。引き分けとなる。

次鋒戦、長身の西潟(左組)は増田選手(左組)と対戦。約20cmの身長差を活かし組み合うと左右へ振って相手を大きく崩す。1分15秒に西潟の攻めから相手は技が出せず指導を与えられる。
1分31秒相手が出てきたところを逃さず西潟は隅落で有効を奪う。
その後も西潟が有利に試合を進め3分59秒に組み合わない相手に指導が追加される。
相手の反撃を許す事のないまま試合終了。先制点となる勝利を挙げる。

中堅戦、吉田(右組)は全日本選手権優勝経験をもつ高橋選手(左組)と対戦。身長で17cm、体重で40kgの差がある相手に対し吉田は開始10秒背負投で懐に潜り込む。
ポイントはなかったが思い切りのいい技に会場から歓声が湧き上がる。会場を味方に付けた吉田はなおも1分30秒に思い切りのいい体落をかけ大きい相手を崩す。
相手は場外際で隅返を仕掛け吉田が返し技有の宣告。しかし返したとは認められず取り消される。
隅返に活路を見つけた相手は2分17秒払腰から隅返と繋げてくる。
吉田はこれも読んでいたのか冷静に捌く。相手は徐々に体格差で間合いを詰めてくると4分30秒に吉田に指導が与えられる。しかし相手の反撃を捌き、試合終了。相手のポイントゲッターを追い詰める内容だったがチームに流れを引き寄せる引き分け。

副将戦、垣田(左組)は吉永(右組)と対戦。体格的に同じ相手となるが攻撃スタイルは全くの正反対となる両者。垣田は得意の背負投を中心に巴投などで攻めたいところ。
相手は低い姿勢に引き込みスタミナを奪ってペースを掴もうとする。
垣田は相手のペースに引き込まれず足技や巴投で攻める。
1分24秒背負投から巴投へと連続で攻めれば相手に指導が与えられる。
その後も一進一退の攻防は続く。垣田は残り時間わずかで釣手(左手)を使って相手を揺さぶり追い詰めるが試合終了。ポイントを奪うまで至らず引き分け。

大将戦、百瀬(右組)と齋藤(右組)の対戦。あとがない相手は開始直後から前に出て指導を狙いに来る。百瀬は場外へ押し出されそうになるが上手く体の位置を入れ替え大内刈で切り返す。百瀬の安定した組手で相手は上体を崩し技を出せない。
2分11秒には相手に指導。百瀬は2分46秒には場外際で足車、3分には得意の大内刈で相手を大きく崩し主導権を掴む。
3分44秒相手は百瀬の組手の前にしっかりと組むことができないため、中途半端な組手から内股に入ると百瀬は小外刈に切り返し技有を奪う。
がむしゃらに出てくる相手に百瀬は4分19秒払腰で投げて一本勝ちを奪いチームを決勝戦へ導く。

決勝戦

旭化成A 3-0 京葉ガス
大鋸 引き分け 上川
吉田 一本
(背負投)
下和田
西潟 一本
(小外掛)
岩尾
百瀬 優勢
(指導2)
花本
垣田 引き分け 河原

決勝戦は昨年と同じ顔合わせとなった京葉ガスと対戦。
先鋒戦、ベテラン大鋸(右組)とロンドンオリンピック代表の上川選手(右組)の対戦。
序盤から大鋸は強力な相手の釣手(右手)をしっかりと封じる。
相手は釣手を使い足技で崩したいところだがそれを読んでいる大鋸は55秒、場外際で組手が有利になると足技を出して相手を崩す。
相手の圧力に下がることなく組手と足技でプレッシャーをかける大鋸は2分20秒大外刈で相手を大きくぐらつかせると会場から歓声が上がる。この歓声で火がついたのか相手はペースを変えて攻めてくる。
3分54秒に相手の連続攻撃を受けて大鋸に指導が与えられる。残り時間お互い前に出て攻め合うもポイントはなく引き分け。
相手のポイントゲッターを抑え、ベテランの勝ちに等しい先鋒戦に応援団より大きな拍手が湧き上がった。

次鋒戦、吉田(右組)は長身の下和田選手(右組)と対戦。
同階級ながら20cmの身長差がある。しかし吉田は開始14秒、相手の懐に入り大内刈をかけ相手の上がった足を抱え押し込むと相手はたまらず倒れ、一本でもおかしくない内容だが技有の判定。
その後、吉田は背負投を中心に攻める。相手は手足の長さを利用して足技を使って攻める。
1分6秒相手が釣手(右手)を持ち間合いが遠いながらも小内刈に入り吉田の足をもって倒す。
吉田は上体をひねり間一髪、技有に留める。ポイントで並んだ両者だが、勢いは吉田にあり一本勝ちを狙って猛然と攻める。
2分に変則的な背負投(韓国背負)をかけると相手は一回転。
一本勝ちでチームの勢いをつける先制点を挙げる。

中堅戦、西潟(左組)は岩尾選手(左組)と対戦。西潟は積極的に前に出て釣手(左手)で奥襟を掴みに行く。相手は西潟の釣手を嫌がりながらも足技で応戦。
48秒相手は西潟の足払を燕返しで返す。すぐさま反撃に出る西潟と相手の攻防に場内は盛り上がる。
徐々に西潟の奥襟を持つ時間が長くなり主導権を握り始める。相手は西潟の奥襟を嫌がりながら2分48秒内股を仕掛けてくる。西潟はしっかりと受け止め、小外掛で返すと背中から倒し一本勝ち。
優勝に近づく追加点を挙げた。

副将戦、百瀬(右組)は中量級ながらパワーのある花本選手(右組)と対戦。担ぎ技を得意とする相手に対し百瀬は慎重な組手を見せる。
1分25秒相手が小外、背負投と技を連発し潰れると百瀬は寝技に入り絞めを狙うが顎に柔道着がかかり待てとなる。
徐々にプレッシャーをかけていく百瀬の前に技のでない相手に2分23秒指導が与えられる。相手は組み際の技で対抗し始めるが、3分に寝技に入り、絞めを狙う百瀬だが場外に逃げられる。
残り時間も少なくなり引き分けかと思われる中、百瀬が最後の攻撃を仕掛けると残り31秒、相手に2つ目となる指導を与え勝負あり。優勢勝ちを挙げこの時点で優勝が決まる。

大将戦、優勝は決まっているものの突き放したい垣田(左組)と一矢報いたい河原選手(右組)の対戦。
ケンカ四つの両者は釣手を持ち、引手を探り合う状態となる。垣田は足技から得意の背負投に繋げたいところだが、片手からの内股が得意な相手は垣田の先を取るように技を出してくる。
開始1分には寝技の攻防を見せる両者だが、動きが止まったところで待てとなる。
1分50秒相手の片手からの内股に垣田は大きく浮かされるも捌きポイントなし。この動きで垣田に指導が与えられる。
2分37秒垣田の反撃となる背負投は相手が巧みに捌く。4分10秒垣田が内股のフェイントからの小外掛で大きく相手を崩し倒すがポイントなし。
両者の攻防は続くが決定的なポイントは奪う事は出来ず、試合終了となり引き分け。
2年連続の顔合わせとなる対決を3対0で制し見事2連覇となる優勝を果たした。

最終結果

男子1部

優勝 旭化成A
2位 京葉ガス
3位 新日鐵住金
3位 九州電力

男子2部

優勝 パーク24
2位 京葉ガス
3位 東芝A
3位 センコー

男子3部

優勝 旭化成
2位 パーク24
3位 関西医療学園
3位 つくばユナイテッド

女子1部

優勝 三井住友海上火災保険
2位 自衛隊体育学校

女子2部

優勝 JR東日本女子柔道部A
2位 つくばユナイテッド
3位 JR東日本女子柔道部B
3位 北関東綜合警備保障

優秀選手賞

1部 西潟 健太
百瀬 優
吉田 優也
3部 大束 匡彦
出口 雄樹
白井 勇輝

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