安心して生活を送るために-看護師からのアドバイス-
第3回
よりよい日常生活を送るために
Q.1
旅行に行きたいのですが、国内旅行・海外旅行は可能ですか。
A.
国内も海外も旅行に出かけることは可能です。
国内の場合は、旅行先での透析施設の予約と、医師の紹介状が必要です。旅行の日時が決定したら早目に主治医へ相談し、予約を取りましょう。全国の透析施設名簿がありますので、かかりつけの病院へお尋ねください。
海外の場合も、旅行中の透析日を決め、主治医や旅行会社に相談のうえ、透析施設を決めましょう。海外での透析は、一ヶ月前には必要な書類など全ての手続きが完了していることが大切です。
医療費については、国内の場合決められた自己負担分で透析治療が受けられますので、保険証や透析手帳などは忘れずにお持ちください。海外での医療費は基本的に全額負担となります。
国内でも海外でも、払った医療費の払い戻しを受けられる場合がありますので、領収証は大切に持ち帰りましょう。詳しい手続きについては、役所の保険課へ相談されるとよいでしょう。
Q.2
いろいろな透析治療について自分なりに理解を深めたいのですが、どんな本を読んだらよいですか?
A.
まずは透析治療全般について大きく理解できるものがよいかと思います。イラストが多く、わかりやすい本をお勧めします。
(1) 「透析ハンドブック、よりよいセルフケアのために」(医学書院)
新人看護師の教育にも活用されている本です。
(2) 「一目でわかる透析を受ける人の看護Q&A」(廣川書店)
Q&A形式でとてもわかり易い本です。
Q.3
息子の結婚式があります。たまには外食を楽しみたいのですが…。
A.
食べてはいけないものはありません。量とバランスが大切です。外食は一般的に塩分が多いので、いつもにも増して量には気をつけましょう。
カリウムの多い生野菜、蛋白質の多い肉や魚などは特に注意して、一食に同じ食材や栄養素が偏らないよう気を配りましょう。
次回の外食の機会のためにも、次の透析時に体重が増えすぎていないか、血液検査のデータはどうかなどを確認をしてみましょう。
Q.4
高齢で一人暮らしをしています。何か援助を受けたいのですが…。
A.
65歳以上の方の生活支援として、2000年4月から介護保険が施行されています。介護保険の認定を受ける手続きをとると、透析患者さんにおいても在宅サービスを受けられるようになっています。お住まいの地域の役所の福祉課か、かかりつけの病院又はソーシャルワーカーに相談してください。
Q.5
透析を受けている本人が落ち込んでいます。どの様に励ましてあげたらよいですか?
A.
病気の程度、進行度、家族、仕事など、患者さんご自身のおかれている状況を把握し、どんなことで悩んでいるのかを理解した上で、時には優しく見守ることも大切だと思いますし、時には話を聞いてあげるだけで癒されることもあるでしょう。気を紛らわせてあげることも大切かもしれません。
Q.6
孤独感を感じています。皆さんどの様に孤独感に対処されていますか?
A.
一緒に透析を受けている患者さん同士で、透析治療の前後など、コミュニケーションをとってみてはいかがでしょう。同じような悩みを抱えているかもしれません。食事の摂り方、自己管理のコツなど思わぬ情報が得られるかもしれません。腎臓病患者さんの会などもあります。一人で悩まず、まわりの方々とのコミュニケーションをとり、安心して治療を続けましょう。