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GA値は一定期間(過去約2週間)の平均血糖状態を反映するので食事の影響を受けません。1)
糖尿病治療ガイドに、11~16%と記載されています。2)
初診時無治療の2型糖尿病患者18名(平均GA値 43.2±2.85%)に対して強化インスリン療法を16週間行ったところ、2週間の時点で有意に低下し、16週の時点で16.9±0.39%に低下した報告があります(図3)3)。 なお、受診時のGA値、治療方法により治療後のGA値の変化の大きさは個人毎に異なります4-5)。
GAの治療目標値は、ガイドラインに記載されておりません。 HbA1cの治療目標値7%に相当するGA値(参考値)として、文献6)の換算式を用いると、GA値20%となります。詳しくは、こちらをご参考ください。
2型糖尿病患者28例を対象とした報告においては、投与2週間後のGAの変化量(ΔGA2w)は投与12週間後のHbA1c(ΔHbA1c12W)の変化量と有意な相関を示した報告があります。7)
また、海外データにおいては、治療開始後4週間のGAの変化と12週間のHbA1cの変化を検討した報告があります。8)
アルブミンの代謝が変化する病態があげられます。
GAが高めとなる病態;甲状腺機能低下症9)、肝硬変10)、るいそう11)
GAが低めとなる病態;甲状腺機能亢進症9)、ステロイド投与12)、クッシング症候群13)、ネフローゼ14)、高度肥満15)、喫煙16)
GAと糖尿病合併症の関係については、下記の国内外の研究などで報告されています。
(国内)久山町研究17-19)、
(海外)ARIC Study20-21)、DCCT Study22-23)
ルシカGA-Lは、2017年にFDA認可を取得し、米国で発売されております。そのほか、中国や韓国等においても取り扱いがあります。
GAの保険点数は55点です(生化学的検査(Ⅰ),D007血液化学検査)。HbA1c、GA、1,5AGのうち、いずれかを同一月中に合わせて2回以上実施した場合は、月1回に限り主たるもののみ算定できます。但し、
・妊娠中の患者
・1型糖尿病患者
・経口血糖降下薬の投与を開始して6月以内の患者
・インスリン治療を開始して6月以内の患者
等については、いずれか1項目を月1回に限り別に算定できます。
(令和2年 厚生労働省告示第57号,令和2年3月5日 保医発0305第1号)
GAは慢性維持透析患者外来医学管理料の2,250点に包括されています。
(B001 特定疾患治療管理料 15 慢性維持透析患者外来医学管理料)
(1) 慢性維持透析患者外来医学管理料は、安定した状態にある慢性維持透析患者について、特定の検査結果に基づいて計画的な治療管理を行った場合に、月1回に限り算定し、本管理料に含まれる検査の点数は別途算定できない。なお、安定した状態にある慢性維持透析患者とは、透析導入後3か月以上が経過し、定期的に透析を必要とする入院中の患者以外の患者をいう(ただし、結核病棟入院基本料、精神病棟入院基本料、特定機能病院入院基本料(結核病棟及び精神病棟に限る。)、有床診療所入院基本料、精神科救急入院料、精神科急性期治療病棟入院料、精神科救急・合併症入院料、児童・思春期入院医療管理料、精神療養病棟入院料、認知症治療病棟入院料、有床診療所療養病床入院基本料及び地域移行機能強化病棟入院料を算定する場合における入院中の患者の他医療機関への受診時の透析を除く。)。なお、診療録に特定の検査結果及び計画的な治療管理の要点を記載すること。
(2) 特定の検査とは「注2」に掲げるものをいい、実施される種類及び回数にかかわらず、所定点数のみを算定する。これらの検査料及び区分番号「D026」尿・糞便等検査判断料、血液学的検査判断料、生化学的検査(Ⅰ)判断料、生化学的検査(Ⅱ)判断料、免疫学的検査判断料は本管理料に含まれ、別に算定できない。また、これらの検査に係る検査の部の通則、款及び注に規定する加算は、別に算定できない。
下記のとおり、血液化学検査にグリコアルブミン(GA)は含まれます。
ヘ 血液化学検査
総ビリルビン、総蛋白、アルブミン(BCP改良法・BCG法)、尿素窒素、クレアチニン、尿酸、グルコース、乳酸デヒドロゲナーゼ(LD)、アルカリホスファターゼ(ALP)、コリンエステラーゼ(ChE)、アミラーゼ、γ-グルタミルトランスフェラーゼ(γ-GT)、ロイシンアミノペプチダーゼ(LAP)、クレアチンキナーゼ(CK)、中性脂肪、ナトリウム及びクロール、カリウム、カルシウム、鉄(Fe)、マグネシウム、無機リン及びリン酸、総コレステロール、アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(AST)、アラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)、グリコアルブミン、1,5-アンヒドロ-D-グルシトール(1,5AG)、1,25―ジヒドロキシビタミンD3、HDL-コレステロール、LDL-コレステロール、不飽和鉄結合能(UIBC)(比色法)、総鉄結合能(TIBC)(比色法)、蛋白分画、血液ガス分析、アルミニウム(Al)、フェリチン半定量、フェリチン定量、シスタチンC、ペントシジン
(令和2年 厚生労働省告示第57号,令和2年3月5日 保医発0305第1号)
一日の尿中蛋白排出量が3.5g/日(ネフローゼ症候群)を超える方ではGAが低値になると報告されております24)。
正常妊娠の基準範囲としてGA値11.5~15.7%と報告されています25)。
試薬の有効期限は、包装されている箱に記載されています。そちらをご確認ください。
開封後は1カ月の使用期限です。
ルシカ® GA-L2の測定範囲は4.1~68.2%です。文献報告としては、GAが94.1%という報告がございます26)。測定範囲以上の値に関しては、GAはあくまで参考値とし、他の指標(血糖やHbA1c)で血糖管理をお願いいたします。
血清・血漿どちらでも測定可能です。各抗凝固剤・解糖阻止剤(EDTA、 クエン酸、ヘパリン、NaF、EDTA)の影響については、性能データ頁をご参考ください。
ページ右上のContactよりお問い合わせください。
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ルシカ® GA-L2はヒトのグリコアルブミン測定試薬です。
動物(ヒト以外)のグリコアルブミンの測定用には開発されておりません。
はい、こちらのページにアクセスください。
参考文献
1) Shima K, et al., Diabetologia. 1988;31(8):627-31.
2) 日本糖尿病学会 編・著. 2018-2019 糖尿病治療ガイド, 文光堂, 2018
3) Takahashi S, et al., Endocrine Journal, 54(1): 139-144, 2007
4) Won HK, et al., Diabet Med. 2012;29(1):74-9.
5) Desouza CV, et al., J Clin Endocrinol Metab. 2019 Oct 25.
6) Tahara Y. Diabetes Res Clin Pract. 2009;84(3):224-9
7) Hamaguchi T, et al., J Diabetes Investig. 2012 Mar 28;3(2):175-8.
8) Desouza CV, et al., Endocr Pract. 2015 Nov;21(11):1195-203.
9) Koga M, et al., Diabetes Res Clin Pract. 2009 May;84(2):163-7.
10) Miyamoto H, et al., Rinsho Byori. 2008 Sep;56(9):761-6. Japanese.
11) Koga M, et al., Clin Chim Acta. 2007 Mar;378(1-2):48-52.
12) Iizuka K, et al., BMJ Case Rep. 2016 Mar 9;2016
13) Kitamura T, et al., Clin Chim Acta. 2013 Sep 23;424:164-7.
14) Okada T, et al., Intern Med. 2011;50(1):23-9.
15) Koga M, et al., Clin Chim Acta. 2015 Jan 1;438:19-23.
16) Koga M, et al., Acta Diabetol. 2009 Jun;46(2):141-4.
17) Mukai N, et al., Cardiovasc Diabetol. 2014 Feb 17;13:45.
18) Mukai N, et al., Cardiovasc Diabetol. 2015 Jun 24;14:84.
19) Mukai N, et al., J Clin Endocrinol Metab. 2017 Aug 1;102(8):3002-3010.
20) Selvin E, et al., Lancet Diabetes Endocrinol. 2014 Apr;2(4):279-88.
21) Selvin E, et al., Circulation. 2015 Jul 28;132(4):269-77.
22) Nathan DM, et l., Clin Chem. 2011 Feb;57(2):286-90.
23) Nathan DM, et al., Diabetes. 2014 Jan;63(1):282-90.
24) Okada T, et al., Intern Med. 2011;50(1):23-9.
25) Hiramatsu Y, et al., Endocr J. 2012;59(2):145-51.
26) Kisugi R, et al., Clin Chim Acta. 2007 Jul;382(1-2):59-64.
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