高い質感と高機能性を両立
合成皮革の品質と耐久性は、その構成する各層に依存しています。デュラノール™は、表面処理層から含浸・発泡層まで全ての層に適したグレードをラインナップし、合成皮革の高付加価値化を実現します。
合成皮革の全ての層で、デュラノール™が活躍しています
合成皮革の世界では、各層が特定の役割を果たし、それが最終製品の性能と耐久性を左右します。特に自動車産業向け合成皮革は、その厳格な性能基準を満たすために、性能に対する要求レベルが非常に高くなります。
デュラノール™は、合成皮革の構成要素である「表面処理層」「表皮層」「接着層」「多孔層・含浸層」における耐薬品性、耐擦傷性、耐湿熱性、低温特性、柔軟性といった重要な特性を強化します。例えば、表面処理層における耐擦傷性の向上、表皮層の耐薬品性強化、接着層の耐湿熱性の最適化、そして多孔層・含浸層の柔軟性の向上などがあります。
デュラノール™のこのような特性は、合成皮革を纏った最終製品の美観と快適性を長期間保持するために重要です。以下のセクションでは、より具体的なデュラノール™の提供価値を紹介します。
表面処理層:様々な薬品に対する耐久性を薄膜で実現
表面処理層は合成皮革の耐久性と外観を維持する役割を果たしています。最外部のため直接外界の要因(摩擦、汚れ、薬品など)にさらされます。また、数ミクロンの非常に薄膜で上記の性能を発揮する必要があります。
デュラノール™は高カーボネートのグレードを豊富に揃えており、耐擦傷性に優れるだけでなく、日焼け止めや虫除け等の薬品からの汚染、ジーンズの色移りにも優れた対薬品性を発揮します。特にバイオシリーズのBPN02は高カーボネートによる高機能化とバイオ化の両方を実現することが可能です。
表皮層:耐久性と伸縮性を支える高耐久シリーズ
合成皮革の表皮層は、製品の外観と感触において決定的な役割を担い、最終的な使用体験を大きく左右します。この層は、製品に必要な適度な強度と卓越した伸縮性を提供し、さらに上層の表面処理層に対して必要な構造強度をもたらすことが求められます。特に、耐薬品性や耐擦傷性といった特性のほか、低温環境下でもその柔軟性を維持する能力が不可欠です。
デュラノール™の高耐久シリーズは、このような表皮層の耐久性を格段に向上させる重要な役割を果たします。デュラノール™の導入により、合成皮革の表皮層は、優れた耐久性と伸縮性を実現します。
加えて、デュラノールは水系ポリウレタン分散液(PUD)の開発においても中心的な役割を果たします。この技術は、従来の溶剤系製品と匹敵する、あるいはそれを超える性能を水系化製品にもたらし、VOC低減を実現します。デュラノールを活用することで、高品質かつ環境規制に配慮した合成皮革製品の提供が可能となります。
接着層:厳しい外部環境に耐え、無溶剤化にも貢献
接着層は層間の重要な結合部として機能します。接着層は、厳しい気候条件、特に真夏の高温多湿や寒冷地の氷点下といった極端な環境下でもその性能を維持する能力を有している必要があります。接着層に特化した開発中グレードは、この低温環境下でも顕著な柔軟性を発揮し、消費者に対して一貫した快適な使用感を提供できます。
現在、環境負荷に配慮した無溶剤製品への移行が進む中、接着層材料には低粘度であることも求められています。デュラノール™の液状グレードはこの要求を満たす業界標準的なポリカーボネートジオールとして、多くの自動車メーカーで採用されています。この製品は低粘度でありながら、低温での柔軟性や湿熱条件下での耐久性を兼ね備えており、接着層としての信頼性の高い性能を提供します。
多孔層・含浸層:クッション性と柔軟性による高級感を醸成
多孔層・含浸層は合成皮革の柔らかさとクッション性を提供し、本物の皮革のような質感と感触を再現します。合成皮革の快適性と機能性を大きく左右し、製品の品質と耐久性に直接寄与します。
多孔層の形成には複雑な条件やグレード選定が必要ですが、デュラノール™には多くの採用実績があり、導入から活用までの技術サポートが可能です。
合成皮革の各層には特有の性能が求められ、各層の組み合わせによっても適切な素材の選定が必要です。実績豊富なデュラノール™を用いることで、お客様の独自の要求に適した、オーダーメイドのサポートを提供することができます。
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デュラノール™の用途事例
※本ウェブサイトの記載データ、数値等は、定められた試験法に基づき当社が得た代表値を示したものであり、保証値ではありません。