文武両道のルームメイク

文武両道のルームメイクvol3:オリエンタル・ルーム

COLUMN

自宅には和室が一室ある。
でもチト狭い。
客人を招く広い和室がほしいが、アメリカ的空間がベースの家だから必然的に大きな家具が多くなる。
趣味のモノも増え、プライベート空間が最優先されてしまう。

若い頃、アメリカに大型バイクの免許を取りに行ったとき、現地にDMVでの手続きなどをサポートしてくれる男がいるというので、日本から掛け軸を持っていき、プレゼントしたことがある。
男はとても喜んでくれ、マリナ・デル・レイにあるコンドミニアムのペントハウスに招いてくれた。
そこは日本も中国もいっしょくたにした、不思議な空気が漂う空間だった。
明らかに勘違いしているのだが、私には妙にカッコよく映った。
そんな、海外でデフォルメされた和空間にはいまでも興味を持っている。
ゆえに、自宅の小和室に置いてあるのは、中国製の家具、フランスで人気の芹沢銈介の型絵染の書、外国人観光客相手に商売する土産店に置いてある仏面、BC工房の無垢板テーブルや座椅子であったりする。

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そういったモノたちを下のイラストレーションのような空間に置き、新しい和室をメイクしたいのだ。

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今月のメイン特集に登場したラフネックな男たちをはじめ、ますます海外のVIPとの付き合いは広がる一方で、自宅に外国人ゲストが訪れる機会も増えていくだろう。
この和室は、ライフスタイル・リーダーである彼らに対するプレゼンルームにもなるのではないかと企んでいる。
デフォルメされたジャパニーズマジックに対して彼らのアンテナは反応する。
それが日本国内でも受けるという現象を服飾の分野で体現してきた。
その現象が住宅の分野にも起きるのではないか、と予感している。

illustrated by Kazutomo Makabe

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HailMaryこちらのコラムはHailMary7月号に掲載されています。
※WEB掲載用に一部加筆・修正しています。

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