第64回全日本実業柔道団体対抗大会
1部 抜群のチームワークで3連覇達成!!
2部 決勝は当部同士の対戦になり、Aチームの勝利!!
6月7日(土)・8日(日)静岡県藤枝市・静岡武道館において「全日本実業柔道団体対抗大会」が行われ、当部より、1部に1チーム、2部に2チームが出場しました。
各試合の詳細は以下の通りです。
1部
1回戦
旭化成 | 4-1 | ALSOk |
---|---|---|
吉田 | ○ 一本 (袖釣込腰) |
濵上 |
垣田 | ○ 一本 (隅 落) |
熊代 |
西潟 | ○ 一本 (隅 落) |
工藤 |
上杉 | 一本 ○ (大内刈) |
小林 |
百瀬 | ○ 反則勝 (指導4) |
法兼 |
準決勝戦
旭化成 | 3-1 | パーク24A |
---|---|---|
羽賀 | 一本 ○ (払巻込) |
北野 |
垣田 | ○ 有効 (背負投) |
藤井 |
西潟 | ○ 僅差勝 (指導3) |
寺崎 |
吉田 | ○ 一本 (背負投) |
渡辺 |
百瀬 | 引分 | 菅原 |
準決勝で対戦するのは有望な若手を多く要するパーク24Aとなった。
この対戦で先鋒を任されたのは新人の羽賀(左組)。対するは北野選手(左組)。両陣営ともこの先鋒戦で流れを引き寄せたいところ。
羽賀は引手(右手)で相手の脇を持って間合いを取り、釣手(左手)を持ちにいこうとする。相手は組まれることを嫌い羽賀の釣手(左手)を両手で切りしぼる。羽賀は前に出て圧力を掛けながら組みにいこうとすると相手は前に押す力を利用し低くしゃがんで【背負投】を掛ける。股の中にすっぽりと相手が入ったが体を入れ替えさばく。なかなか両者攻めの糸口がつかめず時間は過ぎる。この状況を打開しようと強引に前に出て行ったところで再度低い【背負投】に入られ右体側より倒れてしまい【有効】を奪われる。この時点で残り3分少々。ここで負けるわけにはいかない羽賀はペースを上げて果敢に攻めに転じる。防戦一方の相手に残り時間1分30秒とラスト45秒、ラスト20秒で【指導3】まで宣告される。あと1つ取れば勝ちとなる羽賀は休むことなく攻める。そして、強引に【大内刈から大外刈】へと連続技を仕掛けていくと相手に受け止められ【払巻込】を掛けられてさばくことができず【一本】を奪われてしまう。
リードされての次鋒戦は垣田(左組)の登場。相手は100kg超級全日本強化の藤井選手(左組)である。垣田より二回り大きい。
垣田は冷静な表情で開始線に立つ。近年着実に地力をつけてきた自信の表れだろう。試合開始とともに相手に寄り引手(右手)を伸ばしてつかみにいく。はじめは脇を突き、その後に袖へと持ち替え相手の釣手(左手)を制する。自分よりも小柄な垣田に対し後退する相手。垣田は、【小内刈から背負投】と攻めたてる。開始1分30秒と2分30秒に消極的な相手に対し【指導】が宣告される。開始より常に自分の間合いで圧倒し、残り時間1分30秒を切ったところで相手の上体を前方へ引出し低くしゃがんで【背負投】を掛けるとこらえきれず転がり【有効】を奪う。その後は相手の突進も上手くかわしペースを乱さず試合終了。次に控える西潟へ良い流れでたすきを繋ぐ。
中堅戦は今年の全日本選手権で3位の西潟(左組)。対するは昨年の学生100kg超級チャンピオンの寺崎選手(左組)との対戦。身長では10cm、体重でも20kgほど西潟が上回る。
西潟は絶対勝つという気迫を全面に出し、開始より様子を伺うことなく組みにいく。相手もしっかり組むが西潟の圧力の前に頭を下げ後退する。そして開始40秒、場外に不用意に出たとして相手に【指導1】が宣告される。その後も西潟が釣手(左手)で奥襟を深く持ち、引手(右手)で前襟を持って相手をコントロールしながら動きを制する。やや慎重になり技は出ないが圧力は依然そのまま。開始2分30秒、またしても場外に出たとして相手に2つ目の【指導】が宣告。その後も【指導】を追加し、3つ目の反則ポイントを奪う。相手は不十分な組手から左右の【払腰】を掛けてくるも西潟には通用せず。そのまま試合終了。この試合で始めてリードする。
続く副将戦にはここ一番の勝負強さを持つ吉田(右組)の登場。対する相手は191cm、体重135kgの巨漢、渡辺選手(右組)。
ここで勝てばチームとしての勝利が確定する。相手は何としても勝って大将戦へ持ち込みたいところ。
試合開始より見上げる程大きな相手が吉田に向かって突進して組みにくる。吉田は相手の動きを冷静に読み、さばく。相手は引手(左手)で脇を持って釣手(右手)を大きく振りかぶり吉田の背中を持って引き寄せようとする。吉田は、まず引手(左手)で相手の脇を突いて一定の距離を保ち、釣手(右手)で襟を持って上下に揺さぶりながら相手の重心を崩す。開始40秒、相手の右足の向へ数回ステップし、巧みに相手の釣手(右手を切る。相手が片手になったところで思い切り相手の正面より【大内刈】を仕掛ければ大きな相手は倒れ【有効】を奪う。負けが許されない相手はどんどん前に詰め寄りつかみにくる。吉田を左右にかわしながら【小内刈】や【背負投】を仕掛ける。開始1分を過ぎたところでこれまで引手(左手)から組みにいっていた吉田だったが今度は釣手(右手)を先につかむ。そして、相手が釣手(右手)を上にあげてつかもうとした瞬間にパッと引手(左手)で袖を持ち、立ち姿勢でくるりと回転し【背負投】を掛けると相手は大きく縦回転して背中から落ち【一本】。きっちりと投げて決勝戦への切符を手にする。
大将戦は百瀬(右組)の登場。対するは90kg級の実力者である菅原選手(左組)。
ケンカ四つの両者は釣手(百瀬:右手、相手:左手)での攻防が続く。開始40秒、消極的な両者に対し【指導1】が宣告。その後、両者は指導を1つずつ追加するも決定的な場面は作れない。百瀬は持ち前の組手で相手の動きを封じ無理なく試合を展開する。結局最後までペースを譲らず【引分】。
厳しい展開からのスタートだったが旭化成の個々の強さと団結力で見事逆転勝利をつかみ3連覇へ向けて弾みをつけた。
決勝戦
旭化成 | 3-1 | 新日鐵住金 |
---|---|---|
羽賀 | ○ 一本 (大内刈) |
齋藤 |
吉田 | ○ 一本 (背負投) |
高橋 |
西潟 | ○ 僅差勝 (指導3) |
吉永 |
垣田 | 技有 ○ (大外刈) |
西山(将) |
百瀬 | 引分 | 西山(大) |
今年の決勝戦の対戦相手は、上川選手要する京葉ガスAに勝利した新日鐵住金である。
相手チームのオーダーは団体戦の戦い方を熟知しているベテラン選手を中心に並べられており非常に不気味である。
会場応援席には旭化成応援団と新日鐵住金の応援団が試合場を挟み対局に位置している。両陣営の応援にも熱が入り会場全体が緊張に包まれる。
そして、迎えた先鋒戦。旭化成は先程の準決勝戦で敗退し奮起を誓う羽賀(左組)。対するはベテランの齋藤(右組)。
ケンカ四つの両者は開始より激しく釣手(羽賀:左手、相手:右手)争いをする。相手は釣手(右手)を羽賀の釣手(左手)の上から肘を押し込む。羽賀は構わず引手(右手)を取りにいく。開始50秒、組み合わない相手に【指導1】が宣告。その後も組むことを嫌がるために引手(右手)が十分に持てず時間は流れる。少ない機会に【内股】を掛けるもポイントには至らず。なかなか引手(右手)を持てずにいたがようやく開始3分頃に相手が【内股】仕掛けてきたチャンスを逃さず引手(右手)をしっかりつかみ場外へ出ようとする相手を試合場内へ引っ張り入れてすぐに釣手(左手)もつかんで羽賀の組手になると相手は後退して嫌がる。下がる相手の動きを利用して【大内刈から小内刈】そして【大内刈】と連続で掛ければ相手はバランスを崩し背中から勢いよく倒れ【一本】の宣告。気迫のこもった内容で先程の借りもきっちり返す結果となった。
羽賀がつくった良い流れに乗りたい次鋒戦は、吉田(右組)の登場。対するは2010年全日本選手権チャンピオンの高橋選手(左組)。体も二回り以上大きく重量級ながら豊富な運動量を持つ相手チームのポイントゲッターである。
この相手を前に吉田は臆することなく堂々と胸を張り試合開始より一直線に相手へ向かう。手足の長い相手は釣手(左手)で奥襟を深くつかみ間合いを詰める。吉田は、釣手(右手)で相手の鎖骨付近を突いて距離を保ちながら徐々に圧力を掛けていく。自分よりも大きい相手だが吉田は下半身の力を巧みに使い釣手(右手)に伝えて押し込む。開始1分10秒、後退した相手は不用意に場外へ出て【指導1】。その後、吉田は【小内刈】や【背負投】を中心に攻める。対する相手は【払腰】や【内股】で応戦する。試合も終盤に差し掛かると吉田は攻撃のペースを上げ攻めたてる。残り1分を切ったところで消極的な相手に対し2つ目の【指導】が宣告。なおも攻撃の手を緩めず引手(左手)を深く持ち距離を詰めて【大内刈】を掛けるが右方向へ体を開かれて引手(左手)が切れてしまう。切れた引手(左手)を再度持ちにいきつかんだ瞬間に相手の懐に飛び込むように【背負投】を仕掛ければ相手は吉田の背中を転がり一回転。【一本】が告げられ旭化成の応援席から大歓声が起きる。
つづく次鋒戦には、西潟(左組)の登場。ここで勝って優勝を決めたいところ。対するは90kg級ながら団体戦において非常に強いベテラン吉永選手(右組)。
西潟は開始より素早い組手を見せ相手にプレッシャーを掛ける。そして【内股】や【足払】を中心に技をだして攻める。相手は【一本背負投】で応戦する。積極的に組みにいく西潟に対し、相手は両方持たれては厳しいので体を左に開き釣手(右手)で西潟の脇腹付近を押して距離をとる。距離を詰めたいところだが試合巧者の相手に攻め手を欠く。開始2分50秒、間合いが詰まったところで相手が【巴投】を仕掛ければ掛け逃げと見なされ【指導1】が宣告。その後も十分な組手にはなれずポイントを奪えない。残り1分を切り西潟はギアを上げ相手を追いかける。左右に動きながらさばくもラスト40秒、場外に出たとして相手に2つ目の【指導】が宣告されポイントでリードする。残り時間もリードを保ち試合終了。3人で早々に3連覇を決めて目標達成する。
優勝が決まった後の副将戦は垣田(左組)とロンドン五輪メダリストの西山選手(左組)との対戦。
チームの勝負とは別にこの両者の対戦には非常に注目される。どちらも試合巧者でレベルの高い攻防が見られることは間違いない。お互いに引手(右手)を伸ばしつかみにいく。垣田が先につかみ、低い【背負投】で股にもぐるもさばかれる。相手は垣田の引手(右手)を徹底的に嫌う。それでも垣田は引手(右手)を伸ばしてつかみにいく。両者とも引手(右手)を持ち合うが相手は体勢を低く構え垣田の姿勢が上がらないようにする。開始1分のところで前傾姿勢を回避しようと頭を上げようとしたタイミングに合わせ片手から【大外刈】を掛けられ【技有】を奪われる。その後は再三【背負投】を仕掛けていくもポイントは奪えず。そのまま試合終了となった。
大将戦は、百瀬(右組)と西山大希選手(左組)との対戦となった。
開始よりお互いに詰め寄り釣手(百瀬:右手、相手:左手)の取り合いになる。百瀬は釣手(右手)を相手の釣手(左手)の下から徐々に鎖骨まで上げていき自分の間合いで攻勢に試合を進めていく。両者とも引手(百瀬:左手、相手:右手)が取れないが組み際などを狙って技を出し合う。残り1分30秒となったあたりから百瀬の間合いになりはじめ得意の【大内刈】や【大外刈】などを掛けていくがポイントには至らず。このまま時間は過ぎ終了のブザーが鳴り響く。
接戦になると予想されたが選手と応援団の勝ちたいという気持ちが勝り見事に3連覇を達成することができた。
2部
1回戦
旭化成B | 5-0 | JAKE・JAPAN |
---|---|---|
西田 | ○ 一本 (内股返) |
藤井 |
海老 | ○ 一本 (背負投) |
山田(光) |
前野 | ○ 一本 (上四方固) |
中澤 |
白井 | ○ 一本 (合 技) |
江川 |
齋藤 | ○ 一本 (上四方固) |
山田(嘉) |
2回戦
旭化成A | 5-0 | 十全会 聖明病院 |
---|---|---|
穴井 | ○ 一本 (払 腰) |
渡邊 |
土屋 | ○ 一本 (横四方固) |
土田 |
小林 | ○ 一本 (大外刈) |
相樂 |
増渕 | ○ 一本 (払 腰) |
長根 |
田中 | ○ 反則勝 (指導4) |
小野寺 |
旭化成B | 5-0 | 東洋水産 |
---|---|---|
西田 | ○ 一本 (内 股) |
田川 |
海老 | ○ 一本 (合 技) |
山口 |
前野 | ○ 技有 (内 股) |
末松 |
白井 | ○ 一本 (背負投) |
長田 |
齋藤 | ○ 一本 (上四方固) |
田村 |
3回戦
旭化成A | ②-2 | 日本エースサポート |
---|---|---|
穴井 | ○ 一本 (背負投) |
山本 |
土屋 | 引分 | 大辻 |
小林 | ○ 一本 (袈裟固) |
渡辺 |
増渕 | 一本 ○ (大外返) |
奥村 |
田中 | 有効 ○ (背負投) |
佐藤 |
旭化成B | 2-0 | ダイコロ |
---|---|---|
西田 | ○ 一本 (腕拉十字固) |
上原 |
海老 | 引分 | 反中 |
辻 | 引分 | 谷本 |
大鋸 | ○ 僅差勝 (指導3) |
金子 |
齋藤 | 引分 | 鈴木 |
準決勝戦
旭化成A | 2-0 | 東レ |
---|---|---|
穴井 | 引分 | 増子 |
土屋 | ○ 一本 (払巻込) |
豊田 |
小林 | ○ 一本 (袈裟固) |
角 |
増渕 | 引分 | 黒澤 |
田中 | 引分 | 青木 |
Aチームの準決勝戦の相手は東レとの対戦となった。
まず先鋒戦は、90kg級の穴井(右組)。対するは身長190cm、体重125kgの巨漢 増子選手(左組)。
両者の体格差は歴然だが開始より穴井は相手へ詰め寄る。相手は体格を活かし釣手(左手)で奥襟を持ち距離を詰めようとしてくる。穴井の釣手(右手)は相手の釣手(左手)の下から相手の顎を突き上げる。お互いに引手がもてず開始40秒に【指導1】。穴井は引手(左手)を持つために左に回る。両者とも自分の間合いになれず膠着する。2分過ぎに穴井は【巴投】を掛け相手を潰して寝技へ移行するも活かせず。その後もポイントなく終了。
続く次鋒戦には新人の土屋(左組)登場。対するは、学生時代100kg超級で全国2位の実績をもつ豊田選手(左組)。
土屋は引手(右手)で襟をつかみ、次いで釣手(左手)で奥襟をつかむ。そして、【大外刈】や【内股】を果敢に掛けていく。両者とも引手(右手)は脇を持ち一定の距離を保つ。徐々に土屋のプレッシャーを感じだした相手の視線は足元に向いて前傾姿勢になっているが攻め手が少なく開始1分25秒、両者に【指導1】が宣告。この1分後にもお互い2つ目の【指導】を受ける。その後、土屋はギアチェンジし再三【大外刈】を掛け攻撃のスピードを上げていく。残り時間も1分を切ったところで十分に組み体を寄せながら【大外刈】を掛ける。この技は相手に防がれるも完全に頭が下がり体勢を崩している相手に対し今度は右に腰をひねり【払腰】を掛ければ相手は対応できず回転し【一本】となる。貴重な1勝を挙げチームに勢いをつけた。
中堅戦を務めるのは小林(左組)。対するは長身の角選手(左組)。手足が長く非常にやり辛い選手の一人である。
次鋒戦で土屋がつくった勢いそのままに積極的に相手に向かっていく。相手の様子をうかがうことなく日頃取り組んでいる攻めの柔道を展開する。相手は小林のペースを乱そうと飛び掛かるように組みにくる。対する小林は冷静にさばき、自分の間合いをつくる。組手争いが続き開始1分30秒に両者【指導1】が宣告。小林は展開に変化をつけようと釣手(左手)で持つ位置を襟から奥襟へと変える。相手は虚をつかれ後退する。下がっていく相手を追いかけるように【大内刈】で押し込むと場外を背にした相手は回り込んで場内へ入る。そして、今度は小林が場外を背にすると相手は押し出そうとしてくる。前に押してくる相手の力を逆手に取りコンパクトに右回転し低い【体落】を掛ければ相手は対応できず転がり【有効】を奪い、そのまま【袈裟固】で20秒抑え込み【一本】を奪う。小林の勝ちたいという気持ちが前面に表れた素晴らしい内容だった。そして土屋に続き【一本勝ち】チームの勝利をぐっと手繰り寄せた。
副将戦にはベテラン増渕(左組)の登場。対するは、接近戦を得意とする黒澤選手(左組)である。
この勝負は【一本負け】以外であればチームの勝利が確定する。実力では増渕が上回るが相手は一抹の望みをかけ接近戦を挑んでくる。しかし、増渕に組まれてしまうと反射的に怖さを感じて腰を引いてしまう。開始55秒、相手に対し【指導1】が宣告。なおも増渕は【内股】や【支釣込足】で投げようと試みるが相手も必死にこらえる。その後、相手は奇襲攻撃で対抗してくるも増渕には及ばず試合終了。【引分】となり決勝戦への切符を手にする。
最後を任されたのは副キャプテンの田中(左組)。対するは相手チームのエース青木選手(右組)。田中より身長では20cm程低いが、体重は少し重く非常に低重心である。
ケンカ四つとなる両者。お互いに釣手(田中:左手、相手:右手)でけん制し合う。開始17秒、指を持ったとして相手に【指導1】が宣告。一矢報いたい相手は不十分な状態からでも積極的に攻撃を仕掛けてくる。開始1分30秒、受けの機会が多くなった田中に対し【指導1】が宣告される。その後、一進一退の攻防が繰り広げられるも両者ポイントなく【引分】となる。
Aチームは安定した試合内容で決勝戦へ駒を進める。
旭化成B | 4-1 | 日本通運 |
---|---|---|
西田 | ○ 技有 (小内刈) |
河野 |
海老 | 有効 ○ (払腰) |
武山 |
辻 | ○ 一本 (内 股) |
加藤 |
大鋸 | ○ 棄権 | |
齋藤 | ○ 一本 (大外刈) |
大熊 |
Bチームの準決勝戦の相手は日本通運となった。
先鋒戦は、西田(左組)の登場。対するは河野選手(左組)。
開始より積極的に組み、【一本背負投】や【大外刈】と攻めてプレッシャーをかける。相手はたまらず後退し場外へ。開始20秒、不用意に場外へ出た相手に【指導1】が宣告。西田は引手(右手)を先につかみ、引いたり押したりと相手をコントロールし制する。そして、右方向へ横移動しながら【足払】や【内股】を仕掛け攻めたてる。開始1分10秒、消極的な相手に対し2つ目の【指導】が宣告。なおも西田は引手(右手)を素早くつかむと前後左右に動かし相手の頭が下がったところで釣手(左手)を奥襟へ伸ばしていく。
開始より2分が経過しようとしたところで再度【内股】に入ると相手は抱きついて後方へ返そうとする。西田はこの動きを読み、右にひねっていた体を今度は左へ捻り変えて【小内刈】へと変化させれば相手は踏ん張ることができず背中から落ち【技有】となる。その30秒後には両袖を持っての【大外刈】で【有効】を追加する。終始西田ペースでの展開で先鋒戦を制する。
続く次鋒戦は、海老(左組)の登場。今大会前に怪我(左肩)をして稽古ができなかったが初戦より志願して出場してきた。対するは、身長187cm、体重120kgと巨漢の武山選手(右組)。このコンディションでは非常に難しい対戦相手となった。
海老は釣手(左手)が使えないが重量級の技であってもしっかり受ける技術を持っているために距離を詰められても冷静だ。しかし、開始47秒に両襟を持たれた状態から【払腰】を掛けられ浮いてしまい右体側から落ち【有効】を奪われる。その後、海老は組み方を変えまともに動かせない釣手(左手)は相手の右腕外側の肩に近いところを持ち、引手(右手)は袖を持ち大きなハンドルを持つような形で相手の動きをコントロールする。その後はけん制し合い開始1分30秒、両者【指導1】。海老は痛みをこらえ【背負投】や【巴投】から寝技への移行をみせるも逃げられる。徐々に海老がペースを上げていき相手は下がる。残り時間20秒となったところで不用意に場外へ出た相手に2つ目の【指導】が宣告。しかし、ポイントは奪い返せず【優勢負け】となった。
海老の頑張りを無駄にできないと中堅戦に登場したのは、3回戦より前野と交代した辻(左組)。対するは、辻よりも一回り程小柄な加藤選手(左組)。
ここで勝利できれば副将戦は相手が棄権しているためチームの勝ちが決定する。
気合十分の辻は開始より一直線に相手へ向かい引手(右手)で脇を持ちすぐに釣手(左手)で奥襟を持つ。十分な組手になった辻は迷うことなく【内股】に入れば相手は回転し【一本】。開始20秒で決着した。Aチームに続きBチームも決勝戦へ駒を進め当部同士の対決を実現させた。
大将戦はこちらも海老同様に怪我をして稽古ができない状態での出場となった齋藤(右組)。対するは、齋藤よりも二回り程大きい大熊選手(左組)。
体格的には不利だが齋藤は持ち前の巧みな組手で大きな相手を操る。齋藤は痛めている左手の指をテーピングで固めているために握りこむことが容易ではないが果敢に持ちにいく。引手(左手)が持てないなか釣手(右手)だけで【足払】や【小外掛】などで相手のバランスを崩す。そして、開始2分となったところで引手(左手)を持つと【小外掛から大外刈】の連続技で【有効】を奪う。その後も齋藤が攻撃を仕掛け相手が守るという状態がつづく。残り時間1分を切ったところで引手(左手)を持つと再度【小外掛から大外刈】へ入れば齋藤の刈足(右足)を支点として大きな相手は一回転し【一本】。素晴らしい【大外刈】で準決勝戦を締めくくった。
決勝戦
旭化成A | 2-1 | 旭化成B |
---|---|---|
穴井 | 引分 | 西田 |
土屋 | ○ 棄権 | |
小林 | 技有 ○ (払巻込) |
辻 |
増渕 | ○ 一本 (内 股) |
大鋸 |
田中 | 引分 | 齋藤 |
2部の決勝戦は当部同士の対戦となった。お互いに手の内を知り尽くした者同士の対戦に接戦となることが予想される。
当部同士の対戦となったために会場のどこからも声が聞こえない静寂した中で先鋒戦が始まる。
穴井(右組)と西田(左組)はケンカ四つの組手になるため釣手(穴井:右手、西田:左手)争いがつづく。十分な組手にはなれないが西田は【内股】で攻め、穴井はこれを潰して寝技で攻撃する。その後、開始1分20秒と3分20秒に組み合わない両者に対し【指導】それぞれ与えられる。そして4分間の試合時間は終了し【引分】となる。
続く次鋒戦は、Bチームの海老が怪我のため棄権しAチームの土屋の【不戦勝】となる。
中堅戦は、小林(左組)と辻(左組)の対戦となった。
相四つの組手になる両者。辻は引手(右手)から持ちにいき、小林は釣手(左手)から持ちにいく。先に攻撃を見せたのは小林で【大内刈】や【大外刈】を仕掛ける。だが辻も十分には掛けさせずさばく。体格では辻が大きく組まれて間合いを詰められたくない小林は組手を嫌う。開始1分30秒、組み合わない小林に【指導1】が宣告。この後は組んで攻撃するスタイルに変えた小林。開始1分30秒で小林が掛けた【大外刈】を辻が【払巻込】で切り返し【技有】を奪う。リードされた小林は果敢に【内股】を仕掛けるも辻は腹ばいで逃れる。小林はなおも攻撃を仕掛けていく。開始2分30秒で体勢不十分で小林が仕掛けた【体落】を辻は返して【有効】を奪いリードを広げる。後がない小林はどんどん前にプレッシャーを掛け辻を追い込む。残り30秒と3秒に続けて3つ目の【指導】が宣告されるも試合終了。辻が1勝を奪い返す。
続いて副将戦は増渕(左組)と3回戦より白井と交代して出場している大鋸(右組)。この両者は同級生で大学からこれまでずっと一緒にやってきたが公式戦では初対決。
増渕が【一本勝ち】した時点でAチームの優勝が決まる。開始より増渕は釣手(左手)を大鋸の釣手(右手)の上から抑えて圧力を掛ける。組んでは不利だと大鋸は組むことを嫌う。消極的な大鋸に対し開始27秒、1分30秒、2分30秒に【指導】が宣告され後がなくなる。一方的な試合が展開され大鋸はなすすべなしといった様子。そしてラスト45秒、増渕十分の組手から大鋸を前へ引き出して【内股】に入れば回転し【一本】。同級生対決を増渕が制し優勝を決める。
大将戦は、田中(左組)と齋藤(右組)との対戦。
ケンカ四つの両者は開始より組手でけん制し合いなかなか組み合うことができない。齋藤 は突破口を開こうと【小外掛】でバランスを崩そうと試みるも田中は冷静に対応する。田中は釣手(左手)を持ち下がりながら【一本背負投】を仕掛けるもお互い手の内を知り尽くしており十分には掛けることはできない。試合時間は流れ両者まともに組み合えず試合終了。
最終結果
男子1部
優勝 | 旭化成 |
---|---|
2位 | 新日鐵住金 |
3位 | パーク24 |
3位 | 京葉ガスA |
男子2部
優勝 | 旭化成A |
---|---|
2位 | 旭化成B |
3位 | 東レ |
3位 | 日本通運 |
女子1部
優勝 | コマツ |
---|---|
2位 | 三井住友海上火災保険 |
女子2部
優勝 | ALSOK |
---|---|
2位 | JR九州A |
3位 | つくばユナイテッドA |
3位 | 創柔会柔道クラブ |
優秀選手賞
1部 | 吉田 優也(旭化成) |
---|---|
西潟 健太(旭化成) | |
吉永 慎也(新日鐵住金) | |
西山 将士(新日鐵住金) | |
北野 裕一(パーク24A) | |
2部 | 穴井 航史(旭化成A) |
小林 督之(旭化成A) | |
西田 泰悟(旭化成B) | |
齋藤 涼(旭化成B) | |
武山 大代(日本通運) | |
3部 | 武田 茂之(新日鐵住金) |
酒井 高喜(新日鐵住金) | |
小野 勇輝(新日鐵住金) | |
山下 諒輔(静岡県警察) | |
滝川 英克(静岡県警察) |
女子1部 | 宇髙 菜絵(コマツ) |
---|---|
大野 陽子(コマツ) | |
新井 千鶴(コマツ) | |
女子2部 | 安松 春香(ALSOK) |
田知本 遥(ALSOK) | |
野関 晴菜(JR九州A) |