いつ手術が必要なのですか?
関節で炎症を起こした滑膜が増殖して痛みや腫れの原因となっている場合や、関節の軟骨がすり減ったり関節面の骨が壊れてしまって、痛みや関節の動きの制限のために日常生活に支障をきたしている場合に手術が必要となります。
手術には、主に滑膜切除術と機能再建手術があります。
滑膜切除術とは何ですか?
腫れた滑膜は、痛みのもとになります。滑膜切除術は、腫れた滑膜を取り除く手術です。最近ではあまり行われなくなりつつあります。
関節には2つの骨の端と端をつなぐ袋状の関節包があり、その内側は滑膜という膜に覆われています。滑膜はもともと厚さが1ミリにも満たない薄い膜で関節の潤滑油である滑液を作っていますが、関節リウマチでは、これが炎症を起こして、もとの何倍もの厚さに腫れてしまいます。
炎症を起こした滑膜は痛みの原因となったり、滑液を過剰に作る原因となったり、軟骨や骨を壊す物質を大量に産生します。
これを取り除く手術を滑膜切除術といいます。
機能再建手術について
上肢の人工関節
以前から、関節リウマチによって壊れた関節には関節形成術とよばれる種々の手術が行われてきました。近年になって、人工関節は材質的にも、形態的にも進歩を遂げ、手術技術も完成されて本来の関節機能が取り戻せる安定した状態になっています。
ただし上肢の場合、変形や破壊が進んでしまうと適応とならない場合もあります。
下肢の人工関節
関節リウマチによって歩行障害が進み、今まで行けたところに歩いて行けなくなった、というようなときには膝関節、または股関節に関節破壊が広がっていることがよくあります。
以前は、膝や股関節を人工関節に入れ替えるのは60歳を超えてからと言われていましたが、今は関節が壊れてしまって歩行が困難になれば20歳代でも手術をして、積極的に歩ける生活を取り戻そうというのが基本的な考え方です。
手術後の注意点について
手術をしても薬物による治療が不十分な場合、再発する可能性があります。
術後経過については医師とよくご相談ください。
また、手術後は医師の指示に従ってリハビリを行い、自立した生活を取り戻せるように前向きに取り組みましょう。